2023年9月14日(木) 川崎競馬場
戸塚記念
左2100m 20:10発走
戸塚記念 ゴール前

データ分析 Data Analysis

南関東の3歳馬による長距離戦

3歳秋のチャンピオンシップはここが終われば、残すはファイナルのダービーグランプリのみ。同シリーズとしては最長の2100mで南関所属馬によって争われる。2018年から南関東S1に昇格したことで、上半期に活躍した実力馬が多く参戦してくるようになり、一気にメンバーレベルが上がった。夏を越しての成長や、長距離の適性が問われるだけに、過去の傾向は要チェック。ここでは13~22年の過去10回の結果から答えを導き出す。

■近3年は浦和が活躍

3着内馬の頭数だけを見ると船橋が優勢だが、勝率・連対率・3着内率では特筆するものは残せていない。ただし、船橋が3着以内に入れなかったのは2016年のみで、3着が最高だったのが20年と21年。出走頭数が多く、馬券圏に食い込んでくる可能性は高いと判断して良さそうだ。対して近年の躍進が目立つのが浦和で、22年はスピーディキックが牡馬勢をしりぞけた。これで3年連続で連対を果たし、20年にはワンツー決着。地元の川崎は19年にヒカリオーソが東京ダービー馬の貫禄を示したものの、他場と比べるとやや物足りない成績となっている。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
浦和 4 2 0 17 17.4% 26.1% 26.1%
船橋 3 4 6 43 5.4% 12.5% 23.2%
大井 2 2 3 17 8.3% 16.7% 29.2%
川崎 1 2 1 27 3.2% 9.7% 12.9%

■軸を決めるのも難解

いずれの人気もまずまずの成績。信頼が置ける存在は見当たらないが、上位3番人気までが総崩れとなったのは2015年の1回だけ。そうなれば堅い決着が多いのかと思うが、3連単の配当が万馬券にならなかったのは13、19年の2回のみ。6番人気以下の人気薄が過去10回中6回で馬券に絡んでおり、軸選びを含めて相手探しも難解なレースとなっている。予想の腕が試されるレースと言えそうだ。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 2 0 5 30.0% 50.0% 50.0%
2番人気 0 3 3 4 0.0% 30.0% 60.0%
3番人気 2 0 1 7 20.0% 20.0% 30.0%
4番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
5番人気 2 1 0 7 20.0% 30.0% 30.0%
6番人気以下 2 2 4 76 2.4% 4.8% 9.5%

■近走の重賞勝ち馬は好成績だが

3走前までに重賞1着の有無別成績が【表3】。該当の戦歴が「なし」は115頭中馬券絡み20頭(3着内率17.4%)なのに対し、「あり」は19頭中10頭が3着以内(同52.6%)。「あり」の方が断然好成績だが、約半数が4着以下に敗れていることが、前項に示したように波乱が多い要因となっている。ただ、2022年は浦和の馬が1~3番人気で「なし」ライアンは6着だったが、「あり」2頭のうちスピーディキックが1着、21年は2頭出走していた浦和の馬のうち「あり」トランセンデンスが5番人気で2着。近年は浦和が好相性という傾向が出ている。

[表3]3走前までに重賞1着の有無別成績(過去10回)

3走前までに重賞で1着 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
あり 4 2 4 9 21.1% 31.6% 52.6%
なし 6 8 6 95 5.2% 12.2% 17.4%

■主要ローテは黒潮盃

前走黒潮盃だった馬は3勝を含む6連対、3着は4回を数える。3着以内に入れなかったのは2018、22年だけで、ここを主要ローテと捉えていいだろう。黒潮盃の着順は問われないが、過去に重賞でのV歴か、南関東S1で入着歴があることが好ましい。他に注目したいのが前走ダートグレード組。【3-2-1-6】と半数が上位圏内に加わっている。また牝馬は2勝、3着2回と4頭が好走。そのうち3頭は牝馬S1、もしくは牡馬混合重賞でV歴。残り1頭はトライアルの芙蓉賞を勝ってここに臨んでいた。

勝つのはこういう馬!

出頭頭数は多いが船橋と、前走黒潮盃はともに勝つ可能性が高い。近年は浦和がトレンド。他には前走でJRA勢と戦ってきた馬や、牡馬勝りの実績を持つ牝馬が参戦してくればチャンスがあると言える。

(文・前田 恒)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。