全国の有力3歳馬が集う
10月1日に盛岡競馬場で行われるダービーグランプリを最終戦として、全11戦で争われる3歳秋のチャンピオンシップ。今年はその2戦目として大井1800mを舞台に地方全国交流として実施される。2016年には愛知で圧倒的なパフォーマンスを見せていたカツゲキキトキトが2着。19年の勝ち馬は北海道三冠で上位争いを演じていたリンノレジェンドと、各地から実力馬が集結する。ここでは13~22年の過去10回の傾向を分析する。
5勝の大井と3勝の船橋が優勢で、インペリシャブル(川崎)とコパノリッチマン(北海道)で決まった2020年以外の9回は、大井か船橋が必ず連対を果たしていた。1着・2着の組み合わせに着目してみると大井と船橋の決着が4回、大井同士のワンツーが2回。まずはこのどちらかを中心に考えるのが的中への近道と言えそうだ。他地区からの参戦組では北海道が1勝、2着1回、愛知が2着1回となっている。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
大井 | 5 | 4 | 3 | 52 | 7.8% | 14.1% | 18.8% |
船橋 | 3 | 3 | 5 | 23 | 8.8% | 17.6% | 32.4% |
川崎 | 1 | 0 | 0 | 13 | 7.1% | 7.1% | 7.1% |
浦和 | 0 | 1 | 2 | 12 | 0.0% | 6.7% | 20.0% |
地方他地区 | 1 | 2 | 0 | 22 | 4.0% | 12.0% | 12.0% |
特に目立つ傾向として挙げられるのが1番人気の安定感。4勝を含む8連対で、馬券圏外は2020年のブラヴールのみとなっている。そのうち1番人気と2番人気が揃って連対したのは4回。14年が1→2→3番人気で、18年は2→1→6番人気。19年2→1→4番人気、21年2→1→4番人気と比較的上位人気で決着した。ただ、6番人気以下も多く好走しており、馬券圏に顔を出さなかったのは14、19、21年の3回だけで、堅い年と波乱の年が両極端。本命党、穴党ともに楽しめるレースと言える。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 4 | 1 | 1 | 40.0% | 80.0% | 90.0% |
2番人気 | 3 | 1 | 1 | 5 | 30.0% | 40.0% | 50.0% |
3番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 2 | 3 | 5 | 92 | 2.0% | 4.9% | 9.8% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1枠 | 2 | 1 | 3 | 11 | 11.8% | 17.6% | 35.3% |
2枠 | 2 | 0 | 0 | 17 | 10.5% | 10.5% | 10.5% |
3枠 | 0 | 3 | 1 | 15 | 0.0% | 15.8% | 21.1% |
4枠 | 0 | 4 | 0 | 13 | 0.0% | 23.5% | 23.5% |
5枠 | 2 | 0 | 2 | 16 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
6枠 | 3 | 1 | 2 | 14 | 15.0% | 20.0% | 30.0% |
7枠 | 1 | 0 | 1 | 18 | 5.0% | 5.0% | 10.0% |
8枠 | 0 | 1 | 1 | 18 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
【表3】だけを見ると内枠、外枠と偏りなく好走馬が出ている印象を受けるが、内枠で好成績を収めた馬の大半は上位人気で、元々実力があったと考えることもできる。その反面、戦前の評価が低かった馬(6番人気以下)で馬券圏に入った10頭の枠番を調べてみると、4~8枠で9頭。それらを踏まえると、上位人気馬であればそこまで枠順を気にする必要はないが、配当妙味を求めるなら真ん中から外めの枠を狙ってみるのが面白そうだ。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | |
ジャパンダートダービー | 4 | 5 | 3 | 10 |
優駿スプリント | 1 | 1 | 1 | 3 |
王冠賞(門別) | 1 | 1 | 0 | 4 |
東京ダービー | 1 | 0 | 1 | 16 |
プラチナカップ | 1 | 0 | 0 | 0 |
関東オークス | 0 | 0 | 1 | 0 |
古馬戦 | 2 | 3 | 4 | 10 |
【表4】を見ると、ジャパンダートダービーJpnI組が優勢なことは一目瞭然で、2020年以外の9回は必ず馬券圏内に好走している。ちなみに同レースでの着順を調べてみると3着以内は1頭もおらず、4、5着が1頭ずつ。6着以下から巻き返した馬の内訳は、6着2頭、7着が最多の4頭、8着2頭となっており、このあたりの着順だった馬は要注意。また前走で古馬と対戦し、ここに臨んで連対した5頭は、17年2着のカンムル(浦和)以外は、いずれも前走で連対を果たしていた。
高確率で上位争いに食い込む馬のキーワードは『大井と船橋』、『ジャパンダートダービーJpnIからの巻き返し』。まずはここから該当馬を見つけるのがいいだろう。計7勝の1、2番人気だけでなく6番人気以下の伏兵にも注意が必要で、上記に当てはまる馬は人気に関係なく気をつけておきたい。
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。