データ分析 Data Analysis

3歳シーズン女王を目指し九州へ集う

グランダム・ジャパン3歳シーズン2022の第3戦は、地方全国交流戦で、シリーズ創設2年目の11年以降は西日本で実施される2戦目に組まれている。東海地区、兵庫の所属馬にとっては高得点(1着15点)の「他地区ポイント」を得られる貴重なレースであり、10~13年、17年と過去5頭が勝利を収めている。ここでは2012~21年の過去10回から傾向を見ていく。

佐賀が6勝も他地区の健闘光る

地方全国交流となった2010年から5年連続で他地区馬が勝利していたが、近4年は佐賀が連勝中。過去10回では佐賀6勝に対し、他地区4勝だが、3着以内馬の数では13頭と17頭で他地区が優勢だ。兵庫、兵庫、笠松で決まった13年を除けば、佐賀は最低1頭は馬券絡みしているが、上位独占は1度もない。他地区で勝利があるのは兵庫(2勝)、笠松、高知。なお東日本からの出走は2頭だけだが、17年セミプレナ(北海道)3着、18年アクアレジーナ(大井)2着といずれも3着以内に入っている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
佐賀 6 4 3 54 9.0% 14.9% 19.4%
他地区 4 7 6 27 9.1% 25.0% 38.6%

注記:20年は2着が同着

好成績の他地区

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
兵庫 2 3 3 10 11.1% 27.8% 44.4%
高知 1 3 0 1 20.0% 80.0% 80.0%

1番人気が堅調だが人気薄も台頭

過去10回いずれも3番人気以内の馬が勝利。うち1番人気が6勝で、複勝率80.0%と信頼度は高い。しかし、上位人気3頭が3着以内を独占したのは21年の1度だけ。6番人気以下が7度馬券圏内に進出しており、いわゆる”ヒモ荒れ”が多い傾向だ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 6 1 1 2 60.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 4 2 3 10.0% 50.0% 70.0%
3番人気 3 1 2 4 30.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
5番人気 0 1 0 9 0.0% 10.0% 10.0%
6番人気以下 0 4 3 54 0.0% 6.6% 11.5%

注記:20年は2着が同着

花吹雪賞1着馬が6勝

同じ3歳牝馬限定の1800メートルで、1月に行われる花吹雪賞(四国・九州地区交流)の勝ち馬が出走してきたときは、6勝、2着1回の好成績。同2着以下で勝利したのは4着から巻き返した18年マイメン(佐賀)のみ。5着以下から馬券に絡んだ馬はいない。四国・九州地区交流レベルで勝ち負けできないようでは、兵庫など相手が強くなるここで好勝負は望めない。[表3]

[表3]花吹雪賞出走馬の成績(過去10回)

花吹雪賞の着順 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1着 6 1 0 2 66.7% 77.8% 77.8%
2着 0 1 0 5 0.0% 16.7% 16.7%
3着以下 1 2 0 25 3.6% 10.7% 10.7%

遠征馬の体重減は減点にはならない

若い3歳牝馬にとってこの時期の遠征は馬体への影響が大きく大幅な馬体減となる他地区馬が多々みられる。しかし、前走から10kg以上マイナスだった遠征馬が馬券圏内に8頭進出。当日の馬体気配に問題がなければさほど気にする必要はなさそう。しかし、前走から10kg以上減っていた佐賀勢の馬券絡みは14年3着タケノペガサスのみ。地元馬に関しては体重減は減点材料だ。

勝つのはこういう馬!

花吹雪賞1着馬が6勝。高知所属で勝利した14年クロスオーバーにも同様の戦歴があり、出てくれば最有力といえる。2010年の地方全国交流後に、佐賀と高知所属以外で勝った3頭はいずれも重賞での連対実績と遠征経験の両方を持っていた。なお、グランダム・ジャパン対象レースの若草賞1着馬が当レースを勝利したことはないが、2着馬は12、17年と2勝している。

(文・上妻輝行)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。