3年ぶりに水沢開催
近2年は盛岡競馬場2000mで行われていたが、3年ぶりに舞台が水沢に戻り、距離は3年前以前の1900mから2000mに延長して実施される。北日本で行われるグランダムジャパン・古馬シーズンのラストで、7月~8月の門別・ノースクイーンカップ、園田・兵庫サマークイーン賞、門別・ブリーダーズゴールドカップJpnIIIといったシリーズ対象競走から有力馬の参戦が多くみられる。ここでは2013~22年の過去10回から傾向を見ていく。
過去10回の優勝馬は北海道か南関東4場の所属馬。中でも北海道は2013年シャイニングサヤカ、15年サンバビーン、16年~18年と3連覇したジュエルクイーンの5勝を挙げる。加えて、その3頭はいずれも田中正二厩舎か田中淳司厩舎だった。佐賀は岩手から最も遠い競馬場にはなるが、20年アンバラージュが3着。対して岩手は2着2回が最高も、3着4回と、地元の意地を見せている。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
北海道 | 5 | 3 | 2 | 4 | 35.7% | 57.1% | 71.4% |
大井 | 2 | 1 | 0 | 6 | 22.2% | 33.3% | 33.3% |
川崎 | 1 | 2 | 1 | 6 | 10.0% | 30.0% | 40.0% |
船橋 | 1 | 1 | 1 | 1 | 25.0% | 50.0% | 75.0% |
浦和 | 1 | 0 | 0 | 0 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
佐賀 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
岩手 | 0 | 2 | 4 | 53 | 0.0% | 3.4% | 10.2% |
その他 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
1番人気が7勝と強さを見せる。3着内率も90.0%で信頼度は非常に高い。一方で、3着まで範囲を広げると7番人気でも2着2回、3着1回があり、ヒモ荒れの可能性はある。なお、2番人気は過去10回では未勝利だが、2着は5回あり、“2番人気だから勝てない”というよりはデータのアヤと捉えた方がいいだろう。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 7 | 1 | 1 | 1 | 70.0% | 80.0% | 90.0% |
2番人気 | 0 | 5 | 0 | 5 | 0.0% | 50.0% | 50.0% |
3番人気 | 2 | 0 | 4 | 4 | 20.0% | 20.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 1 | 9 | 0.0% | 0.0% | 10.0% |
6番人気 | 1 | 1 | 1 | 7 | 10.0% | 20.0% | 30.0% |
7番人気以下 | 0 | 2 | 1 | 45 | 0.0% | 4.2% | 6.3% |
まず3歳馬は、2015年ジュエルクイーンの2着が最高。同馬は翌年から当レース3連覇を果たしており、それほどの高い能力を有した馬でないと3歳による上位争いは厳しいことが分かる。中心は4~6歳で、この3世代で8勝を挙げる。また、年齢を重ねても活躍できる傾向にあり、7歳馬と8歳馬も各1勝を挙げるほか、3着内率もそれぞれ28.6%と33.3%。母数こそ多くはないが高い数値となっている。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0 | 1 | 0 | 9 | 0.0% | 10.0% | 10.0% |
4歳 | 2 | 3 | 4 | 24 | 6.1% | 15.2% | 27.3% |
5歳 | 4 | 3 | 3 | 20 | 13.3% | 23.3% | 33.3% |
6歳 | 2 | 3 | 2 | 18 | 8.0% | 20.0% | 28.0% |
7歳 | 1 | 0 | 1 | 5 | 14.3% | 14.3% | 28.6% |
8歳 | 1 | 0 | 0 | 2 | 33.3% | 33.3% | 33.3% |
前走では、グランダムジャパン・古馬シーズンの一戦であるノースクイーンカップ、兵庫サマークイーン賞、ブリーダーズゴールドカップJpnIIIからの参戦馬が多く、過去10回で33頭が出走し、9勝、2着6回、3着5回。北海道所属馬はノースクイーンカップかブリーダーズゴールドカップJpnIIIから、南関東などその他の地区の遠征馬は兵庫サマークイーン賞からの臨戦過程をとる馬が多い。前走兵庫サマークイーン賞組は過去10回で10頭が出走し、3勝、2着2回、3着1回で、この3レースからでは勝率が最も高い。
勝ち馬の前走は基本的に前項3レースで、まずはその組から入るのがいいだろう。なお、過去10回で唯一別路線から勝ったのは2022年サルサディオーネで、スパーキングレディーカップJpnIII・3着からの参戦だった。また、過去10回のうち水沢開催だった13年~20年の8回は逃げ・先行馬が7勝、2着4回、3着3回と好成績を残しており、これらの脚質の馬を積極的に狙いたい。
(文・大恵陽子)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。