ポイント獲得を目指す遠征馬に注目
グランダム・ジャパン3歳シーズンの4戦目となる留守杯日高賞は、2022年より1カ月ほど早い実施。佐賀で行われるル・プランタン賞の1週後で、名古屋で行われる東海クイーンカップの4日前。他地区所属でポイントの獲得を目論む陣営は、出走するレースを選ぶところから勝負が始まる。最近5年はすべて遠征馬が勝利を挙げており、そのうちの3頭は南関東所属となっている。ここでは13~22年の過去10回の結果から傾向をみていくことにしたい。
冒頭でも記したとおり、各地区から遠征馬が勝利を狙ってくる傾向があるだけに、迎え撃つかたちの岩手所属馬は劣勢。とはいえ過去10回では2勝でも、2着に5回、3着に4回も入っているのは、地の利をいかすことができているというところだろう。しかしながら注目できるのはやはり遠征馬。北海道所属馬は7頭のうち5頭が3着以内に入り、南関東は4場の合計で14頭が参戦して5勝、3着3回の成績を残している。ただ、南関東所属馬に2着が1回もないという点は興味深い。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
岩手 | 2 | 5 | 4 | 56 | 3.0% | 10.4% | 16.4% |
北海道 | 2 | 2 | 1 | 2 | 28.6% | 57.1% | 71.4% |
南関東 | 5 | 0 | 3 | 6 | 35.7% | 35.7% | 57.1% |
上記以外 | 1 | 3 | 2 | 13 | 5.3% | 21.1% | 31.6% |
優勝馬はすべて単勝4番人気以内。とくに1番人気が5勝、2番人気が3勝と好成績を残している。2着も10頭のうち7頭が3番人気以内。しかし3着には6番人気以下から5頭が入っている点は覚えておいてもいいだろう。ちなみに2022年は断然人気馬が勝ったものの、2着が5番人気、3着が2番人気の地元馬で、3連単が万馬券になった。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 1 | 1 | 3 | 50.0% | 60.0% | 70.0% |
2番人気 | 3 | 3 | 1 | 3 | 30.0% | 60.0% | 70.0% |
3番人気 | 1 | 3 | 1 | 5 | 10.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 5 | 51 | 0.0% | 1.8% | 10.5% |
前走が6着以下だった馬が巻き返して連対した例はゼロ。しかし3着には6頭が入っている点は注意しておいてもいいかもしれない。また、前走1着馬よりは前走2着馬のほうが好成績を残しているという点も特徴的だ。[表3]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1着 | 2 | 5 | 0 | 10 | 11.8% | 41.2% | 41.2% |
2着 | 4 | 2 | 2 | 7 | 26.7% | 40.0% | 53.3% |
3着 | 2 | 1 | 0 | 13 | 12.5% | 18.8% | 18.8% |
4~5着 | 2 | 2 | 2 | 18 | 8.3% | 16.7% | 25.0% |
6着以下 | 0 | 0 | 6 | 29 | 0.0% | 0.0% | 17.1% |
前走時の馬体重が420~459㎏の馬が7勝をマーク。2着には420~439㎏から5頭が入っている。420㎏未満の小柄なタイプが成績的にいまひとつということは、頭に入れておきたいデータといえる。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
399㎏以下 | 1 | 0 | 0 | 7 | 12.5% | 12.5% | 12.5% |
400~419㎏ | 0 | 1 | 1 | 16 | 0.0% | 5.6% | 11.1% |
420~439㎏ | 4 | 5 | 1 | 13 | 17.4% | 39.1% | 43.5% |
440~459㎏ | 3 | 0 | 4 | 23 | 10.0% | 10.0% | 23.3% |
460~479㎏ | 0 | 2 | 2 | 10 | 0.0% | 14.3% | 28.6% |
480~499㎏ | 1 | 1 | 2 | 5 | 11.1% | 22.2% | 44.4% |
500㎏以上 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
遠征馬で、前走で3着以内に入っていることが重要。ちなみに前走が4~5着だった馬は2頭が勝利を挙げているが、ともに前走が浦和の桜花賞だった。当日は単勝2番人気以内で、いわゆる中型の馬格を持っている馬に注目したい。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。