みちのくの3歳チャンピオン決定戦
4年前までダイヤモンドカップが対象だった“岩手ダービー”は、2019年から東北優駿に変更。この重賞はかつて、上山(山形県)、新潟で持ち回り制の重賞として実施されていた歴史を持っている。今年の舞台は水沢競馬場で、コーナー6回の競馬。ちなみに過去10回のうち水沢で開催された4回はすべて、1番人気が連対している。はたして今年はどうなるのか。ここではダイヤモンドカップ時代を含めた“岩手ダービー”の12~21年の過去10回から傾向を見ていく。
過去10回で単勝1番人気に支持された馬は6勝、2着3回と好成績。連対馬20頭のうち19頭は5番人気以内で、唯一の例外は2016年の2着馬(8番人気)だけとなっている。また、3着馬も20年(7番人気)、13年(8番人気)の2頭だけ。水沢で行われた2017~19年と21年は、3着内馬がすべて5番人気以内となっている。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 3 | 0 | 1 | 60.0% | 90.0% | 90.0% |
2番人気 | 1 | 1 | 4 | 4 | 10.0% | 20.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 3 | 2 | 4 | 10.0% | 40.0% | 60.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 2 | 6 | 10.0% | 20.0% | 40.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 2 | 54 | 0.0% | 1.8% | 5.3% |
騎手別の成績をまとめてみると、過去10回での最多勝は村上忍騎手の3勝。しかし山本聡哉騎手は9回の騎乗で1勝、2着1回だが、3着に5回も入る実績を残している。また、高松亮騎手も2勝、2着2回と好成績。今年も実績がある騎手には要注目だ。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
村上忍 | 3 | 1 | 0 | 4 | 37.5% | 50.0% | 50.0% |
高松亮 | 2 | 2 | 0 | 5 | 22.2% | 44.4% | 44.4% |
山本政聡 | 1 | 2 | 0 | 6 | 11.1% | 33.3% | 33.3% |
山本聡哉 | 1 | 1 | 5 | 2 | 11.1% | 22.2% | 77.8% |
坂口裕一 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
上記以外 | 2 | 4 | 5 | 53 | 3.1% | 9.4% | 17.2% |
前走がダートの重賞だった馬が好成績。重賞以外のダート戦から臨んだ馬は3勝を挙げていて、いずれも前走が1着。ただし、その3勝はすべて2015年以前のものだった。また、前走が重賞以外のダート戦で3着以内に入った10頭は、すべて前走で3着以内に入っていた。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
ダート重賞 | 7 | 6 | 5 | 12 | 23.3% | 43.3% | 60.0% |
重賞以外の ダート戦 |
3 | 2 | 5 | 49 | 5.1% | 8.5% | 16.9% |
芝のレース | 0 | 2 | 0 | 16 | 0.0% | 11.1% | 11.1% |
厩舎の所属競馬場別では、水沢が9勝、2着7回、3着6回と圧倒。千葉幸喜調教師が出走11頭で5勝、2着3回と活躍しているのが大きいが、板垣吉則調教師も1勝、2着2回と好相性。なお、2020、21年と鈴木七郎調教師の管理馬が3着に入っている。盛岡の1勝は櫻田浩三調教師(16年に逝去された)。
単勝1番人気の勝率の高さには今年も注目。その馬にリーディング上位の騎手が騎乗するようなら、さらに信頼度が高くなる。加えて、前走がダートの重賞だった馬。この3点にすべて該当している馬のなかから、今年の“東北優駿馬”が誕生する可能性が高いだろう。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。