データ分析 Data Analysis

GDJ2歳シーズンの折り返し地点

全7戦で争われるグランダム・ジャパン2歳シーズンの4戦目にあたる。ラブミーチャンは当地でデビューし2歳として初めてNARグランプリ年度代表馬に選出。3歳以降も活躍を続けた同馬が地方競馬で蹄跡を記したことがない(引退時に存在していた競馬場)のは、水沢、金沢、姫路だけ。“地方全国交流”の舞台にふさわしい足跡だ。その重賞のデータを、前身のプリンセス特別(2013年以前)時代を含めた12~21年の過去10回の結果からみていく。

北海道が優勢だが地元も健闘

出走馬の所属別に成績をまとめてみると、13頭が出走して5勝、2、3着各1回の成績を挙げている北海道が強力。門別から笠松までは、4時間の船旅を含めて20時間ほどかかるが、遠征が多い厩舎は長距離輸送に対するノウハウがあるので、それを極端に不安視する必要はないのかもしれない。それと同時に強調できるのが地元笠松所属馬の好成績。輸送距離がそれほどでもない愛知や兵庫は2着までとなっている。また、金沢所属馬が3頭出走して2勝をマーク。その2頭はともに、金沢で重賞を制していた。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
北海道 5 1 1 6 38.5% 46.2% 53.8%
笠松 3 6 5 50 4.7% 14.1% 21.9%
金沢 2 0 0 1 66.7% 66.7% 66.7%
愛知 0 2 2 3 0.0% 28.6% 57.1%
兵庫 0 1 0 2 0.0% 33.3% 33.3%
その他 0 0 2 7 0.0% 0.0% 22.2%

上位人気馬が優勢

過去10回での1番人気馬は3着内率が100%。2番人気馬も3着内率が80.0%と好成績で、もっとも人気薄だった勝ち馬は、2015年の4番人気馬ミスミランダー(北海道)。3連単が5ケタの配当になったのも、その年だけとなっている(4→1→5番人気の順で2万4770円)。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 2 1 0 70.0% 90.0% 100.0%
2番人気 2 4 2 2 20.0% 60.0% 80.0%
3番人気 0 1 3 6 0.0% 10.0% 40.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
6番人気以下 0 0 1 48 0.0% 0.0% 2.0%

キャリア4~6戦の馬に注目

過去の出走レース数別に成績をまとめてみると、好成績を残しているのはキャリア「4~5戦」と「6~7戦」。3戦以下で臨んだ馬は10頭いるが、勝ったのは3戦3勝だった2016年ヤマミダンス(金沢)だけだ。また「8~9戦」で勝利を挙げたのは、14年ジュエルクイーン(北海道)、15年ミスミランダー(北海道)、21年エムティアンジェ(金沢)ですべて遠征馬となっている。【表3】

[表3]キャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3戦以下 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
4~5戦 2 3 2 12 10.5% 26.3% 36.8%
6~7戦 4 5 2 22 12.1% 27.3% 33.3%
8~9戦 3 0 2 17 13.6% 13.6% 22.7%
10戦以上 0 2 3 10 0.0% 13.3% 33.3%

実力差のあるメンバー構成

この時期の2歳牝馬限定戦ということもあって、出走馬の力量差が大きくなる傾向。ゴール前が接戦になるケースは少なく、過去10回で1着と2着の差が1馬身以内だったのは、2014年の半馬身差、12年のハナ差の2回だけ。21年は2→1→3番人気(金沢→北海道→笠松)の順で、着差は1~2着が3馬身、2~3着が4馬身。波乱に備えて手広く構えるよりも、実力の差を読んで集約するほうがよさそうだ。

勝つのはこういう馬!

単勝2番人気以内で、キャリアは4~7戦。遠征馬であれば、キャリア8~9戦の上位人気馬にも注目していいだろう。そのなかでもとくに強調できるのが「北海道所属」または「北海道デビュー」馬。過去10回の優勝馬のうち、北海道以外でデビューしたのは2012年のカツゲキドラマ(笠松デビュー)、16年のヤマミダンス(金沢デビュー)だけだ。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。