データ分析 Data Analysis

GDJ古馬シーズンは九州からスタート

2017年に地方全国交流戦として創設された佐賀では唯一の古馬牝馬重賞。18年の第2回からグランダム・ジャパン古馬シーズンに参入し、その後は毎年シリーズの開幕戦となっている。18年のディアマルコ(高知)は当レースを含む対象競走3勝で総合優勝を果たした。ここでは17~21年の過去5回から傾向を見ていく。

他地区の優勝4回で南関東が躍進

過去5回すべてで勝ち馬の所属が異なり、第1回から順に兵庫、高知、佐賀、大井、川崎。2018年と20年は他地区馬が上位を独占し、佐賀は1勝、2着2回のみとなっている。第1、2回の遠征馬は西日本からのみだったが、19、20年は大井が3着以内に2頭ずつ進出。21年は川崎が勝利と南関東勢が躍進している。[表1]

[表1]所属別成績(過去5回)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
佐賀 1 2 0 31 2.9% 8.8% 8.8%
南関東 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
兵庫 1 1 1 4 14.3% 28.6% 42.9%
高知 1 0 0 0 100.0% 100.0% 100.0%
その他 0 0 3 1 0.0% 0.0% 75.0%

人気どおりには決まりにくい

1番人気は2勝、2着1回で、上位人気3頭が3着以内を独占したのは2018年だけ。逆に揃って4着以下となったのも1回(21年)あり、上位人気の信頼度は高いとはいえない。古馬シーズン初戦ということで、近走で対戦歴がない馬が多いことが能力比較を難しくしている印象だ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去5回)

単勝人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 1 0 2 40.0% 60.0% 60.0%
2番人気 0 1 1 3 0.0% 20.0% 40.0%
3番人気 2 0 0 3 40.0% 40.0% 40.0%
4番人気 0 1 0 4 0.0% 20.0% 20.0%
5番人気 0 2 2 1 0.0% 40.0% 80.0%
6番人気以下 1 0 2 28 3.2% 3.2% 9.7%

上位はほぼ5歳と4歳

出走56頭のうち、5歳が23頭と最も多く、3着以内に9頭が進出(4勝、2着2回、3着3回)。勝率・連対率、3着以内率のいずれもトップとなっている。これに続くのが4歳で1勝、2着2回、3着1回。それ以外の3着以内は6歳が2回だけと、5歳・4歳優勢の傾向がハッキリしている。なお、2年連続出走で前年より着順を上げたのはアンバラージュ(4歳時・4着→5歳時・2着)1頭だけだ。[表3]

[表3]年齢別成績(過去5回)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
4歳 1 2 1 11 6.7% 20.0% 26.7%
5歳 4 2 3 14 17.4% 26.1% 39.1%
6歳 0 1 1 10 0.0% 8.3% 16.7%
7歳以上 0 0 0 6 0.0% 0.0% 0.0%

※17年は3歳も参戦可能だったが出走なし

連勝の勢いある馬が優勢

勝ち馬のうち、2019年ハッピーハッピー(佐賀)は佐賀転入から10連勝で臨んで制覇。17年エイシンアトロポス(兵庫)、20年ジェッシージェニー(大井)、21年ロカマドール(川崎)は過去10戦で3連勝以上を含む4~6勝をマーク。近走で“連勝の勢い”を経験していた馬が強い印象だ。なお、17年に2番人気で7着のダンシング(佐賀)は過去10戦で5勝していたが連勝はなかった。

勝つのはこういう馬!

過去5回中4回で5歳の遠征馬が勝利。ここ3回の傾向を考慮すれば、南関東の5歳馬がいれば、直近の成績にかかわらず狙い目となりそうだ。過去10戦で3連勝以上を含め4勝以上を挙げていた馬も有力。該当する成績の馬がいなかった18年は、過去10戦(ダートグレードを除く)で7連対していたディアマルコ(高知)が勝っており、勢いある馬に注目だろう。ここが重賞初制覇だった馬が3頭(うち2頭は重賞初出走)いるが、その他2頭は、前年の古馬シーズンの対象競走で勝利があり、実績馬も軽視できない。

(文・上妻輝行)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。