レース情報
RACE GUIDE
データ分析
ファン投票による年末の大一番
出走馬はファン投票上位9頭が選出されることから『佐賀の有馬記念』と称されることがあり、2005年以降、07、12、13年以外は有馬記念GIと同日のWグランプリ開催となっている。昨年はヒストリーメイカーが佐賀重賞初制覇。山口勲騎手は現役では最多となる6勝目となった。創設から永らくB級戦だったが、01年からA級戦となり、名実ともに佐賀の古馬重賞の総決算となるレースとなった。距離は2000mから16年に1800mへ変更されたが、ここでは2000m時代を含めた14~23年の過去10回から傾向を見ていく。
勝ち馬は3番人気以内から
1番人気は3勝を挙げ、4着以下に敗れたのはJRA遠征帰りだった2017年スーパーマックス(5着)、心房細動による競走中止だった21年ドゥラリュールの2頭だけ。3着内率80.0%と安定している。2番人気は最多の4勝を挙げているが、2着は0回。3番人気は3勝だが、連対率・3着内率では2番人気を上回っている。4番人気以下は勝ち星はないものの、2・3着には計9回進出し、19年以降は3着以内に1頭以上進出と健闘を見せている。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1番人気 | 3 | 4 | 1 | 2 | 30.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 4 | 0 | 2 | 4 | 40.0% | 40.0% | 60.0% |
3番人気 | 3 | 2 | 2 | 3 | 30.0% | 50.0% | 70.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 2 | 1 | 7 | 0.0% | 20.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 3 | 58 | 0.0% | 1.6% | 6.5% |
5歳が3勝も幅広い年齢が活躍
5歳が最多の3勝を挙げているが、4歳(2020年アンバラージュ、22年リュウノシンゲン)から10歳(18年ウルトラカイザー)まで全ての年齢から勝ち馬が出ている。キョウワカイザーは5~7歳(15~17年)にかけ3連覇。3着内率も拮抗しており、最も高い4歳が50.0%。11年ウルトラカイザー以降勝ち馬が出ていない3歳も、33.3%と、さほど差のない成績を残している。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
3歳 | 0 | 1 | 2 | 6 | 0.0% | 11.1% | 33.3% |
4歳 | 2 | 3 | 1 | 6 | 16.7% | 41.7% | 50.0% |
5歳 | 3 | 1 | 3 | 16 | 13.0% | 17.4% | 30.4% |
6歳 | 1 | 2 | 3 | 18 | 4.2% | 12.5% | 25.0% |
7歳 | 1 | 0 | 0 | 22 | 4.3% | 4.3% | 4.3% |
8歳以上 | 3 | 3 | 1 | 14 | 14.3% | 28.6% | 33.3% |
ファン投票選定馬が8勝
出走馬はファン投票上位9頭、記者選抜3頭の12頭が選定され、回避馬が出れば補欠繰り上がりとなる。ファン投票選定馬が8勝を挙げ、1位馬は2勝(16、18年)に留まるが、3着内率は71.4%と信頼度は高い。なお昨年1着のヒストリーメイカーはファン投票3位。1位のミスカゴシマは4着だった。記者選抜馬も頭数は少ないながら1~3着各2回と健闘している。一方、補欠繰り上がり馬は3着以内が1度だけと苦戦している。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ファン投票1位 | 2 | 1 | 2 | 2 | 28.6% | 42.9% | 71.4% |
ファン投票2位以下選定 | 6 | 7 | 5 | 40 | 10.3% | 22.4% | 31.0% |
記者選抜 | 2 | 2 | 2 | 22 | 7.1% | 14.3% | 21.4% |
補欠繰り上がり | 0 | 0 | 1 | 18 | 0.0% | 0.0% | 5.3% |
九州大賞典上位馬が6勝、短距離馬は苦戦
同年の九州大賞典(2500m)出走馬が6勝を挙げ、うち両レースとも制したのは17年キョウワカイザー、21年グレイトパールの2頭。距離短縮での巻き返しも可能だが、6着以下からの馬券絡みはなく上位の成績を収めていることが重要。一方、同年に1400m重賞(吉野ヶ里記念)を勝って参戦した馬では、18年ウルトラカイザー、22年リュウノシンゲンの勝利も見られるが、いずれも同じ年に1750m以上で勝ち星があり、短距離に専念していた馬は苦戦傾向がある。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
九州大賞典1着 | 2 | 1 | 0 | 5 | 25.0% | 37.5% | 37.5% |
九州大賞典2~5着 | 4 | 2 | 4 | 21 | 12.9% | 19.4% | 32.3% |
九州大賞典6着以下 | 0 | 0 | 0 | 9 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
九州大賞典未出走 | 4 | 7 | 6 | 47 | 6.3% | 17.2% | 26.6% |
- 勝つのはこういう馬
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昨年までの佐賀中長距離路線の活躍馬が相次いで引退または他地区へ転出し、5~8月の中距離重賞(佐賀スプリングカップ、佐賀王冠賞、九州チャンピオンシップ)の勝ち馬はいずれも佐賀で重賞初制覇。それ以前とはトップクラスの顔ぶれが大きく変動した。前述3重賞に九州大賞典を加えた上位馬の争いとなりそうだが、3歳二冠を制しその後休養中のウルトラノホシが復帰してくるようなら、状況一変の可能性もありそうだ。