2023年10月25日(水) 船橋競馬場
平和賞
左1600m 20:05発走
平和賞 ゴール前

データ分析 Data Analysis

船橋で唯一の2歳重賞

2006年から地方全国交流競走として実施。12月に行われる2歳ダートチャンピオン決定戦・全日本2歳優駿JpnIのトライアルにもなっており、1着馬には優先出走権が付与される。19年Vのヴァケーション(川崎)は次走でJRAの強豪を撃破し、2歳ダート王者に輝いた。また18年の優勝馬ヒカリオーソ(川崎)は東京ダービー馬になっている。全国の実力馬が船橋1600mを舞台に激突。ここでは13~22年の過去10回の結果から傾向を探っていく。

■地元船橋の好走が目立つ

4勝、2着6回の地元船橋が優勢で、連対した年は7回。船橋同士のワンツーは3回を数える。このことからも、所属優先で軸を考えるなら船橋と判断してもいい。ただ、少ない出走頭数で好成績を残しているのが川崎と浦和で、勝率では船橋を上回っている。南関東で唯一主に右回りで実施されている大井は3着1回とひと息。他地区に目を向けてみると馬券圏内は全て北海道で21頭が参戦。連対3回に対して3~5着は9回。2022年こそワンツーだったが、どちらかといえば相手候補という印象を受ける。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
船橋 4 6 3 39 7.7% 19.2% 25.0%
浦和 2 2 2 10 12.5% 25.0% 37.5%
川崎 2 1 0 14 11.8% 17.6% 17.6%
大井 0 0 1 7 0.0% 0.0% 12.5%
他地区 2 1 4 18 8.0% 12.0% 28.0%

■10頭以下にならなければ波乱の可能性大

連対率60.0%、3着内率70.0%と安定して馬券圏に食い込む1番人気以外の上位人気馬は信頼をおけるとは言えず、2~5番人気が2頭以上馬券絡みしたのは4回しかない。5番人気以内で3着以内を独占した年は3回。2015年こそ12頭立てだったが、あとの2回はともに10頭以下と頭数が少なかった。基本的には6番人気以下も台頭する波乱傾向。出走頭数に着目するのも波乱になるのかを見極める手段のひとつになりそうだ。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 4 1 3 20.0% 60.0% 70.0%
2番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
3番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
4番人気 1 2 0 7 10.0% 30.0% 30.0%
5番人気 2 0 1 7 20.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 4 1 6 57 5.9% 7.4% 16.2%

■1600m以上の経験が鍵

出走馬の1600m以上経験の有無を調べてみると、3着以内馬30頭中19頭が経験あり、11頭が経験なしだった。好走するには経験があったほうがいいという結果が表れたが、意外にも勝ち馬の頭数は、経験なしが6頭と多かった。ただし、勝ち馬の傾向はハッキリしていて、経験なしは全てが南関東所属。そのうち5頭の前走は、大井・ゴールドジュニア(19年までは準重賞)か川崎・鎌倉記念の重賞で、2021年の覇者ライアン(浦和)だけは浦和の2歳一組戦(1500m)を連勝していた。それに対して北海道で馬券圏内に好走した7頭は、全て1600m以上の経験があった。南関東組は距離経験を問わず、北海道組は距離経験が必須と覚えておきたい。【表3】

[表3]1600m以上経験の有無別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1600m以上経験あり 4 8 7 45 6.3% 18.8% 29.7%
1600m以上経験なし 6 2 3 43 11.1% 14.8% 20.4%

■前走1着馬は勝ち切れていない

出走馬の前走着順が【表4】。若い2歳馬だけに勢いが重要かと思えば、意外にも前走敗戦からの勝利が圧倒的に多いことが浮かび上がってきた。前走を勝ってここに参戦してきた馬は2着止まりが多く、2018年2着トーセンガーネット(浦和)にしても前走1位入線(失格)を果たしていた。22年Vのプルタオルネ(北海道)はJRA札幌・クローバー賞9着からの巻き返しで重賞初制覇。前走で着外に負けていたとしても安直には扱えない。【表4】

[表4]前走着順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走1着 1 5 2 30 2.6% 15.8% 21.1%
前走2着 3 0 3 11 17.6% 17.6% 35.3%
前走3着 1 2 0 9 8.3% 25.0% 25.0%
前走4着 2 1 1 8 16.7% 25.0% 33.3%
前走5着 1 1 2 9 7.7% 15.4% 30.8%
前走6着以下 2 0 2 21 8.0% 8.0% 16.0%
前走失格 0 1 0 0 0.0% 100.0% 100.0%

勝つのはこういう馬!

地元船橋が好走する可能性が高く、1番人気の信頼度も比較的高い。南関東所属であれば前走は重賞で負けていた馬。北海道所属ならば1600m以上の経験が必要になる。前走1着馬よりは巻き返しを図る馬を狙うのが良策。

(文・前田 恒)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。