データ分析 Data Analysis

全日本2歳優駿につながるマイル戦

今年で49回を迎える南部駒賞は、1984年の第12回から1600mで実施。開催日程の関係から過去3回は盛岡が舞台になり、今年は一昨年までと比べると1カ月、そして昨年より2週間早く実施される。その日程は2カ月後に行われる全日本2歳優駿JpnIを意識させるもので、ここでの好走から今後の選択肢が広がってくる。地方全国交流で実施される重賞の傾向を、実施されなかった2018年を除く、11~21年の過去10回の結果からみていくことにする(12~17年は水沢で実施)。

■北海道と岩手が5勝ずつ

過去10回を対象にすると、岩手と北海道が5勝ずつで互角。しかし2着と3着は北海道のほうが多く、北海道の3着内率は50%を超える数字となっている。南関東からも3頭が遠征してきたが、いずれも4着以下に敗れている。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
北海道 5 8 7 18 13.2% 34.2% 52.6%
岩手 5 2 3 48 8.6% 12.1% 17.2%
南関東 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%

■伏兵陣にも要警戒

1番人気の勝率は50.0%で、3着内率は80.0%。しかし2番人気と3番人気はともに3着内率40.0%といまひとつで、4番人気は2着が2回だけとなっている。しかし続く5番人気は1勝、2着2回、3着4回で、3着内率が70.0%。今年も5番人気には要注目だ。6番人気以下の成績は低調で、唯一の勝利は2017年のダモンデ(北海道・7番人気)。基本的には上位人気が優勢だが、盛岡で実施された過去3回は2、3、3番人気が勝利を挙げている。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 2 1 2 50.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
3番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
4番人気 0 2 0 8 0.0% 20.0% 20.0%
5番人気 1 2 4 3 10.0% 30.0% 70.0%
6~9番人気 1 1 3 36 2.4% 4.9% 12.2%
10番人気以下 0 0 0 8 0.0% 0.0% 0.0%

■前走が岩手の重賞だった馬に要注目

前走別に成績をまとめてみると、もっとも勝ち星が多いのが『岩手の重賞』だった馬。ただし、過去3回は前走が『門別の重賞』だった馬が2、1、1着と好成績。注目できるのは、『岩手の重賞』から臨んだ馬が3着に7頭も入っていて、現在は6年連続。今年も要警戒といえる臨戦過程だ。また『前走が門別の重賞以外』だった馬が2着に5頭も入っている点も覚えておきたい。ちなみに前走が『南関東の重賞』だった馬は8頭のうち5頭が連対しているが、その5頭はすべて北海道所属。今年は日程の関係で、北海道所属馬が南関東の重賞を経て南部駒賞に出走することは厳しいが、それでもある程度の勝算がある馬が遠征してくると考えるべきだろう。【表3】

[表3]前走の条件別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走が岩手の 重賞 5 1 7 30 11.6% 14.0% 30.2%
重賞以外 0 1 0 19 0.0% 5.0% 5.0%
前走が門別の 重賞 2 1 2 4 22.2% 33.3% 55.6%
重賞以外 0 5 1 11 0.0% 29.4% 35.3%
前走が南関東の 重賞 3 2 0 3 37.5% 62.5% 62.5%
前走が上記以外 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

■北海道所属馬の好材料は?

今年はJBC2歳優駿JpnIIIまで中17日(ちなみに2021年は中2日)となることからも、北海道から遠征してくるのはマイル戦への適性が高い実力馬だろう。また、今年は岩手と北海道の交流戦である知床賞から中1週。2戦連続で盛岡に出走する北海道所属馬にも要警戒だ。

勝つのはこういう馬!

過去4回の優勝馬はすべて北海道所属。その4頭には『前走か2走前に重賞で2~5着』の実績があった。一方、岩手所属の優勝馬は、『デビュー戦から3着以内を外していない』または『大差勝ちが複数ある』馬に限られている。そのあたりを勘案すると、勝つ可能性が高い馬の候補は自然と絞られてくるだろう。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。