BGC前哨戦でもある北の女王決定戦
グランダム・ジャパン古馬シーズン2023の第3戦で、8月に実施される第6戦・ブリーダーズゴールドカップJpnIIIにもつながる地方全国交流重賞。ヒダカソウカップと関連が強く、16、17年と同レースを連覇したジュエルクイーンが16年2着、17年1着、18年1着と3年連続で好走。また22年は前年2着のネーロルチェンテが勝利するなどリピーターの活躍も見受けられる。ここでは13年~22年の過去10年のデータから傾向を探る。
2013年から18年まで1番人気は4勝、2着2回と6年連続で連対し、特に15、16年は上位人気3頭での決着もあった。しかし近4年では1番人気は4着以下と不振。3連単の配当で見ても、17年以降では、21年の5→2→6番人気で5万770円を筆頭に、19年(4670円)を除いて万馬券決着と、近年はやや波乱傾向となっている。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 2 | 0 | 4 | 40.0% | 60.0% | 60.0% |
2番人気 | 2 | 2 | 3 | 3 | 20.0% | 40.0% | 70.0% |
3番人気 | 2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 2 | 3 | 5 | 0.0% | 20.0% | 50.0% |
5番人気 | 2 | 1 | 0 | 7 | 20.0% | 30.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 3 | 50 | 0.0% | 1.9% | 7.4% |
地元北海道勢が8勝、2着9回、3着8回と上位を占めているが、2018年までは他地区からの遠征がほとんどなく(17年に岩手から1頭のみ)地元勢同士の争いだったため。19年以降は毎年南関東から複数頭数が遠征するようになり、南関東の2勝、3着2回は、その近4年間でのもの。南関東勢は限られた頭数ながら3着内率40%と、高確率で馬券にからんでおり、地元勢と南関東勢の能力比較が馬券検討のポイントになりそう。また遠征馬で馬券に絡んだ5頭のうち4頭は4歳馬だった。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 8 | 9 | 8 | 67 | 8.7% | 18.5% | 27.2% |
南関東 | 2 | 0 | 2 | 6 | 20.0% | 20.0% | 40.0% |
その他 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
年齢別成績をみると、2015年に3歳馬が2、3着に入ったことがあったが、それ以外、3着以内は4~6歳で占められている。13年に6歳馬が3着以内を独占したことがあったが、連対率・複勝率では4~6歳馬にほとんど差異はみられず、馬券はその3世代を中心に組み立てたい。ただ3歳馬も出走頭数は少ないながら馬券に絡んでいるので、出走してきた場合は能力を見極める必要はある。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0 | 1 | 1 | 5 | 0.0% | 14.3% | 28.6% |
4歳 | 3 | 4 | 3 | 23 | 9.1% | 21.2% | 30.3% |
5歳 | 3 | 4 | 3 | 20 | 10.0% | 23.3% | 33.3% |
6歳 | 4 | 1 | 3 | 16 | 16.7% | 20.8% | 33.3% |
7歳以上 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
ヒダカソウカップが創設された2015年以降、同年のヒダカソウカップ1着馬の3着内率は75.0%と好成績。22年はヒダカソウカップが5月に実施と前年より1カ月ほど早まったが、同レース1着のクーファアチャラが本レースで2着と好走している。今年もヒダカソウカップは5月の実施で、同1着馬が出走してくれば要注目だ。【表4】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
ヒダカソウカップ1着 | 2 | 3 | 1 | 2 | 25.0% | 62.5% | 75.0% |
ヒダカソウカップ2着 | 1 | 1 | 1 | 3 | 16.7% | 33.3% | 50.0% |
ヒダカソウカップ3着 | 1 | 1 | 0 | 4 | 16.7% | 33.3% | 33.3% |
ヒダカソウカップ4着 | 1 | 0 | 1 | 5 | 14.3% | 14.3% | 28.6% |
ヒダカソウカップ5着以下 | 1 | 2 | 3 | 28 | 2.9% | 8.8% | 17.6% |
過去10年の勝ち馬のうち9頭は4コーナー2番手以内でそのうち6頭は前半から3番手以内につけていた。直線の長い門別コースでも直線一気はなかなか決まらない。逃げ馬は14年ココロバ、15年サンバビーン、19年クレイジーアクセルが勝利するなど【3-3-3-1】と信頼度は高いことからも、前目で競馬ができる馬を重視したい。
まず注目すべきは同年のヒダカソウカップ1着馬。また同レースで敗れた馬でもここで上位人気に支持されれば巻き返してくる可能性はある。あとは逃げ・先行馬が有利で、4歳の遠征馬やリピーターにも注意が必要だ。
(文・吉田総一郎)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。