花吹雪賞1着馬vs上位人気の遠征馬
グランダム・ジャパン3歳シーズン2023の第3戦は、シリーズ創設2年目の11年以降は西日本の2戦目に組まれている。10、13年は笠松、14年は高知、11、12、17年は兵庫の馬が勝利。22年は川崎のケウが東日本の馬として初勝利を挙げている。ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。
地方全国交流となった2010年から5年連続で他地区馬が勝利していたが、18年から21年にかけ佐賀が4連勝。過去10回では佐賀6勝に対し、他地区4勝だが、3着以内馬の数では12頭と18頭で他地区が優勢だ。笠松→兵庫→笠松で決まった13年を除けば、佐賀は最低1頭は馬券絡みしているが、上位独占は1度もない。他地区の勝利は21年まで西日本のみだったが、22年はケウ(川崎)が勝利。東日本からの出走馬は過去10年で4頭だけだが、うち3頭が3着以内に進出している。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
佐賀 | 6 | 3 | 3 | 55 | 9.0% | 13.4% | 17.9% |
兵庫 | 1 | 4 | 3 | 10 | 5.6% | 27.8% | 44.4% |
高知 | 1 | 3 | 0 | 1 | 20.0% | 80.0% | 80.0% |
笠松 | 1 | 0 | 2 | 12 | 6.7% | 6.7% | 20.0% |
東日本 | 1 | 1 | 1 | 1 | 25.0% | 50.0% | 75.0% |
過去10回いずれも3番人気以内の馬が勝利し、うち1番人気が6勝で、3着内率80.0%と信頼度は高い。一方で6番人気以下が7頭馬券圏内に進出していたが、ここ2年連続で1→2→3番人気と人気順で決着している。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 1 | 1 | 2 | 60.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 1 | 5 | 1 | 3 | 10.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 3 | 1 | 3 | 3 | 30.0% | 40.0% | 70.0% |
4番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
5番人気以下 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
6番人気以下 | 0 | 4 | 3 | 52 | 0.0% | 6.8% | 11.9% |
同じ3歳牝馬限定の1800m戦で、1月に行われる花吹雪賞(四国・九州地区交流)の勝ち馬が出走してきたときは、6勝、2着1回の好成績。同2着以下で勝利したのは4着から巻き返した2018年マイメン(佐賀)のみ。5着以下から馬券に絡んだ馬はいない。今年の花吹雪賞は地元のエイシンレミーが5馬身差で圧勝しており、他地区勢を相手に奮闘が期待される。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
花吹雪賞1着 | 6 | 1 | 0 | 1 | 75.0% | 87.5% | 87.5% |
花吹雪賞2着 | 0 | 1 | 1 | 4 | 0.0% | 16.7% | 33.3% |
花吹雪賞3着 | 0 | 1 | 0 | 7 | 0.0% | 12.5% | 12.5% |
花吹雪賞4着以下 | 1 | 0 | 0 | 20 | 4.8% | 4.8% | 4.8% |
2010年の地方全国交流後に、佐賀以外からの出走は計58頭。うち7頭が勝利しているが、22年に重賞初出走で勝利したケウ(川崎)以外の6頭はすべて出走時点で重賞連対実績があった。全体的に見ても重賞連対の有無は、あり【6・5・2・9】で3着内率59.1%。なし(未出走含む)【1・4・5・26】で3着内率27.8%と信頼度が大きく変わっており、2歳、3歳初期から強豪相手に戦った経験が大きなアドバンテージとなっている。
佐賀所属馬にとっては勝ち馬6頭中、花吹雪賞1着馬が5頭と、花吹雪賞での勝利はほぼ必須。両レースの中間に飛燕賞(2~3月実施)があるが、同レースは牡馬混合の上、19年以降1400mになったこともあり、花吹雪賞から重賞3連勝を達成したのは1頭だけと、飛燕賞での敗戦はさほどのマイナスにはならない。遠征馬は重賞連対、遠征実績の両方を持っている馬がやはり有力で、花吹雪賞勝ち馬と他地区上位人気馬の対決構図となる。
佐賀競馬では22年より12月に西日本交流の2歳牝馬限定重賞・フォーマルハウト賞(1400m)が創設され、初年度は兵庫から4頭が参戦し、1・2・8・11着と明暗分かれたが、佐賀コース経験済みのこれらの馬が参戦してくれば、今後の傾向を占ううえでも大きく注目したいところだ。
(文・上妻輝行)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。