データ分析 Data Analysis

波乱が多いシリーズ終盤の一戦

小回りコースで行われることが一つのポイントで、門別など広いコースで走ってきた馬やトビの大きな馬は苦戦傾向にある。それゆえ、地元馬や東海、高知など小回りコースの経験豊富な馬が有利。また、2016年以降の直近7年では、20年に3連単120万馬券が飛び出すなど波乱の結果となっている。ここでは13~22年の過去10回から傾向を見ていく。

地元馬が圧倒的有利

地元・兵庫所属馬が過去10回中7回で優勝と優勢。遠征組では2016年ディアマルコ(高知)、17年アペリラルビー(笠松)、20年テーオーブルベリー(大井)が勝っている。また、[表1]では「その他」にまとまっているが、船橋所属馬は2着と3着が各1回。大井所属馬は3着内率が60.0%と高く、遠征してくれば狙いたい存在。しかしながら、出走した5頭中3頭が3番人気以内に推されており、人気をしやすい点は留意しておきたい。

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
兵庫 7 4 8 58 9.1% 14.3% 24.7%
大井 1 2 0 2 20.0% 60.0% 60.0%
高知 1 2 0 3 16.7% 50.0% 50.0%
東海地区 1 1 1 11 7.1% 14.3% 21.4%
上記以外 0 1 1 16 0.0% 5.6% 11.1%

7年連続で3連単4万円超え

近年は荒れやすい重賞となっているのじぎく賞。2016年以降の直近7年は3連単が毎年4万円超えで、22年は4→1番人気の決着で馬連単は2020円に留まったが、3着に11番人気のラッキーライズが入ったことで3連単は6万910円だった。6番人気以下の勝利が3回もあり、最も人気薄での勝利は18年トゥリパの10番人気だった。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 2 1 3 40.0% 60.0% 70.0%
2番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
3番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
4番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
5番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気以下 3 2 4 61 4.3% 7.1% 12.9%

小回りゆえ、超大型馬は割引も必要か

馬体重別で見ると、最も勝ち馬が出ているのは430~459kgと460~489kgで各4頭。以前と比べると日本の競走馬は全体的に大型化の傾向にはあるが、園田競馬場は1周1051mの小回りコースということもあって490kgを超える大型馬は苦戦傾向だ。唯一勝ったのは2019年チャービルで522kg。22年は575kgのケウ(川崎)が佐賀のル・プランタン賞を勝っての出走で2番人気に推されたが、雄大な馬体ゆえの大きなトビで対応しきれぬまま8着に敗れた。[表3]

[表3]馬体重別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
430kg未満 1 2 3 29 2.9% 8.6% 17.1%
430~459kg 4 4 3 39 8.0% 16.0% 22.0%
460~489kg 4 4 2 14 16.7% 33.3% 41.7%
490~519kg 0 0 2 7 0.0% 0.0% 22.2%
520kg以上 1 0 0 1 50.0% 50.0% 50.0%

22年は兵庫QS上位3頭で決着

兵庫の3歳牝馬路線は1月の兵庫クイーンセレクション(2020年までは園田クイーンセレクション)の後、牡馬混合の重賞を挟んでのじぎく賞と続く。過去10回のうち兵庫クイーンセレクション3着以内でのじぎく賞にも出走した13頭中4頭が勝ち、2着1回、3着2回だった。特に22年は兵庫クイーンセレクション上位3頭が着順もまったく同じ結果。先述したようにそれで3連単6万910円の高配当だった。

勝つのはこういう馬!

まずは兵庫所属で、兵庫クイーンセレクションで3着以内に好走していること。当日の体重が490kg未満だとなおいいが、小回りコースを走り慣れている地元馬であれば、500kg台前半であれば大きく割り引く必要はないだろう。大井、東海、高知からの遠征馬がいれば注目。例年、波乱傾向にあるので、多くの馬にチャンスのある一戦といえそうだ。

(文・大恵陽子)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。