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連載

第30回 2011年1月20日 ミツアキタービン

 「調教師になって2年目のときだったんですが、なかなか巡り合えないですよね。教えたことの飲み込みが早くて普段は無駄な動きをしないし、心肺機能も高い馬でした。走る馬はこうなんだろうなぁということを教えてもらいました」とミツアキタービンを管理していた笠松の田口輝彦調教師。

 2002年に上山競馬場でデビューしたミツアキタービン。体質が弱かったそうですが、「『なんじゃこりゃ〜』っていうくらい素晴らしい背中をしていて、速いところを走らせると、柔らかくてバネもあって良いところ尽くしでした」と、調教をつけて新馬戦にも騎乗した、今は上山から船橋に移籍している庄司大輔騎手は言っています。

 上山で2戦を消化後、笠松に転厩してからの活躍は皆さんもご存じのこと。04フェブラリーSは優勝したアドマイヤドンから0.2秒差の4着に入り、「負けはしましたが、直線であそこまで頑張ってくれて感動しました」(田口調教師)04ダイオライト記念と04オグリキャップ記念のダートグレードレースを2連勝。
 怪我のために長期休養をはさみながら9歳まで走り続け、通算成績は46戦13勝。笠松を越えて地方競馬全体に感動を与え続けてくれた名馬でした。

 2009年11月23日に笠松競馬場で引退式を行い、12月15日に山本光明オーナーのミツアキ牧場(新ひだか町)にやって来て、種牡馬として第二の馬生を歩み始めました。
 「種馬だから少々キツイ面はあるけど、種付けは上手だったよ。風邪ひとつ引かないし元気だね」とミツアキ牧場でお手伝いをしている80歳現役バリバリの佐藤英雄さん。

 わたしがちょうどおじゃましたのは8月上旬だったんですが、芦毛の体はますます白さを増したように思いました。今年明け11歳。
 道路沿いの『ミツアキ牧場』と書かれた看板の真下にミツアキタービンはたたずんでいて、まるでミツアキ牧場のボーイさんのようでした(笑)。『ミツアキタービンがいる!』とファンならすぐに反応してしまいそうなわかりやすい環境にいましたよ。現役時代は500キロを超えた雄大な体でしたが、さらに貫録が出たようにも思いました。

 昨年は山本オーナーの繁殖牝馬を中心に4頭に種付けをしたそうで、4頭とも仔を宿しているそうです。「5月には産まれるよ」(佐藤さん)。ライブリマウントからミツアキタービンの貴重な血を受け継ぐ初仔たちが、もうすぐ北の大地でいななきをあげようとしています。

 PS 来月は、同じミツアキ牧場で種牡馬生活を送っているミツアキサイレンスについてお伝えします。


高橋華代子(たかはしかよこ)
元NHK山形放送局キャスター。
現在は南関東競馬を中心に活動中。

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