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グランダム・ジャパン特集
レーススケジュール
レース名 実施日 競馬場 距離 地区
園田プリンセスカップ 9/22(水) 園田 1,400m 北陸・東海
近畿・中国・四国
エーデルワイス賞JpnIII 10/21(木) 門別 1,200m 北海道
ローレル賞 10/27(水) 川崎 1,600m 南関東
プリンセス特別 11/25(木) 笠松 1,600m 北陸・東海
近畿・中国・四国
東京2歳優駿牝馬 12/31(金) 大井 1,600m 南関東
 2010年、地方競馬では牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を図るため、新たに世代別牝馬重賞シリーズ 「GRANDAME−JAPAN(グランダム・ジャパン)」を実施します。

 全国各地で行われる牝馬重賞を世代別に体系づけ、競走成績によりポイントを付与。2歳、3歳、古馬の世代別ポイント獲得上位馬に対し、協賛各団体から(社)日本軽種馬協会を通じボーナス賞金が授与されます。地方競馬の優れた牝馬の活躍の舞台を広げるとともに、交流を促進して魅力ある牝馬競走の実施を目指します。
3歳シリーズ古馬シーズン

プリンセス特別
競走成績Movie

早め先頭から余裕の手応えで圧勝
笠松から再びヒロイン登場

 笠松競馬所属のラブミーチャンが、兵庫ジュニアグランプリJpnIIを制して全国区へと名乗りを挙げたのが、ちょうど昨年の今ごろ。
 昨年は『グランダム・ジャパン』が創設される前だったから、逆にNAR年度代表馬になるようなローテーションに結びついたといえるのかもしれない。つくづく、競走馬が活躍するためには、絶対能力以外の「運」や「巡りあわせ」が重要なのだなあと思わずにはいられない。
 今年のプリンセス特別を制したミラノボヴィッチにも、その要素が備わっている可能性がある。キャリア12戦はメンバーのなかで2番目に多いが、ホッカイドウ競馬で2勝を挙げた実績と前走の完勝ぶりに対するファンの評価は、重賞ウイナーをさしおいて単勝1.5倍の断然人気。確かにひときわ目立つ体つきでパドックを歩く姿は、その数字が正しいであろうことをうかがわせるだけの説得力をもっていた。
 その通り、「前ガキをしているときにゲートが開いた」(濱口楠彦騎手)ために最初のコーナーまでは気合をつける競馬でも、2番手を確保したあとは余裕のフットワークで3コーナーでは早くも先頭に。後方には差し脚がある兵庫のマンボビーンとリジョウクラウンが控えていたが、それも脅威とは思えないほどの手応えで悠々とゴールインしてみせた。
 「前が残る馬場の分の負けだと思います」と、3着に敗れたリジョウクラウン鞍上の竹村達也騎手が振り返ったように、ミラノボヴィッチにとって最高の展開でレースができたことは確かだろう。それでも2着に3馬身の差をつけるゴールシーンは圧倒的なものだった。ラブミーチャンと同じ柳江仁厩舎と浜口楠彦騎手のコンビで、栗毛も一緒。さらにこの日の体重480キロは、ラブミーチャンが兵庫ジュニアグランプリJpnIIを勝ったときと同じ数字だ。
濱口楠彦騎手
少し出負けしたので仕掛けていきましたが、尾島騎手(マルヨルビー)が逃げてくれたので、楽に流れに乗れました。ペースは遅かったですが掛かるタイプではないですし、いつ流れが速くなっても大丈夫なようにと構えて乗れる余裕がありました。いい体つきをしていますし、だんだんと力もつけていますから、今後を楽しみにしています。
柳江仁調教師
今日の展開はこの馬にとって最高でしたね。内容的にも納得がいくものだったと思います。でも、まだ物見をするようなところがあるので、ブリンカーを外すかどうかも考え中なんですよ。それだけに、まだまだ成長が期待できますね。ノボジャック産駒ですが胴が長めですし、距離もある程度はもつと思います。次は大井(東京2歳優駿牝馬)に行くか、地元のライデンリーダー記念にするかはこれから検討しますが、個人的には大井という気持ちです(笑)。

 「いやあ、ミーチャンと比べるとまだまだですよ」と、濱口騎手は評したが、今年はグランダム・ジャパンという目標がある。柳江調教師は東京2歳優駿牝馬への参戦こそ明言は避けたが、チャンスを掴みに行く可能性は考えられる。もちろん、2、3着に入った兵庫の2頭も最終戦が視野に入っているはずだ。そういった意味でも、次への楽しみにつながっていく一戦になったといえるだろう。

取材・文:浅野靖典
写真:宮原政典(いちかんぽ)