盛岡開催となって3年目の2歳戦
グランダム・ジャパン(GDJ)2歳シーズン終盤の一戦として定着していたが、今年は昨年より約2週間早い10月29日に前倒しされたことで全7戦のうち第3戦に。同じく時期が変更されたエーデルワイス賞JpnIIIより前に行われる。GDJに加わった2012年から8回は水沢で、21年からは盛岡での開催となっている。ここでは取り止めとなった19年を除く12~22年の過去10回から傾向を見ていく。
北海道が5勝で、地元岩手の4勝を上回る。北海道から他地区への遠征にはいずれも長距離輸送が伴うが、その中で盛岡・水沢は比較的近い立地だ。さすが2歳戦に強いホッカイドウ競馬を表す結果。浦和の1勝は2016年スターインパルスだった。南関東からの遠征はわずか5頭だが、1勝、2着1回と上位入着の確率は高い。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 5 | 6 | 5 | 20 | 13.9% | 30.6% | 44.4% |
岩手 | 4 | 2 | 4 | 49 | 6.8% | 10.2% | 16.9% |
南関東 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
笠松 | 0 | 1 | 1 | 10 | 0.0% | 8.3% | 16.7% |
先の北海道優勢を押し上げているのは田中淳司厩舎。3勝を挙げ、3着内率は46.7%とほぼ2頭に1頭は馬券圏内に入っていることになる。なお同厩舎は遠征競馬で29勝(JRA含む・2012~18、20~22年)をマークし勝率11.9%は、このレースでの好成績を裏付けるもの。地元の佐藤祐司厩舎も2012年ブリリアントロビン、20年ゴールデンヒーラーと2勝を挙げる。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
田中淳司 (北海道) |
3 | 2 | 2 | 8 | 20.0% | 33.3% | 46.7% |
佐藤祐司 | 2 | 0 | 1 | 1 | 50.0% | 50.0% | 75.0% |
齋藤正弘 (北海道) |
1 | 2 | 0 | 1 | 25.0% | 75.0% | 75.0% |
小久保智 (浦和) |
1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
山口竜一 (北海道) |
1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
瀬戸幸一 | 1 | 0 | 0 | 4 | 20.0% | 20.0% | 20.0% |
勝ち馬がすべて単勝4番人気以内から出ている点を見ると、一見堅いレースに思えるが、3連単万馬券は過去10回中5回と半数もある。その万馬券の人気別内訳を見ると、12年(2→3→3番人気)、14年(3→6→1番人気)、15年(4→1→3番人気)、17年(4→6→3番人気)、20年(2→3→8番人気)。1番人気が一本被りになりやすく2着以下の場合、高配当になりやすい。なお、最も人気薄での馬券圏内は20年3着ファイントリック(岩手)の8番人気だった。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 1 | 1 | 4 | 40.0% | 50.0% | 60.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 3 | 4 | 20.0% | 30.0% | 60.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 4 | 3 | 18.2% | 36.4% | 72.7% |
4番人気 | 2 | 4 | 1 | 2 | 22.2% | 66.7% | 77.8% |
5番人気以下 | 0 | 2 | 1 | 69 | 0.0% | 2.8% | 4.2% |
昨年までステップとして好相性だったのが盛岡1400mの知床賞(北海道・岩手交流)。3着以内から出走してきた牝馬7頭中6頭が馬券絡みしていたが、今年は休止。近年で、同レース組以外が上位を独占した2022年は、1着フジラプンツェル(岩手)が2、3走前に重賞連勝、2着馬は2走前に重賞3着、同じく21年は、1着レディーアーサー(北海道)が2走前に重賞1着、2着は南関東馬で、3着馬は2走前に重賞2着。近走重賞で3着以内があった馬が好成績を残している。なお、22年3着キューティロメラや20年2着ルビーブランケットには重賞実績がなかったが、田中淳司厩舎所属という共通点があり、【表1】のようにレース相性の良さを発揮している。
まず注目は過去5勝を挙げる北海道所属馬。そのうち4頭には当レースまでに遠征または重賞勝利実績があり、それが田中淳司厩舎所属なら信頼度が増す。地元・岩手では同距離の重賞好走馬か。南関東所属馬はこれまで出走頭数こそ少ないが、連対率は高いため、注意が必要。
(文・大恵陽子)
注記
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