全日本2歳優駿の舞台で全国の有力2歳馬が腕比べ
12月の2歳頂上決戦・全日本2歳優駿JpnIを見据えて北海道や他地区からの参戦も多く、南関東の2歳馬とここで激突する。2021年のJBCクラシックJpnIを制して同年のNARグランプリ年度代表馬に輝いたミューチャリーは、18年鎌倉記念Vをきっかけに、一流へ駆け上がっていった。今後の地方競馬を担う存在が今年は現れるのか。ここでは12~21年の過去10回の結果から傾向を探っていく。
北海道と船橋が肉薄した優秀な成績。勝利数では北海道が4勝で、3勝の船橋を上回っているが各項目の率では差はない。それに次ぐアベレージを残していているのが大井で、出走頭数こそ多くないが2020、21年と2年連続で2着に入っている。その2頭はともに重賞に格上げされたゴールドジュニアからの参戦だった。北海道と船橋の所属馬には要注目だが、ゴールドジュニアを使ってきた大井所属馬が出てくるようならマークが必要だろう。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 4 | 4 | 1 | 15 | 16.7% | 33.3% | 37.5% |
船橋 | 3 | 3 | 1 | 13 | 15.0% | 30.0% | 35.0% |
川崎 | 2 | 0 | 5 | 36 | 4.7% | 4.7% | 16.3% |
大井 | 1 | 2 | 0 | 7 | 10.0% | 30.0% | 30.0% |
浦和 | 0 | 1 | 3 | 12 | 0.0% | 6.3% | 25.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
上位人気馬の成績を見てみると、1、2番人気が安定しており、ワンツー決着は2012、15、16、18年の4回。13、21年は2頭とも馬券圏に好走していた。対して3~5番人気になると信頼度は一気に下がって、連対したのは3頭のみと寂しい。6番人気以下の伏兵勢もまずまずの成績を残しているだけに、馬券は上位人気2頭を中心に紐荒れを期待できる。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 3 | 3 | 2 | 2 | 30.0% | 60.0% | 80.0% |
2番人気 | 3 | 3 | 1 | 3 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
4番人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 2 | 3 | 3 | 62 | 2.9% | 7.1% | 11.4% |
3着以内に好走した馬の前走着順を調べてみると、前走1着馬が圧倒的に優勢で、勢いが重要となっている。勝ち馬は前走3着以内が必須で、判断材料として頭に入れておきたい。前走4着以下から馬券圏に巻き返した馬はたった4頭。2020年セイカメテオポリス(大井)がゴールドジュニア4着→2着が最高着順となっている。前走で馬券圏外となった馬は割り引く必要がありそうだ。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | |
前走1着 | 7 | 7 | 5 |
前走2着 | 1 | 2 | 1 |
前走3着 | 2 | 0 | 1 |
前走4着以下 | 0 | 1 | 3 |
前項で前走着順が重要であることはお分かりいただけたと思うが、距離はどうだったのか。今回が距離短縮もしくは同距離組と、距離延長組に分けてみると、1、2、3着馬いずれも綺麗に7:3の比率になっており、距離延長組は分が悪い。重賞で相手が一気に強くなると考えれば、スピード一辺倒では厳しく、水準以上のスタミナが求められる結果となっている。【表4】
1着 | 2着 | 3着 | |
前走1500m以上 | 7 | 7 | 7 |
前走1400m以下 | 3 | 3 | 3 |
北海道もしくは船橋所属で1、2番人気に推されているようなら、好走する確率は高い。また、1500m以上で前走を勝っているようなら、各段に信頼度は上がると考えてよい。重賞格上げ後に2年連続で2着馬を出しているゴールドジュニア組は、距離延長となるが要警戒
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。