データ分析 Data Analysis

大晦日に全国から2歳牝馬が集う女王決定戦

2007年より格付表記をSIに切り替え、大晦日開催に変更。南関東競馬を締めくくる重賞としてすっかり定着した。近2年だけでもケラススヴィア、スピーディキックが翌年の桜花賞、東京プリンセス賞を制して南関東牝馬二冠を達成。これまでに数多くの名牝が誕生してきただけに、地方競馬ファン必見のレースといえる。ここでは12~21年の過去10回の結果から傾向を探る。

近年の勢いでは大井と浦和

勝利数のうえでは南関東4場が互角だが、2013年に上位を独占した川崎がそこから18年まで馬券に絡む活躍。近年は大井が1勝を含む3着以内6回で4年続けて馬券圏、浦和は20、21年を連覇と勢いがある。他地区は愛知所属のピンクドッグウッドが16年に勝利。その他には北海道が2着2回、笠松が3着1回と健闘を見せている。ただし、東海地区から遠征し馬券絡みした2頭は、北海道でデビューしていたことを覚えておきたい。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
船橋 3 1 1 30 8.6% 11.4% 14.3%
大井 2 4 3 53 3.2% 9.7% 14.5%
川崎 2 3 4 19 7.1% 17.9% 32.1%
浦和 2 0 1 6 22.2% 22.2% 33.3%
他地区 1 2 1 21 4.0% 12.0% 16.0%

荒れる可能性が高く上位人気馬の過信は禁物

1、2番人気はともに3勝ずつの成績を収めているが、3着内率はともに50.0%。絶対的な信頼をおける存在とは言い難く、3~5番人気に関してはさらに成績が下落。この傾向を示すように3連単では全て万馬券が飛び出しており、3着以内に激走した2桁人気馬は近4年で3頭。1~5番人気が3着以内を占めたことはなく、ワンツー決着を見ても3回しかない。堅い決着は望めず、思い切って人気薄を狙ってみるのが面白そうだ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 2 0 5 30.0% 50.0% 50.0%
2番人気 3 1 1 5 30.0% 40.0% 50.0%
3番人気 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%
4番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
5番人気 1 0 0 9 10.0% 10.0% 10.0%
6番人気以下 3 5 6 95 2.8% 7.3% 12.8%

北海道デビュー組が優勢

3着以内に好走した馬のデビュー地を調べてみると、6勝を含む13連対の北海道組が優勢。該当馬の成績を詳しく見てみると、勝ち馬6頭のうち5頭は門別の重賞V+JpnIIIでの馬券圏。残り1頭は重賞Vこそなかったが、JpnIIIで2着に好走していた。ちなみに南関東デビュー組でこのレースを勝った4頭のうち2頭はローレル賞馬。残り2頭は1500メートルで勝ち鞍があり、2勝以上を挙げている重賞初挑戦馬だった。[表3]

[表3]3着以内馬のデビュー地(過去10回)

1着 2着 3着
北海道 6 7 3
南関東 4 2 7
JRA 0 1 0

ローレル賞勝ち馬は安定

勝ち馬は3~7戦を経て当レースに臨んでいたが、3着以内で見ても同様のキャリアの馬が優秀。3~4戦で勝った5頭のうち3頭はすでに重賞を勝っていて、残り2頭には連勝歴と、経験の浅さをカバーできるだけの素質を見せていた。また、トライアルとなっているローレル賞から参戦が多いのも特徴。ローレル賞勝ち馬は【4-1-2-3】と安定しているのに対して、同2着馬は【0-1-0-7】(不出走2頭)と不振。同3着馬も【0-2-1-3】】(不出走4頭)と2着止まりとなっている。[表4]

[表4]3着以内馬のキャリア別成績(過去10回)

1着 2着 3着
2戦 0 1 0
3戦 3 0 2
4戦 2 0 1
5戦 0 3 1
6戦 0 2 3
7戦 5 1 1
8戦 0 2 0
9戦 0 0 1
11戦 0 1 1

※キャリア1戦、10戦は出走なし

勝つのはこういう馬!

北海道でデビューし、門別の重賞を勝っているようならV有力。さらにダートグレードで3着以内に好走しているようなら信頼度はアップ。キャリアは7戦がベストだが、重賞Vなど素質の高さを見せていればキャリアが浅くても問題なし。ローレル賞を勝って参戦してきた馬も上位に食い込む可能性は高い。

(文・前田 恒)

注記

当ページの情報は、特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。