古馬シーズンの行方を左右する一戦
グランダム・ジャパン古馬シーズンのタイトルを狙うには、最終戦のレディスプレリュードJpnIIの前にどれだけポイントを稼いでおけるかが重要。5日後に行われる名古屋・秋桜賞は1500mが舞台で、こちらは2000m。優勝争いを視野に入れる南関東所属馬は特に、どちらの舞台を選ぶのかが重要になる。ここでは2012~21年の過去10回の結果から傾向をみていく。なお、21年と今年は盛岡だが、20年より前の集計対象は水沢1900mとなっている。
1番人気は6勝、2着2回、3着1回で、3着内率は90.0%。2番人気は1勝だけだが、2着は5回と好成績を挙げている。ただ、2番人気の3着と3番人気の2着がゼロとなっている点は興味深いところだ。それより下の単勝人気で勝利を挙げたのは、2013年のシャイニングサヤカ(北海道・6番人気)だけだ。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 2 | 1 | 1 | 60.0% | 80.0% | 90.0% |
2番人気 | 1 | 5 | 0 | 4 | 10.0% | 60.0% | 60.0% |
3番人気 | 2 | 0 | 4 | 4 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気以下 | 1 | 2 | 3 | 62 | 1.5% | 4.4% | 8.8% |
岩手所属馬が勝利を挙げたのは、2010年が最後。11年から北海道所属馬が3連覇して、1年空いて15年から4連覇。そのなかにはジュエルクイーンによる3連覇もあった。そして近3年は南関東所属馬が勝利。ちなみにこれまで南関東は、浦和・船橋・大井・川崎がそれぞれ1勝を挙げている。上記以外から3着以内に入ったのは、笠松(14年2着)兵庫(19年3着)、佐賀(20年3着)となっている。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 6 | 4 | 2 | 4 | 37.5% | 62.5% | 75.0% |
岩手 | 0 | 2 | 4 | 55 | 0.0% | 3.3% | 9.8% |
南関東 | 4 | 3 | 2 | 11 | 20.0% | 35.0% | 45.0% |
上記以外 | 0 | 1 | 2 | 8 | 0.0% | 9.1% | 27.3% |
前項のとおり、過去10回で南関東所属馬が4勝を挙げているが、南関東所属騎手での勝利はゼロ。北海道所属馬も6勝しているが、北海道所属騎手とのコンビでは3勝だけとなっている。その分を補っているのが、4勝を挙げている金沢所属の吉原寛人騎手。“上記以外”のカテゴリーに含められないほどの好成績を残している。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 3 | 2 | 3 | 3 | 27.3% | 45.5% | 72.7% |
岩手 | 2 | 4 | 5 | 58 | 2.9% | 8.7% | 15.9% |
南関東 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
金沢・吉原寛人 | 4 | 2 | 1 | 1 | 50.0% | 75.0% | 87.5% |
上記以外 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
過去10回の3着内馬のべ30頭は、前走が4着以内または前走がブリーダーズゴールドカップJpnIIIだった。また園田・兵庫サマークイーン賞と門別・ノースクイーンカップ以外から臨んで3着以内に入った馬はのべ9頭いるが、そのすべてが前走で3着以内。前走の着順がいまひとつだった馬は、ブリーダーズゴールドカップJpnIIIから臨んだ馬を除いて評価を下げるほうがいいだろう。
過去10回の優勝馬は、前走が園田・兵庫サマークイーン賞、門別・ノースクイーンカップ、またはブリーダーズゴールドカップJpnIIIのいずれか。また、ここのところ岩手所属ではない騎手の勝利が続いていたが、近2年は高松亮騎手(2020年)、山本聡哉騎手(21年)と岩手所属騎手が制しているだけに、特殊な盛岡コースをよく知る地元騎手に注目する手はあるだろう。もちろん、通算4勝を挙げている吉原寛人騎手が起用されるようなら期待値が高い。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。