1000mのスピード王決定戦!
門別、水沢、川崎、金沢、園田、佐賀で1000m以下のトライアルレースが行われ、習志野きらっとスプリントはその“ファイナル”に位置づけられる。トライアルの勝ち馬・好走馬だけでなく、2020年ノブワイルド(さきたま杯JpnII・3着)、22年ギシギシ(東京スプリントJpnIII・3着)のように、同年のダートグレード上位実績からこのレースを制した馬もいて、究極のスピードバトルが展開される。ここでは13~22年の過去10回の結果からみていくことにしたい。
3着以内に入るのは南関東の所属馬が大半。遠征馬での好走例は、2013年に優勝したラブミーチャン(笠松)、17年2着のタイセイバンデット(北海道)、2018年3着のサクラレグナム(高知)だけとなっている。ただ、トライアル・川崎スパーキングスプリントが実施されている川崎の所属馬が、3着以内に入っていない点は特徴的だ。【表1】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
船橋 | 4 | 5 | 5 | 27 | 9.8% | 22.0% | 34.1% |
大井 | 3 | 3 | 0 | 15 | 14.3% | 28.6% | 28.6% |
浦和 | 2 | 1 | 4 | 11 | 11.1% | 16.7% | 38.9% |
川崎 | 0 | 0 | 0 | 12 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
笠松 | 1 | 0 | 0 | 6 | 14.3% | 14.3% | 14.3% |
北海道 | 0 | 1 | 0 | 5 | 0.0% | 16.7% | 16.7% |
高知 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0.0% | 0.0% | 14.3% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 18 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10回の優勝馬はすべて、単勝3番人気以内の支持を得ていた。2着馬も10頭のうち9頭が4番人気以内(例外は2014年のショコラヴェリーヌ=6番人気)。しかし3着は10頭のうち6頭が5番人気以下。20年と21年に7番人気、11番人気という評価で3着に入ったフランシスコダイゴ(浦和)のように、船橋の1000mが向くタイプには注意しておく必要がありそうだ。【表2】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 5 | 2 | 1 | 2 | 50.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 2 | 1 | 2 | 5 | 20.0% | 30.0% | 50.0% |
3番人気 | 3 | 2 | 0 | 5 | 30.0% | 50.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 4 | 1 | 5 | 0.0% | 40.0% | 50.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 4 | 75 | 0.0% | 1.3% | 6.3% |
2013年が10頭立てで、22年が9頭立てだったが、それ以外の年は14頭がエントリー(21年は出走取消があって13頭立て)。その結果を枠番別に分類してみると、6枠と7枠が3着内率でそれぞれ44.4%、36.8%と、好成績を挙げている。ちなみに9頭立てだった22年は8枠(9番)→7枠(7番)→5枠(5番)の順で、10頭立てだった13年は6枠(6番)→7枠(7番)→5枠(5番)の順だった。【表3】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1枠 | 0 | 0 | 0 | 10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
2枠 | 0 | 2 | 0 | 8 | 0.0% | 20.0% | 20.0% |
3枠 | 2 | 0 | 1 | 15 | 11.1% | 11.1% | 16.7% |
4枠 | 2 | 0 | 2 | 14 | 11.1% | 11.1% | 22.2% |
5枠 | 0 | 0 | 3 | 14 | 0.0% | 0.0% | 17.6% |
6枠 | 3 | 3 | 2 | 10 | 16.7% | 33.3% | 44.4% |
7枠 | 2 | 4 | 1 | 12 | 10.5% | 31.6% | 36.8% |
8枠 | 1 | 1 | 1 | 17 | 5.0% | 10.0% | 15.0% |
スーパースプリントシリーズ(SSS)のファイナルではあるが、近年は前走がSSSのトライアル以外だった馬のほうが好成績。その傾向は賞金額が大きく上がった2018年以降が顕著で、前走トライアル1着馬の3着以内は17年が最後となっている。一方、前走が優駿スプリント、閃光スプリントだった馬の3着内率は80.0%。前走が上記以外のレースで1着だった馬は、2勝、2着1回で連対率42.9%。さらに上記以外のレースで2着以下だった馬が、19年を除いて3着以内に1頭以上入っていることも書き添えておく。【表4】
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
各トライアル1着 | 2 | 1 | 2 | 20 | 8.0% | 12.0% | 20.0% |
各トライアル2着 | 0 | 1 | 1 | 6 | 0.0% | 12.5% | 25.0% |
各トライアル3着 | 1 | 1 | 0 | 9 | 9.1% | 18.2% | 18.2% |
各トライアル4着以下 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
優駿スプリント 閃光スプリント |
2 | 1 | 1 | 1 | 40.0% | 60.0% | 80.0% |
上記以外1着 | 2 | 1 | 0 | 4 | 28.6% | 42.9% | 42.9% |
上記以外2着以下 | 3 | 5 | 7 | 44 | 5.1% | 13.6% | 25.4% |
※トライアルには、名古屋でら馬スプリント(17年まで)を含む
まず、単勝3番人気以内の支持を得ていること。そして真ん中よりも外の枠を得ていると、注目度がより高くなる。さらに、賞金額が大きく上がって南関東S1格付になった2020年以降に絞ると、勝ち馬は“4走前までにダートグレード、またはJRAのオープンで3着以内”という実績を持っていた。
(文・浅野靖典)
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。