全日本2歳優駿の勝ち馬で、無敗の3連勝中。先行して抜け出すという王道競馬で強さを見せてきた。3戦中2戦が上がり3ハロン最速で、特に全日本2歳優駿は2番手外から上がり最速の脚を使われては、後続の馬は太刀打ちできない。デビュー戦の1200mから1400m、1600mと距離を延ばしながら使われ、今回が初めての1870mとなる。また、デビューから3戦すべてが左回りを使われており、右回りコースは初めてと、初見が重なるが、JpnI勝ち馬の貫禄に期待したいところ。全日本2歳優駿の勝ち馬の参戦は2009年スーニ以来13年ぶりとなる。

2014年関東オークス優勝のエスメラルディーナを半姉にもち、初年度産駒からGI馬が誕生したドレフォンを父にもつ。新潟ダート1800mでのデビュー戦で大差勝ちを決めると、返す刀でカトレアSを連勝した。今年2月には海を渡ってサウジダービーに出走。2～3番手から運び、直線で前を捉えようとするも、勝ち馬との差を縮められず3着に敗れたが、力を示したのは確か。550kg前後の雄大な馬体を誇るが、序盤からスピードに乗って先行できる脚は小回りコースでも生きるだろう。今回は帰国初戦、そして初の右回りコースとなる。

芝でデビューし、3戦目でダートに転向すると一気に開花。阪神ダート1800mで2着に5馬身差をつけて完勝した。次戦では無理せず後方に控えたのだが、4コーナーで外からあっという間に先行集団に取り付く脚は秀逸で、連勝。伏竜Sも後方に控える競馬から向正面で一気に3番手までポジションを上げると、直線で一旦は先頭に立った。ゴール直前で内から差し返されてクビ差2着に敗れたが、能力の高さを改めて見せた1戦でもあった。スタートダッシュがあまり速い方ではないが、近2走は自ら動いて勝ちにいくレースをしており、小回りコースでどんなレースを見せるのか楽しみな1頭だ。

初年度から種付け頭数が毎年100頭超えのホッコータルマエ産駒の2世代目となる。新馬戦は中京ダート1800mで、直線で後続を離して7馬身差で勝利を挙げた。2戦目は格上挑戦でヒヤシンスSに出走し9着に敗れたが、自己条件に戻った3戦目(3歳1勝クラス、阪神ダート1800m)は直線に入って追い出されると、グングン伸びて快勝。これまで挙げた2勝はいずれもコーナー4回のコースで、今回の舞台であるコーナー6回の小回りコースへの適応も期待できる。安定した先行力と、追い出されてからの伸びが非常に魅力的な馬だ。

JBC2歳優駿の勝ち馬。中京ダート1800mで新馬勝ちを収めて挑んだJBC2歳優駿ではハイペースで流れる中、後方待機から直線で外から鮮やかに伸びてタイトルを手にした。ただ、続く全日本2歳優駿では終始後方のまま9着に終わっており、ジョッキーは小回りコースで脚が溜まらなかったことを敗因の一つに挙げた。コーナーがタイトな川崎競馬場から、今回はコンパクトな園田競馬場という舞台。そこがポイントにはなるが、タイトルホースの地力に期待したい。

門別でデビュー勝ちを収め、昨年10月に園田・姫路競馬に移籍すると初戦を勝利。兵庫ジュニアグランプリではJRA馬を相手に逃げ粘って4着に食い込んだ。続く全日本2歳優駿では左回りに苦戦して10着ながら、高い先行力を見せた。ここまで地方馬相手に重賞2勝。前走・菊水賞こそスタートでやや滑り3着に敗れたが、地元3歳世代ではトップクラスの力を持っている。「次はダートグレード競走向けの仕上げをします」という新子雅司調教師の言葉も力強い。なお、優勝すればロードバクシン以来21年ぶりの地方勢制覇となる。

地元生え抜きの期待の1頭。新馬勝ちを収め、デビュー5戦目となった今年3月の特別戦は仕上がり途上ながら2勝目を挙げると、続く菊水賞を制覇。「ズブい面があるので、内を回るのが合うと思いました」（下原理騎手）と、内枠を生かして道中はインで脚を溜め、直線で外から一気に差し切る鮮やかなレースぶりだった。騎手・調教師ともに「長い距離が合う」と話しており、前走より距離延長はプラス。まだまだ成長途上で、前走からの上積みに期待が寄せられる。