2023年6月14日(水) 園田競馬場
兵庫ダービー
右 1870m 17:55発走
兵庫ダービー ゴール前

データ分析 Data Analysis

兵庫所属の3歳馬における大目標

2013年からの3年間は1着賞金が600万円だったが、16年から徐々に金額が上がって20年からは1着賞金が2000万円と一気に増加。それとともに、出走各馬の臨戦過程も徐々に変わってきた感がある。なお、24年からは兵庫チャンピオンシップJpnIIが1400mに変わるため、1700mの菊水賞、1870mの兵庫チャンピオンシップJpnIIを経て兵庫ダービーという兵庫3歳三冠は今年まで。その一戦の傾向を、13~22年の過去10回の結果をもとにみていくことにする。

■上位人気が優勢だが

単勝1番人気の3着内率は70.0%。ただ、2019年は重賞連勝中で圧倒的な人気を集めたジンギが4着に敗れ、21年も兵庫チャンピオンシップJpnIIで5着に健闘したサラコナンが差のある4着となった。それでも3番人気までの馬の成績は良好。ただし、4~5番人気は成績的にいまひとつとなっている。また、6番人気以下が上位に入ることが多いのも特徴で、4→2→3番人気の順で決まった21年を除き、6~9番人気が3着以内に1~2頭入るという結果が続いている。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 1 3 40.0% 60.0% 70.0%
2番人気 1 3 1 5 10.0% 40.0% 55.0%
3番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
4番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
5番人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気以下 2 4 5 59 2.9% 8.6% 15.7%

■5枠が4勝、迷ったら外枠

過去10回の兵庫ダービーはすべて12頭立て。よって、5~8枠に2頭ずつ入るというかたちになっている。その点を踏まえて枠番別で成績を集計してみると、目立っているのが5枠。逆に7枠は2着が3回あるものの、1着と3着がゼロとなっているのは気になるところだ。園田競馬場の1870mは2コーナーの少し奥がスタート地点。最初のカーブまではそれなりの距離はあるが、それでも国内の競馬場でもっとも1周の距離が短いコースだけに、真ん中より外からスタートするほうがレースを組み立てやすいのかもしれない。【表2】

[表2]枠番別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
2枠 2 0 0 8 20.0% 20.0% 20.0%
3枠 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
4枠 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
5枠 4 2 1 13 20.0% 30.0% 35.0%
6枠 1 1 5 13 5.0% 10.0% 35.0%
7枠 0 3 0 17 0.0% 15.0% 15.0%
8枠 2 2 1 15 10.0% 20.0% 25.0%

■牡馬・セン馬が優勢

兵庫ダービーを牝馬が制したのは、第1回の2000年と、12年、13年。14年以降はすべて牡馬またはセン馬の勝利が続いている。ただし、20年と22年の2着は牝馬。今年も好成績を挙げて臨んできた牝馬には注意しておく必要があるだろう。【表3】

[表3]性別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
牡馬・セン馬 9 8 10 63 10.0% 18.9% 30.0%
牝馬 1 2 0 27 3.3% 10.0% 10.0%

■菊水賞出走馬に注目

出走馬の成績を、前走別に分類してみると、『兵庫チャンピオンシップJpnII』から3頭が勝利を挙げている。一方、『菊水賞』から直行というローテーションは2017年以降に毎年1~2頭が出走し、3着内率50.0%と上々の成績を残している。1~3着までの数がもっとも多いのは『重賞以外』から臨んだ馬だが、馬券絡みした多くが菊水賞のあと兵庫チャンピオンシップJpnIIをスキップして3歳A級戦を使われてきた馬。2走前が菊水賞だった馬も【8-5-2-26】の好成績という点も覚えておきたい。『その他の重賞』は大半がのじぎく賞(牝馬限定)で、傾向としては劣勢となっている。【表4】

[表4]前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
兵庫CS 3 2 1 17 13.0% 21.7% 26.1%
菊水賞 1 1 2 4 12.5% 25.0% 50.0%
その他の重賞 1 2 1 19 4.3% 13.0% 17.4%
重賞以外 5 5 6 50 7.6% 15.2% 24.2%

■兵庫CS組の取捨もポイント

2022年は前走兵庫チャンピオンシップJpnIIから臨んだバウチェイサーが勝ち、ローグネイションが3着に入ったが、バウチェイサーは前走が10着(7番人気)で、ローグネイションは5着(9番人気)だった。兵庫チャンピオンシップJpnIIで善戦した馬が上位人気に支持されて、しかし4着以下に敗れるケースが多いという点は、頭に入れておいてもいいだろう。

勝つのはこういう馬!

基本的には単勝3番人気以内の支持を受けた牡馬またはセン馬。その年によって出走馬のレベルに差があるので一概には言いにくいが、前走が兵庫チャンピオンシップJpnIIだった馬よりも、5月中旬の3歳A級戦で好成績を挙げてきた馬のほうが、狙って妙味という感がある。そして枠順はなるべく外め。ちなみに2枠で勝利した2頭は2013年のユメノアトサキと2015年のインディウムで、前者が単勝2.1倍、後者が1.5倍での1番人気だった。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。