浅野靖典の全国馬美味(ウマウマ)行脚」地方競馬にまつわる「ウマいもの」を毎月ご紹介!
“鉄人”佐々木竹見の見解」佐々木竹見元騎手がダートグレード各競走を“鉄人”の目線で鋭く解説!
高橋華代子の(続)気になるあの馬は…」引退後や転厩した名馬の近況を愛あふれる文章でご紹介!
REWIND 90's」当時の写真や映像を交えて90年代の名勝負を振り返ります!

第48回 2015年9月10日(木) レック(帯広競馬場)

帯広競馬場
「田中屋」 レック(350円)

田中屋さん
 帯広競馬場のスタンド内には飲食店が2つあるが、そのスタンドに入る手前、入場門からまっすぐ進んだところに、緑色の屋台が1軒ある。店先でおやじさんが煙をもうもうと立ち昇らせている網の上には、鶏肉の姿がたくさん。ここは「鶏肉」に特化したお店である。
 「もう、ここでは8年ぐらいやらせてもらっているかな。前は街のデパートでも店を出していたんだけれど、昨年いっぱいでそちらはやめて、今は競馬場一本ですよ」
 というご主人は、30年ほど精肉店を営んでいたとのこと。なるほど、つまり肉のプロなんですね。
 「ウチで出しているメニューは、下処理から全部、自分でやっているんですよ。焼き鳥は串打ちも自分でしていますから、そこらのお店とは違いますよ~」
 という自慢のラインナップから、名前に惹かれて「レック」を注文してみる。あのー、これってつまり「レッグ」ですよね?
 「そうなんだけど、なぜか帯広では『レック』で通っているんだよね」
 初めて聞いた話だけれど、地元の人が言うならそれを信じるしかないか。しかしながら、その「レック」は肉に厚みがあって、見た目からしておいしそう!
 写真を撮っている間にも、肉汁と脂がしたたり落ちてくる。冷めないうちに食べましょう。
 すると本当だ。鶏肉によくありがちなパサパサ感がまったくない。網の上で焼いているから、ある程度は脂が落ちているはずなのだけれど、味わいが濃厚で感動的。そして舌に少し感じる塩分がちょうどいい!
炭火でしっかり焼いています
 食べているうちから、お皿にたまった肉汁がもったいないと思えて、そして気分的にご飯が欲しくなってきた。そうか、今度はスタンド内の食堂でご飯を買って、その器を持って外に出て、鶏肉を乗せてもらうという手があるなあ。
 これから気温が低くなっていく帯広競馬場。でも、田中屋さんのコンロでは熱い火が焚かれ続けます!

浅野靖典(あさのやすのり)
競馬キャスター・ライターとして活動中。「クリック!地方競馬」キャスターを務めているほか、JRAブリーズアップセール、八戸、九州の各競走馬市場にて司会進行を担当。ライターとしては、
・競馬総合チャンネル(netkeiba.com)
・POGの達人
・JRAホームページ
・週刊プレイボーイ
・WEBハロン
などに寄稿している。

※ 本文で紹介している逸品については、取材時点のものです。 その後、値段改定やメニューが変わっている場合もございます。