3歳秋のCSのラストマッチ
1986年に創設された地方全国交流の3歳戦は、途中に休止を挟みながらも今年で第34回を迎える。一時減少した賞金額も徐々に増加してきて、今年の1着賞金は2500万円。『3歳秋のチャンピオンシップ』のファイナルにふさわしいメンバーが揃いそうだ。そのレースの傾向を、2012~21年の過去10回の結果をもとにみていく(12~18年は11月中旬から12月上旬に水沢競馬場で開催)。
出走馬の所属別の成績をまとめてみると、優勝馬が出ているのは南関東と岩手と北海道。西日本の馬は移動距離の長さがハンデだが、それでも2着に3頭、3着に4頭を送り込んでいる。ただ、1着賞金が2000万円に上がった2021年は、南関東から6頭が出走して3着までを独占。さらに賞金額が上がる今年は、その傾向がさらに強く現れる可能性が考えられる。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
南関東 | 5 | 3 | 3 | 12 | 21.7% | 34.8% | 47.8% |
岩手 | 3 | 1 | 3 | 50 | 5.3% | 7.0% | 12.3% |
北海道 | 2 | 3 | 1 | 7 | 15.4% | 38.5% | 46.2% |
東海以西の競馬場 | 0 | 3 | 4 | 16 | 0.0% | 13.0% | 30.4% |
過去10回で勝利を挙げた馬は、9頭が単勝4番人気以内。2021年はギガキング(船橋)が8番人気で勝利を挙げたが、2着は2番人気で3着は3番人気。基本的には上位人気馬が優勢と考えていいだろう。その一方で、注目できるのが5番人気の馬。勝利した馬はないものの、2着が2回、3着が4回と結果を残している。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 3 | 1 | 2 | 40.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 2 | 4 | 4 | 0.0% | 20.0% | 60.0% |
6番人気以下 | 1 | 1 | 3 | 61 | 1.5% | 3.0% | 7.6% |
注記:2020年は3着同着
11月中旬または12月上旬に水沢競馬場で実施されていた時期も含めてのデータだが、前走の馬体重別の成績に特徴あり。勝ち馬を送り出しているのは440~459㎏のエリアと480㎏以上のエリアで、その間の460~479㎏のエリアは勝利ゼロ、2着と3着が各2頭と、その前後に比べると苦戦傾向を示している。ちなみに2021年は、前走が456㎏(当日は460㎏)だったギガキング(船橋)が勝ち、2着は前走時が525㎏だったジョエル(船橋)、3着は前走が516㎏だったセイカメテオポリス(大井)という結果だった。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
419㎏以下 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
420~439㎏ | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
440~459㎏ | 4 | 1 | 2 | 9 | 25.0% | 31.3% | 43.8% |
460~479㎏ | 0 | 2 | 2 | 25 | 0.0% | 6.9% | 13.8% |
480~499㎏ | 3 | 2 | 3 | 17 | 12.0% | 20.0% | 32.0% |
500㎏以上 | 3 | 4 | 4 | 20 | 9.7% | 22.6% | 35.5% |
実施時期が1カ月半ほど繰り上がった2019年は南関東所属馬が出走せず、北海道→金沢→兵庫の順で入線。20年は南関東から浦和所属馬が1頭出走し、岩手→浦和→岩手・岩手(3着同着)の順となった。それが21年は南関東から6頭が出走し、その内訳も重賞勝ち馬が5頭と東京ダービーの2着馬という顔ぶれ。今年も南関東からの遠征馬に要注目だ。
2021年は8番人気馬が勝利を挙げたが、基本的には上位人気に支持されていることが重要。ある程度の馬格があることも重要だ。今の時期に実施された過去3回の優勝馬はすべて所属地区の“ダービー”に単勝4~5番人気で出走していたという共通点がある。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。