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佐賀記念(第69回)

佐賀記念JpnⅢ

 ランフォルセは、控えて先行集団のうしろから、有力馬を前に見てレースができる絶好の位置を追走しました。3~4コーナー中間から仕掛けて、外から位置取りを上げ、その勢いのまま直線で伸びてきました。戸崎騎手はペースを読んで、流れに乗って、うまい騎乗でした。
 ソリタリーキングは、1番枠もあって好位の内を追走しました。佐賀コースは内側の砂が深くなっていますが、今回は外に持ち出すタイミングがなかったのかもしれません。仕掛けたのはランフォルセと同じようなタイミングで、直線では内から抜けだそうかという感じもありましたが、最後のひと伸びが足りませんでした。今回は内枠が裏目に出てしまったようです。直線、今ひとつ伸びを欠いたのは、砂が深い内を通らざるをえなかったということもあったかもしれません。
 オオエライジンも先行集団の5番手あたり、フリートストリートのすぐうしろで、位置取り的にはよかったと思います。向正面でランフォルセと一緒に仕掛けて進出しましたが、3~4コーナーで先頭のエーシンモアオバーに並びかけたのは、ちょっと早かったかもしれません。ただ4コーナーあたりではまだ手ごたえは楽でしたが、追ってからが案外でした。以前からそうですが、頭を横に向けてしまうのが気になります。クセなんでしょうか。川崎(報知オールスターカップ)で張田(京)騎手が乗ったときは、あまりそういうところがなかったので、手綱の長さか何かなのか。下原騎手もうまく乗ってはいるんですが、追い出してからが難しい馬なのかもしれません。一昨年は東京盃に出走するなど短距離路線への出走が目立ちましたが、距離はマイル以上の長いところのほうがいいと思います。

佐々木竹見(ささきたけみ)
元川崎競馬所属騎手。地方競馬通算7,151勝という世界歴代6位(当時)の勝ち鞍を挙げ、2001年7月8日に騎手を引退。
引退後も2012年3月までNAR地方競馬全国協会参与として後進の指導にあたる等、地方競馬の発展に大きな役割を果たし続けている。