昨年の兵庫最優秀２歳馬。今年の初陣だった菊水賞では、最後の直線あと一歩詰め切れず２着となったが、前走の牝馬重賞・のじぎく賞では、その憂さを晴らすかのような向正面一気のスパートでライバルたちを完封。鞍上の話では、これでもまだ直線は遊ぶ面を出しているらしく、奥もまだまだありそうだ。「前走後も反動はありませんでしたし、この中間追い切りもシッカリ消化できています。２歳時は調教からピリピリした面がありましたが、最近は落ち着きが出てきましたし、ここに来ての精神面の成長も感じられます。競馬も上手ですし、今回のメンバーであれば道中も適度に流れ、一層捌きやすくなるのではと思っています。引き続き期待しています」とは管理される飯田良弘調教師。

今年は兵庫ユースＣ、菊水賞で重賞連勝。満を持して臨んだ前走の兵庫チャンピオンシップ(JpnII)はＪＲＡ勢の厚い壁に跳ね返される結果となったが、好位追走からの真っ向勝負で地方所属馬最先着を果たした。今回は地元馬限定重賞だけに、即反撃の期待も大きい。「前走は上りに向いて苦しくなってしまいましたが、斤量57キロでも流れに乗っていけてましたし、強豪に揉まれたことは良い経験になったと思います。この中間は在厩させて菊水賞制覇時と同じ形で調整しています。追い切りは予想していたよりも時計が掛かりましたが、動き自体は良好です。まだ遅い流れになると引っ掛かる恐れがあるので、ここも自分からペースを作っていく立ち回りができるかどうか、その点がカギになりそうですが、その辺りは田中騎手もイメージはできていると思います。巻き返しに期待しています」とは管理される坂本和也調教師。

デビュー戦では後の重賞勝ち馬などを相手に勝利。その後は半年近くの休養に入っていたが、３月に戦線復帰。休養明けこそ２着に敗れたものの、そこから破竹の３連勝。前走ではＪＲＡ勢を相手に勝利を収め、能力の高さを改めて証明して見せた。「前走は相手強化でどう出るかと思っていましたが、向正面から反応良く動いて差し切ってくれましたし、改めて能力の高さを感じることができました。前走から間隔は詰まりますが、中間の状態回復は早かったですし、特に問題はないと思います。道中追走で力む面もありませんし、今回の距離延長にも対応してくれそうな感触はあります。地元一線級との対戦ですが、まだ底は見せていませんし、ここでどこまでやれるか楽しみはあります」とは管理される森澤友貴調教師。

ビキニボーイは菊水賞４着だったが、メンバー最速の上り時計を記録。これまで課題だった出脚の遅さも最近は解消傾向にあり、前走の３歳ＡＢ特別では好位追走から向正面ひと捲りの競馬で勝利。序盤の位置取り次第では上記馬に割って入る可能性十分。ヒメツルイチモンジは昨年末の園田ジュニアカップでスタート出遅れや道中包まれる不利がありながらも３着。近走は気難しさから能力がうまく発揮できていない様子だが、陣営のお話では、その点を踏まえ今回からブリンカーを着けるとのこと。これが吉と出るようなら。グロリアドーロも同じく気性の難しさから素直にハミを取らない部分を残しているが、全国屈指の腕前を持つ吉原騎手とのコンビなら一変も十分考えられる。