データ分析 Data Analysis

地方馬も活躍を見せる牝馬マイル戦

年明けからTCK女王盃、エンプレス杯、マリーンCと続く牝馬のダートグレード路線。2019年はラーゴブルー(川崎)、20年はサルサディオーネ(大井)が優勝し、地方所属馬の活躍も目立つ一戦となっている。ここでは過去10年のデータから傾向を分析していく。

JRA8勝と強さを見せるも、南関東勢も注目

過去10年でJRA馬は8勝。東日本で行われる重賞ながら、JRA栗東所属馬が6勝と強さを見せるのは他レース同様ここでも変わらない。地方所属馬の優勝は19年ラーゴブルーと20年サルサディオーネの2頭だが、馬券圏内の3着以内に入ったのは9回。16年は2着ブルーチッパー(大井)、3着ダブルファンタジー(兵庫)、翌年も2着ララベル(大井)、3着リンダリンダ(大井)と、複数頭が3着以内に入るケースも見られる。[表1]

[表1]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 8 7 6 16 21.6% 40.5% 56.8%
大井 1 2 2 7 8.3% 25.0% 41.7%
川崎 1 0 0 7 12.5% 12.5% 12.5%
船橋 0 1 1 14 0.0% 6.3% 12.5%
浦和 0 0 0 7 0.0% 0.0% 0.0%
その他地方 0 0 1 30 0.0% 0.0% 3.2%

人気馬は信頼できる

優勝馬はいずれも5番人気以内で、そのうち半数の5頭は1番人気での勝利。最も人気薄だった5番人気での勝利は20年サルサディオーネだが、この年は1番人気パッシングスルーで単勝3.5倍、さらに10倍以下は5頭とやや混戦ムードだった。2、3着馬でも6番人気以下は各1回のみ(16年3着ダブルファンタジー・6番人気、17年2着ララベル・6番人気)。人気馬は素直に信頼してよさそうだ。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10年)

人気 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 2 1 2 50.0% 70.0% 80.0%
2番人気 3 3 2 2 30.0% 60.0% 80.0%
3番人気 1 3 2 4 10.0% 40.0% 60.0%
4番人気 0 1 3 6 0.0% 10.0% 40.0%
5番人気 1 0 1 8 10.0% 10.0% 20.0%
6番人気以下 0 1 1 59 0.0% 1.6% 3.3%

中心は5歳馬

勝ち馬の7割が5歳馬。JRA所属のクラブ馬の場合、牝馬は6歳春で引退という規約も多く、7歳以上で強豪牝馬が少ないという側面もあるだろうが、充実期を迎えた5歳馬が中心的存在になっている。4歳で唯一勝利を挙げたのは18年アンジュデジールで、同馬は3歳だった前年に古馬に混じってスパーキングレディーカップJpnIIIを制覇。4歳のこの年は秋にJBCレディスクラシックJpnIも制覇したことから、早い時期から活躍を見せたと言えるだろう。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10年)

年齢 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1 3 4 25 3.0% 12.1% 24.2%
5歳 7 5 2 22 19.4% 33.3% 38.9%
6歳 2 1 2 17 9.1% 13.6% 22.7%
7歳 0 1 1 7 0.0% 11.1% 22.2%
8歳 0 0 1 6 0.0% 0.0% 14.3%
9歳 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

逃げ馬でも上がりの脚が必要

船橋競馬場は直線が308m(ゴールまでの距離)。逃げ・先行決着となりやすいダートグレード競走だが、差し・追い込みでも3頭が優勝しているように、差しも決まるコース。それゆえ、逃げ・先行馬でもしまいに脚が上がってしまうと厳しくなってしまう。実際、[表5]のように勝ち馬8頭は上がり3ハロンを39.0秒未満でまとめている。[表4]

[表4]脚質別成績(過去10年)

脚質 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
逃げ 3 3 2 7 20.0% 40.0% 53.3%
先行 4 6 4 12 15.4% 38.5% 53.8%
差し 2 1 4 37 4.5% 6.8% 15.9%
追込 1 0 0 25 3.8% 3.8% 3.8%

[表5]上がり3ハロンタイム別成績(過去10年)

上がり3ハロン 1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
36秒台 2 0 0 0 100.0% 100.0% 100.0%
37.0~37.4秒 4 1 0 0 80.0% 100.0% 100.0%
37.5~37.9秒 1 2 2 2 14.3% 42.9% 71.4%
38.0~38.4秒 0 4 1 4 0.0% 44.4% 55.6%
38.5~38.9秒 1 1 3 4 11.1% 22.2% 55.6%
39.0~39.4秒 1 0 2 17 5.0% 5.0% 15.0%
39.5~39.9秒 1 0 0 10 9.1% 9.1% 9.1%
40秒以上 0 2 2 44 0.0% 4.2% 8.3%

勝つのはこういう馬!

注目はJRA所属の5歳馬。脚質はあまり問わないが、逃げ・先行馬の場合は最後までしっかり脚を使えるタイプがいいだろう。また、南関東所属馬の場合は、実績が高く人気になるような馬であれば信頼できるだろう。

(大恵 陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2006年は2着同着、11年は施行なし。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。