北のスプリンターが集う1000m戦
2011年に創設されたスーパースプリントシリーズの北海道地区トライアルとして創設。当初は特別戦だったが、15年に重賞に格上げされ、現在ホッカイドウ競馬の古馬重賞では唯一、1000mの舞台で争われる。北海道スプリントカップJpnIIIからの参戦も多く、22年は同レース10着だったアザワクが勝利し、3連覇を達成した。ここでは13~22年の過去10回のデータから傾向を探っていく。
過去10年の勝ち馬はすべて5番人気以内で、上位人気3頭での決着も2013、18、22年と3度あり、3連単の万馬券は14年の33,210円が最高で、ほか16、20年の3回のみと高配当は期待しにくいレース。特に1番人気は過去10年で6勝を挙げ、3着内率は100%。例年北海道スプリントカップJpnIIIの上位馬や、転入後底を見せていない馬が人気を集めるが、逆らわないのが吉といえそうだ。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 6 | 2 | 2 | 0 | 60.0% | 80.0% | 100.0% |
2番人気 | 2 | 3 | 0 | 5 | 20.0% | 50.0% | 50.0% |
3番人気 | 1 | 2 | 3 | 4 | 10.0% | 30.0% | 60.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 1 | 8 | 0.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 2 | 3 | 47 | 0.0% | 3.8% | 9.6% |
※:15年は2着同着
■リピーターが活躍 年齢別成績を見ると、勝ち馬は3~9歳と幅広く、3着内率も出走2頭とサンプルが少ない3歳馬を除いて大差はない。注目すべきはリピーターの活躍で、アザワクが3~5歳時(2020~22年)に3連覇、アウヤンテプイが4、5歳時(13、14年)に連覇し、6歳時(15年)にも2着(同着)、そしてメイショウアイアンが8歳~11歳時(18~21年)に1勝、2着3回と4年連続連対。前述した通り、ホッカイドウ競馬で唯一の1000mの古馬重賞と特殊な条件であることもその要因といえそうだ。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 1 | 0 | 0 | 1 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
4歳 | 2 | 1 | 0 | 8 | 18.2% | 27.3% | 27.3% |
5歳 | 2 | 1 | 1 | 12 | 12.5% | 18.8% | 25.0% |
6歳 | 2 | 3 | 3 | 18 | 7.7% | 19.2% | 30.8% |
7歳 | 2 | 3 | 2 | 13 | 10.0% | 25.0% | 35.0% |
8歳以上 | 1 | 3 | 3 | 20 | 3.7% | 14.8% | 25.9% |
※:15年は2着同着
前走の着順別成績を見ると、勝率は2着馬がトップで、連対率、3着内率はともに1着馬がトップと連対馬の成績が良いが、前走4着以下の馬が過去6勝、2着6回、3着7回と巻き返しが多い点にも注目。北海道スプリントカップJpnIIIでJRA勢相手に大敗した馬でも、地元馬同士で好走するケースが多いだけに前走着順だけでの割引は禁物だ。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1着 | 1 | 4 | 1 | 5 | 50.0% | 50.0% | 50.0% |
2着 | 3 | 1 | 0 | 6 | 30.0% | 40.0% | 40.0% |
3着 | 0 | 0 | 1 | 4 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
4着 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
5着 | 1 | 1 | 1 | 6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
6着以下 | 3 | 4 | 4 | 46 | 5.3% | 12.3% | 19.3% |
※:15年は2着同着
北海道スプリントカップJpnIIIとは関連が強く、2019年は同レース9着だったタイセイエクレールが8番人気で3着、20年には同レース13着だったオールドベイリーが7番人気で3着と好走。また地元最先着だった馬は【5-1-3-0】(3着内率100%)と抜群の成績。地元最先着馬が不在だった22年には北海道スプリントカップJpnIIIから唯一の出走となったアザワクが勝利を挙げている。
注目は1番人気馬と北海道スプリントカップJpnIIIの地元最先着馬。ともに条件を満たした馬は過去に5頭いたが、そのうち3頭が勝利を挙げており、今年も該当馬がいれば頭で買いたい。またリピーターや、前走大敗馬の巻き返しにも注意したい。
(文・吉田総一郎)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。