大井で最初に行われる2歳重賞
2019年までは準重賞として実施。南関東SIIIに昇格した20年からは、未来優駿シリーズのレギュラー競走となり、JBC2歳優駿JpnIIIの指定競走に。また21年には距離を1200mへ変更。それまでの1400mはスタートしてすぐに2コーナーを迎えるため枠順による差が生じやすかったが、1200mは最初のコーナーまで距離があるぶん、力を発揮しやすいコース形態だ。昨年までは南関東最初の2歳重賞だったが、今年から大井で行われる最初の2歳重賞となった。ここでは準重賞だった19年以前を含む過去10回(13~22年)の傾向を探る。
地元の大井は75頭が参戦しているアドバンテージこそあるが、7勝を含む連対13回と優秀な成績を収めている。大井による馬券圏独占は2015、21年の2回。ワンツー決着は前述2回を含めて5回を数える。このことからも大井が上位争いに加わる可能性が極めて高い。大井に次いで勝利数が多い船橋は13、16、20年で連対と、続けての好走がない点が特徴。20年から3年目となる今年は、そろそろ走り頃と考えてもいいかもしれない。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
大井 | 7 | 6 | 5 | 57 | 9.3% | 17.3% | 24.0% |
船橋 | 2 | 2 | 0 | 14 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
川崎 | 1 | 0 | 2 | 10 | 7.7% | 7.7% | 23.1% |
浦和 | 0 | 2 | 3 | 8 | 0.0% | 15.4% | 38.5% |
準重賞だった2019年までは、上位人気5頭までの決着は、1→5→2番人気の13年と、2→4→3番人気だった19年の2回のみに留まり、3連単はすべて万馬券だった。それに対して重賞昇格後は、20、21年が2→1→4番人気、22年が3→1→6番人気と比較的平穏な結果に落ち着いている。また、1番人気は3年連続2着と勝利こそないが、準重賞の時より安定感が出ている点は覚えておきたい。【表2-1】【表2-2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 1 | 5 | 0 | 4 | 10.% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 5 | 0 | 1 | 4 | 50.0% | 50.0% | 60.0% |
3番人気 | 1 | 2 | 2 | 5 | 10.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 3 | 5 | 10.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 1 | 1 | 4 | 63 | 1.4% | 2.9% | 8.7% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0.0% | 100.0% | 100.0% |
2番人気 | 2 | 0 | 0 | 1 | 66.7% | 66.7% | 66.7% |
3番人気 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
4番人気 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0.0% | 0.0% | 66.7% |
5番人気 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 1 | 22 | 0.0% | 0.0% | 4.3% |
キャリア別成績が【表3】。2~3戦だった馬が活躍している傾向にあり、勝ち馬のうち9頭が該当する。唯一キャリア5戦で勝利した2015年ラクテ(大井)は3連勝中と勢いがあった。キャリア2~3戦の9頭をもう少し探ってみると、4→2→2着とここが初勝利となった18年シビックヴァーゴ(大井)以外の8頭は、デビュー後に馬券圏内を外していないか、連勝中でここに挑んでいた。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1走 | 0 | 1 | 4 | 18 | 0.0% | 4.3% | 21.7% |
2走 | 5 | 4 | 3 | 26 | 13.2% | 23.7% | 31.6% |
3走 | 4 | 1 | 1 | 19 | 16.0% | 20.0% | 24.0% |
4走 | 0 | 2 | 2 | 14 | 0.0% | 11.1% | 22.2% |
5走 | 1 | 2 | 0 | 9 | 8.3% | 25.0% | 25.0% |
6走以下 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2歳レベルが高い北海道で経験を積んだ後に南関東に転入してくるケースも見られるが、北海道デビュー馬は【0-2-2-5】と勝てておらず、2021、22年ともに該当馬が2着に敗れ、1番人気に応えることができなかった。出走頭数が多い牝馬にしても【0-1-3-27】と苦戦傾向。また重賞昇格後の3回は全て無敗馬が勝利。1200mへ距離変更後の近2回は、大井1200mでデビュー戦を勝った馬が勝利を掴んだ。
地元の大井を中心に考えるのが得策。キャリアが2~3戦で大井1200mで新馬戦を勝った無敗馬であれば勝ち馬の資格あり。準重賞の時は波乱傾向も、近3回は比較的平穏な決着に。また3~4年周期で好走している船橋には注意が必要。
(文・前田 恒)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。