データ分析 Data Analysis

距離経験がポイントの3歳重賞

ゴールデンウィーク恒例のレースともなっている3歳馬のダート1870m戦。22回の歴史の中で地方馬による勝利は2000年の第1回ミツアキサイレンス(笠松)と第2回ロードバクシン(兵庫)のみにとどまっている。JRA所属馬が圧倒的優勢ではあるが、その中でも小回り1870mへの対応力が求められる兵庫チャンピオンシップの傾向を過去10年のデータから探る。

勝ち馬はみなJRA所属馬

過去10年の勝ち馬はすべてJRA所属馬。特に、関西圏の競馬場とあって栗東所属馬は8勝と強さを見せる。地方馬は苦戦傾向で、過去10年で3着以内に入ったのは、のちの兵庫ダービー馬バンローズキングスの2019年3着のみとなっている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10年)

所属 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 8 9 5 13 22.9% 48.6% 62.9%
JRA美浦 2 1 4 7 14.3% 21.4% 50.0%
兵庫 0 0 1 47 0.0% 0.0% 2.0%
その他地方 0 0 0 21 0.0% 0.0% 0.0%

前走ダート1600m以上組が有力

先のデータから、注目すべきはJRA所属馬。そこで、過去49頭の出走馬の前走を見てみると、3歳1勝クラス(500万下)のダート1600m以上の距離を走った馬が5勝と、半数を占める。前走1勝クラス組は、そこを勝ってオープン入りして兵庫チャンピオンシップに選定されるケースが多く、状態の良さも追い風となっているだろう。また、中山ダート1800mの伏竜ステークス組も3勝と好成績。特に、伏竜S勝ち馬に限れば(2,2,0,1)で、2013年コパノリッキー、2015年クロスクリーガーは伏竜S、兵庫CSと連勝を遂げた。[表2]

[表2]JRA所属馬の前走別成績(過去10年)

前走 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 3着内率
伏竜S 3 5 4 6 16.7% 44.4% 66.7%
昇竜S 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
ヒヤシンスS 1 2 0 0 33.3% 100.0% 100.0%
3歳1勝クラス(ダート1600m以上) 5 2 3 5 33.3% 46.7% 66.7%
3歳1勝クラス(ダート1600m未満) 0 0 1 0 0.0% 0.0% 100.0%
3歳1勝クラス(芝) 1 0 0 0 100.0% 100.0% 100.0%
芝重賞 0 1 1 8 0.0% 10.0% 20.0%

人気馬の信頼は厚い

勝ち馬はすべて3番人気以内で、1番人気は6勝。人気馬は素直に信頼していいだろう。2着も過去10頭中9頭が3番人気以内で、荒れる要素があるとすれば3着。2019年に7番人気バンローズキングス(兵庫)が3着に入り、3連単2万6980円の配当となった。また、JRA所属馬でも2015年に6番人気のポムフィリアが3着に入っている。[表3]

[表3]単勝人気別成績(過去10年)

人気 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 3着内率
1人気 6 2 1 1 60.0% 80.0% 90.0%
2人気 3 5 2 0 30.0% 80.0% 100.0%
3人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
4人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
5人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
7人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
8人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
9人気 0 0 0 11 0.0% 0.0% 0.0%
10人気 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%
11人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
12人気 0 0 0 8 0.0% 0.0% 0.0%

※2016年は9番人気が2頭

圧倒的に逃げ・先行有利

過去10年の勝ち馬はみな逃げ・先行馬から出ている。例年、JRA所属馬が先行集団を、地方馬が中団以降を形成し縦長の展開になりやすいものの、過去には中団からレースを運んだJRA所属馬もいた。しかし、1周1051m、ゴールまでの直線は213mと小回りコースのため、ある程度前の位置で運ばないと勝つのは難しいだろう。[表4]

[表4]脚質別成績(過去10年)

脚質 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 3着内率
逃げ 5 5 1 7 27.8% 55.6% 61.1%
先行 5 3 6 16 16.7% 26.7% 46.7%
差し 0 2 3 35 0.0% 5.0% 12.5%
追込 0 0 0 30 0.0% 0.0% 0.0%

勝つのはこういう馬!

JRA所属馬で、前走で1勝クラス(ダート1600m以上)を勝つか、伏竜Sを走った馬。少し間隔は開くが、前走ヒヤシンスS組も連対率100%と好成績だ。逃げ・先行タイプであれば尚よし。

(大恵 陽子)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。