今年も道営デビューの実績馬
好位から直線抜け出し完勝

　グランダム・ジャパン2歳シーズンの最終戦に組み込まれ、地方全国交流となって3年目、今年も多彩なメンバーが集まった。やはり注目を集めたのはホッカイドウ競馬で実績を残した馬たち。船橋に移籍しての初戦として臨むカイカヨソウが断然人気で、北海道所属のままで遠征してきたハニーパイが2番人気。3番人気が南関東生え抜きでローレル賞を制したデイジーギャル。早い時期からグランダム・ジャパンのタイトルを目指すと公言していた笠松のカツゲキドラマは北海道、南関東以外からは唯一の出走で、4番人気の支持を受けた。
　ペースはそれほど速くならず全馬がほぼ一団。3番手を進んだデイジーギャルの真島大輔騎手が3コーナーでちらりとうしろを振り返り、直後につけていたカイカヨソウの様子を確認した。するとそこからカイカヨソウのひとり舞台。手ごたえ十分のまま4コーナーで先団をとらえると、直線で後続を突き放しにかかった。同じような位置につけていた船橋のケンブリッジナイスが追ってきたが、これを振り切っての勝利。着差は半馬身差だが完勝という内容だった。
　2番手でレースを進めていた大井のサブノハゴロモが1馬身1/4差で3着。やや離されての4着にカツゲキドラマ。勝ち馬と同じような位置を進んだハニーパイはマイナス19キロが影響したか7着。デイジーギャルは直線失速して11着だった。
　まずは4着でもグランダム・ジャパン2歳シーズン女王の座を確定させたカツゲキドラマに触れておこう。園田プリンセスカップ、そして地元笠松のプリンセス特別とシリーズ2勝。南関東への遠征となったローレル賞と今回はともに4着で、出走した4戦すべてで入着ポイントを稼いだ。合計32ポイントは、ともに22ポイントで2位のケンブリッジナイス、3位のハニーパイに10ポイント差をつけての優勝となった。
　「3コーナーでカイカヨソウのうしろにつけたときは、いい手ごたえでいけるかとも思いましたが、最後はアップアップでした。それでもグランダムを優勝できたのはよかった」と、悔しさをにじませながらもホッとした表情の尾島徹騎手。末脚勝負が持ち味で、大井の長い直線はこの馬にプラスかに思われたが、有力馬の直後にとりつくところで力を使い果たしてしまったのかもしれない。それでもこのメンバーに入って4着なら、グランダム・ジャパン3歳シーズンでも上位を狙えそうだ。
　勝ったカイカヨソウは、距離適性を考慮してエーデルワイス賞JpnⅢには出走せず、牡馬相手の北海道2歳優駿JpnⅢで3着と好走。その後船橋に移籍しての参戦だった。川島正行調教師によると、輸送してきた当初は20キロほど体重が減っていて、それをプラス8キロまで戻しての出走で、必ずしも万全の状態で臨めたわけではなかったようだ。
　それにしても07年のマダムルコントから6年連続でホッカイドウ競馬からの移籍馬がこのレースを制覇。そのうち、川島調教師、戸崎圭太騎手のコンビは、08年のネフェルメモリー、10年のクラーベセクレタに続いての勝利。その2頭ともに3歳時には牡馬との南関東クラシック路線に挑戦しているように、カイカヨソウも牡馬との対戦を視野にいれていくようだ。