データ分析 Data Analysis

春の有力馬が多数参戦

園田オータムトロフィーは2018年、園田競馬場に新設された3歳中距離重賞。同年に3歳重賞として楠賞が復活したが、そちらは1400m戦であり、当レースが中距離に主軸を置く地元3歳馬の目標レースとなった。兵庫ダービーや菊水賞と同じく中距離で行われるため、春の有力馬が出走するケースも多い。ここでは第1回が行われた18年から21年までの過去4回から傾向を見ていく。

■堅い決着とヒモ荒れを繰り返す

実施4回と歴史の浅いレースではあるが、傾向を見てみると、3連単で5000円以下が2018、20年、同万馬券が19、21年と交互に出ている。1着はいずれも単勝3番人気以内というデータから、3連単万馬券の年は2、3着のヒモ荒れ。19年は牝馬重賞・のじぎく賞勝ちの実績がありながらも8番人気と評価を落としたチャービルが3着に、21年は古馬とのクラス編成が下級だったトリニティノットが9番人気で2着に入った。なお、偶然にもこの2頭に騎乗したのは中田貴士騎手だった。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去4回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 1 0 2 1 25.0% 25.0% 75.0%
2番人気 1 1 1 1 25.0% 50.0% 75.0%
3番人気 2 0 0 2 50.0% 50.0% 50.0%
4番人気 0 1 0 3 0.0% 25.0% 25.0%
5番人気以下 0 2 1 22 0.0% 8.0% 12.0%

■逃げ・先行が有利

中距離の1700mと言えど、小回りの園田競馬場では逃げ・先行が有利で、過去4回の勝ち馬はみな前めでレースを運んでいた。差しも届くが、2着3回、3着2回と上位争いまで。追い込み馬は3着以内に入ったことはない。[表2]

[表2]脚質別成績(過去4回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
逃げ 3 0 1 2 50.0% 50.0% 66.7%
先行 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
差し 0 3 2 11 0.0% 18.8% 31.3%
追込 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%

■菊水賞・兵庫ダービー実績組に注目

兵庫三冠の菊水賞と兵庫ダービーで3着以内に好走した馬はここでも好成績を残す。2018年優勝のクリノヒビキは兵庫ダービー2着、19年優勝のテンマダイウェーヴは両レースで2着、20年優勝のステラモナークは菊水賞を勝ち、兵庫ダービーでも2着だった。【表3】はレース毎に集計したため重複する馬がいる。重複を排除すると、菊水賞・兵庫ダービー3着以内馬の成績は【3-1-1-3】。着外が3頭だが、うち2頭は4着で、馬券圏内には入れなかったものの健闘したことがうかがえる。なお、両重賞に出走歴のある馬が不在だった21年はトライアル・クリスタル賞(1700m)の2着馬が1着、1着馬が3着に入った。[表3]

[表3]重賞・トライアル実績別成績(過去4回・のべ頭数)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
菊水賞3着以内 2 0 0 2 50.0% 50.0% 50.0%
兵庫ダービー3着以内 3 1 1 1 50.0% 66.7% 83.3%
トライアル2着以内 2 0 3 2 11.8% 11.8% 71.4%

※トライアルは、18年園田サマーチャレンジ、19年以降クリスタル賞

■地元以外なら赤岡、岡部、吉原騎手

地元馬同士の一戦のため数は多くないが、他地区の騎手が参戦するケースも見られる。なかでも赤岡修次騎手(高知)は第1回の2018年にクリノヒビキで勝利。また、岡部誠騎手(愛知)は兵庫ダービーでも騎乗したコーナスフロリダで同年3着、吉原寛人騎手(金沢)は20年トライバルキングで4着だった。これら3騎手は以前から園田競馬場の重賞でのスポット騎乗が多くみられ、かつ成績を残してきた。今年も騎乗があれば狙いたい。

勝つのはこういう馬!

まずは春の菊水賞や兵庫ダービーで3着以内に好走した馬。世代上位の実力を持っていると見られ、ひと夏を越したここも狙うべきだろう。また、のじぎく賞を勝ったチャービルが人気薄ながら3着に入ったように、その他の重賞勝ち馬も重視した方がよい。その上で、移籍馬や連勝馬などの上がり馬の取捨を判断していきたい。

(文・大恵陽子)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。