データ分析 Data Analysis

岩手対北海道の様相がある重賞

プリンセスカップはグランダム・ジャパン(GDJ)2歳シーズンの女王を目指す岩手、北海道所属の馬にとって重要となる一戦。ここで好成績を挙げれば、大晦日に行われる最終戦・東京2歳優駿牝馬という選択肢が大きくクローズアップされてくる。ここではGDJの対象になった2012年以降、実施されなかった19年を除いた9回の結果を対象にしてデータをみていくことにしたい(21年と今年は盛岡1400mで実施。20年以前は水沢1400m)。

上位人気馬が好成績

過去9回の優勝馬はすべて、単勝4番人気以内。2着は7頭、3着は8頭が4番人気以内と、上位人気馬が優勢となっている。6番人気以下で3着以内に入ったのは、岩手所属馬が1頭(8番人気で3着)と北海道所属馬が2頭(いずれも6番人気で2着)。その3頭は前走が重賞で4着以下という成績だった。【表1】

[表1]単勝人気別成績(過去9回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 1 1 4 33.3% 44.4% 55.6%
2番人気 2 1 3 3 22.2% 33.3% 66.7%
3番人気 2 2 3 3 20.0% 40.0% 70.0%
4番人気 2 3 1 2 25.0% 62.5% 75.0%
5番人気 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%
6番人気以下 0 2 1 52 0.0% 3.6% 5.5%

※12年は3番人気馬が2頭

北海道所属馬が優勢

所属別の成績をまとめてみると、地元である岩手は出走数が多いぶん“率”は低いが、3勝、2着2回、3着4回と上々の成績。それでもやはり北海道からの遠征馬は強力で、3着内率が45.2%と好成績。南関東は浦和所属馬が勝ち(2016年)、大井所属馬が2着(21年)に入っている。笠松からは12頭が出走したが、15年3着ミスミランダー以来、3着内馬が出ていない。【表2】

[表2]所属別成績(過去9回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
北海道 5 5 4 17 16.1% 32.3% 45.2%
岩手 3 2 4 43 5.8% 9.6% 17.3%
南関東 1 1 0 3 20.0% 40.0% 40.0%
笠松 0 1 1 10 0.0% 8.3% 16.7%

外枠は苦戦ぎみ

過去9回の馬番成績をまとめてみると、好成績を残しているのが1~8番。連対率では3~8番の成績がとくに良くなっている。ちなみに盛岡コースで実施された2021年(8頭立て)は5番(1番人気)→7番(4番人気)→1番(2番人気)の順。今年も盛岡競馬場が舞台だが、このデータを考慮しておく手はあるかもしれない。【表3】

[表3]馬番別成績(過去9回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1~2番 2 0 3 13 11.1% 11.1% 27.8%
3~4番 3 2 1 11 17.6% 29.4% 35.3%
5~6番 1 3 1 13 5.6% 22.2% 27.8%
7~8番 1 4 3 9 5.9% 29.4% 47.1%
9~10番 1 0 1 14 6.3% 6.3% 12.5%
11~12番 1 0 0 13 7.1% 7.1% 7.1%

※2013年4番、8番、21年9番は競走除外または出走取消

田中淳司厩舎に注目

過去9回で北海道所属馬が挙げたのは5勝。なかでも田中淳司厩舎は13頭を参戦させ、3勝、2着2回、3着1回と好成績を挙げている。一方、北海道リーディングを争っている角川秀樹厩舎は6頭が参戦して3着が1回と苦戦ぎみ。また、岩手の山本聡哉騎手が8回騎乗し3勝、北海道の岩橋勇二騎手が5回騎乗し2勝を挙げているのが目立っている。

勝つのはこういう馬!

単勝4番人気以内に支持されていることは必須。ちなみに優勝馬の単勝オッズはすべて7倍未満となっている(最大が2014年のミラクルフラワーで6.9倍=3番人気)。北海道の田中淳司厩舎から上位人気に支持されるような馬が出走してきたら要注目だ。

(文・浅野靖典)

注記

当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。