2023年8月29日(火) 門別競馬場
王冠賞
右1800m 20:50発走
王冠賞 ゴール前

データ分析 Data Analysis

現距離で3頭目の三冠なるか

3歳秋のチャンピオンシップの第4弾でホッカイドウ三冠の最終戦。かつては2600mで施行されスタミナが問われる一戦だったが、1800mになった2015年以降、三冠は1600m~2000mで争われている。この体系になってから19年リンゾウチャネル、21年ラッキードリームと2頭の三冠馬が誕生。そして今年はベルピットが北斗盃、北海優駿(ダービー)とも制し三冠に王手をかけている。ここでは1800mになった15年以降の過去8年のデータから傾向を探る。

■1番人気は軸として信頼

1番人気は3勝、2着3回、3着1回。8頭中7頭が単勝1.5倍以下の断然人気だったことを考えれば少々物足りないが、連軸としては信頼できる。また3着内馬24頭のうち、5番人気以内が23頭と上位人気馬での決着がほとんどだが、3連単の平均配当は22,322円と妙味はある。なお、2022年に10番人気で3着のクルードラゴンは北海優駿で5着(4番人気)と好走していた。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 1 1 37.5% 75.0% 87.5%
2番人気 1 0 2 5 12.5% 12.5% 37.5%
3番人気 2 3 0 3 25.0% 62.5% 62.5%
4番人気 1 1 4 2 12.5% 25.0% 75.0%
5番人気 1 1 0 6 12.5% 25.0% 25.0%
6番人気以下 0 0 1 45 0.0% 0.0% 2.2%

■上位人気の角川厩舎が活躍

過去8年で勝利している現役調教師は3名。なかでも角川秀樹調教師の管理馬は8頭が出走し、3勝、2着2回と好成績。なお勝利した3頭は3~5番人気で、断然人気に支持された2016年スティールキング、20年アベニンドリームはともに2着と勝ち切れていない。また堂山芳則調教師は19年のリンゾウチャネルで歴代最多となる7勝目を挙げた。過去8年、同調教師の管理馬で連対した3頭はいずれも北斗盃、または北海優駿(ダービー)で連対していた。【表2】

[表2]主な現役調教師の成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
角川秀樹 3 2 0 3 37.5% 62.5% 62.5%
堂山芳則 1 2 0 4 14.3% 42.9% 42.9%
田中淳司 1 1 0 6 12.5% 25.0% 25.0%
松本隆宏 0 1 1 2 0.0% 25.0% 50.0%
米川昇 0 1 1 3 0.0% 20.0% 40.0%
田中正二 0 0 1 5 0.0% 0.0% 16.7%

■北海優駿勝ち馬に注目

過去8年の3着内馬24頭のうち22頭は北海優駿(ダービー)に出走。特に北海優駿1着馬は2勝、2着3回、3着2回と実に8頭中7頭が馬券絡みと信頼度は高い。なお、同レース掲示板外から3着以内に巻き返したのは2015年1着のオヤコダカだが、同馬は北海優駿が落馬による競走中止と度外視できる内容であった。【表3】

[表3]北海優駿の着順別成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
北海優駿1着 2 3 2 1 25.0% 62.5% 87.5%
北海優駿2着 1 1 3 2 14.3% 28.6% 71.4%
北海優駿3着 2 1 0 2 40.0% 60.0% 60.0%
北海優駿4着 1 1 0 5 14.3% 28.6% 28.6%
北海優駿5着 0 2 2 3 0.0% 28.6% 57.1%
北海優駿6着以下 1 0 0 15 6.3% 6.3% 6.3%
北海優駿不出馬 1 0 1 34 2.8% 2.8% 5.6%

■逃げ・先行馬が有利

2コーナーの通過順をみると、勝ち馬8頭のうち7頭は3番手以内と前半から前目に付けていた。ただし逃げ馬は4勝で、2、3着はなく、勝つか着外という極端な成績になっている。また3番手以内から勝利した7頭はいずれも4番人気以内と先行力がある人気馬を狙いたい。そのほか、2コーナーで6、7番手にいた馬が3着以内に8頭も入っている点にも注目。2020年には2コーナーで6、7番手にいた3頭が4コーナーでは3番手以内まで進出し、いずれも3着以内に入っていたことから長くいい脚が使える差し馬にも注意したい。【表4】

[表4]2コーナー通過順別成績(過去8回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
先頭 4 0 0 5 44.4% 44.4% 44.4%
2、3番手 3 2 3 9 17.6% 29.4% 47.1%
4、5番手 0 2 1 13 0.0% 12.5% 18.8%
6、7番手 1 4 3 8 6.3% 31.3% 50.0%
8番手以下 0 0 1 27 0.0% 0.0% 3.6%

勝つのはこういう馬!

過去8回の勝ち馬はすべて北斗盃と北海優駿(ダービー)のどちらかで3着以内に入っており、二冠での好走歴が必須。そのなかでも北海優駿勝ち馬には要注目。今年は二冠ともにベルピットが制しているが、角川調教師の管理馬とあって出走してくれば信頼度は高い。

(文・吉田総一郎)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。