データ分析 Data Analysis

高知と兵庫所属馬によるワンターン戦

スーパースプリントシリーズの一戦で、2010年まで園田1230mで行われていた園田フレンドリーカップが前身。向正面入口からスタートするワンターンの820m戦は18年までは西日本交流レースだった。佐賀がばいダッシュが創設された19年以降は四国・近畿交流レースとして実施されている。ここでは12~21年の過去10回から傾向を見ていく。

■高知勢が強いレース

過去10回で高知が4勝と強さを誇る。2013年は1着エプソムアーロン、3着ファイアーフロート、21年は1着ダノングッド、3着ダノンジャスティスと、高知が3着以内のうち2頭を占める年もあった。勝利数は地元兵庫のほうが5勝と多いが、3着以内を独占したのは12年のみ。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
兵庫 5 6 5 75 5.5% 12.1% 17.6%
高知 4 3 4 11 18.2% 31.8% 50.0%
佐賀 2 0 1 2 40.0% 40.0% 60.0%

※18年は1着同着

※佐賀は19年以降出走不可

■2、3着に伏兵馬の可能性あり

優勝馬のうち9頭が単勝3番人気以内と、人気馬が好走するレース。一方で、7番人気以下も2、3着に6頭と、勝てはせずとも人気薄の馬が3着以内に入るケースも多いのが特徴といえる。6頭のうち2013年に10番人気で2着ホクセツライン、20年に9番人気で2着コウエイタケルなど兵庫所属だった5頭は園田820m未経験。【表3】の傾向とともに押さえておきたい。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 6 1 2 1 60.0% 70.0% 90.0%
2番人気 1 3 3 3 10.0% 40.0% 70.0%
3番人気 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
4番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
5番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
6番人気 2 0 0 8 20.0% 20.0% 20.0%
7番人気以下 0 4 2 52 0.0% 6.9% 10.3%

※18年は1着同着

■地元馬の前走短距離組に注目

先の人気別データで挙げた2013年2着ホクセツラインは前走こそ1700mだったが、2走前には1230mで2着の実績があった。園田競馬場では1400m戦がメインに組まれており、1230mと820mは時折実施。前者はスタートから最初のコーナーまでが短いため、序盤からペースが速くなることが多く、園田FCスプリントの舞台である820mでのレースぶりに繋がりやすい。そこで、前走が1230mと820mだった地元馬の成績を見てみると、前走で3着以内に入った馬は、4着以下だった馬に比べ好走していることが分かる。【表3】

[表3]地元馬の前走820m・1230m組の成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走820m・1230mで1~3着 1 3 1 13 5.6% 22.2% 27.8%
前走820m・1230mで4着以下 1 0 2 20 4.3% 4.3% 13.0%

■超短距離戦ながら差し馬が侮れない

ワンターンの820mという超短距離戦となれば、逃げ・先行馬が圧倒的有利というイメージがあるが、意外にも差し馬が2、3着に突っ込んでくることも多い。過去10回中6回で最初のコーナーで6番手以下だった馬が3着以内に入っている。特に近2年でその傾向が顕著。2020年は序盤にスピードに乗れず最初のコーナーを10番手で回ったダノングッドが目の覚めるような差し脚でクビ差2着、21年はインコースを上手く立ち回ったブランオラージュが6番手から2着まで差した。

勝つのはこういう馬!

はじめにチェックすべきは高知からの遠征馬。高知競馬では例年この時期、ワンターンの800mは行われておらず、最も短い距離で1300mとなる。ただ、ローテーションの関係から必ずしも思い通りに1300m戦を使えるとも限らないため、前走の距離については重視しなくてもいい。対して兵庫所属馬はステップレース的な位置づけとして820m戦や1230m戦が実施されているため、そこでの成績を重視した方がいいだろう。なお、2017年1着のマルトクスパートは前走こそ1400m(1着)だったが、2、3走前は1230m戦を使いともに2着で、地元馬の短距離実績については2~3走前まで広げて見た方がよさそう。

(文・大恵陽子)

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。