データ分析 Data Analysis

牝馬路線を担う女王候補が集結

ダート競走の体系整備により、2024年からはレース名を変更し園田競馬場に舞台を移すため、大井競馬場で行われるのは今回が最後。過去10年の勝ち馬からは、ブリーダーズカップディスタフで日本調教馬初の海外ダートG1制覇を成し遂げたマルシュロレーヌをはじめ、13年メーデイアは同年のJBCレディスクラシックでJpnI初勝利。20年マドラスチェックはJBCレディスクラシックで2年連続2着の活躍を見せるなど、女王への登竜門と言っても過言ではない。ここでは過去10年の結果から傾向を探る。

軸はJRAが鉄則

10勝を含む18連対とJRAの活躍が顕著で、2013~16年、20~22年の7回は上位3着まで独占。JRAを中心に考えるのが鉄則となっている。それに対して地方勢で馬券圏内に加わった3頭はすべて大井所属。2着に食い込んで19年に大波乱を演出したマルカンセンサーこそ目立った実績はなかったが、17年2着のリンダリンダは南関東SI重賞勝ち馬、18年3着ラインハートはJpnIで3着に好走した実力馬だった。高いパフォーマンスを発揮している地元馬には、一定の注意が必要だ。[表1]

[表1]所属別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 10 8 9 23 20.0% 36.0% 54.0%
大井 0 2 1 28 0.0% 6.5% 9.7%
その他南関東 0 0 0 17 0.0% 0.0% 0.0%
その他地方 0 0 0 18 0.0% 0.0% 0.0%

JRAは人気を問わず好走

JRAの活躍が多いものの、1~3番人気の3頭での決着はない。JRAが上位を独占した年でも2013年は2→8→1番人気、20年は5→2→3番人気の入線で、ともに3連単は万馬券が飛び出した。JRA所属馬のなかで最低人気馬が1勝、2着2回と、低評価に留まっている馬も侮れない存在で、押さえておいてもいいかもしれない。また、地方馬が馬券に絡んだ3年はいずれも3連単が3万円以上で、19年の配当は100万円に迫る好配当となった。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 0 3 2 50.0% 50.0% 80.0%
2番人気 3 2 1 4 30.0% 50.0% 60.0%
3番人気 0 1 3 6 0.0% 10.0% 40.0%
4番人気 0 3 1 6 0.0% 30.0% 40.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 1 3 1 61 1.5% 6.1% 7.6%

好走率は56、57kgが優勢

負担重量では、勝利数最多は4勝の55kg。特に過去4年は3勝を含む5連対と、活躍が目立っているが、延べ44頭が出走と該当頭数が多いことも確か。55kgを上回る勝率、連対率、3着内率を残しているのが56、57kgで、勝ち馬4頭は、いずれも前年のJBCレディスクラシックの勝ち馬だったことは要チェック。ただし、どんなに実績があっても58kgを背負わされた馬は3着止まりという点は覚えておきたい。[表3]

[表3]斤量別成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
54kg 2 2 2 43 4.1% 8.2% 12.2%
55kg 4 5 4 31 9.1% 20.5% 29.5%
56kg 2 3 2 10 11.8% 29.4% 41.2%
57kg 2 0 0 2 50.0% 50.0% 50.0%
58kg 0 0 2 0 0.0% 0.0% 100.0%

前年のJBCレディスクラシック馬は信頼できる

前項で少し触れたが、表にしてみると改めて前年のJBCレディスクラシック馬との関連が強いことが分かる。勝ち馬のうち2017年に3着に敗れたホワイトフーガは58kg、18年に4着だったララベルは好走が少ない地方馬と不安材料があったが、他の4頭はすべてTCK女王盃を勝っている。それに対して同2、3着馬はひと息で、JBCレディスクラシックの成績を参考にするなら勝ち馬を最優先に考えるべきだろう。また、前年のJBCレディスクラシック馬が不出走だった4回のうち3回の勝ち馬はここが重賞初制覇。女王の動向が結果を大きく左右する。[表4]

[表4]前年JBCレディスクラシック1~3着馬の成績(過去10年)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
レディスC1着馬 4 0 1 1 66.7% 66.7% 83.3%
レディスC2着馬 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%
レディスC3着馬 1 0 1 3 20.0% 20.0% 40.0%

勝つのはこういう馬!

JRA所属馬を中心に考えるのが賢明で、なかでも56、57kgで出走してきた前年のJBCレディスクラシック馬は、ここでも格の違いを見せつける可能性が極めて高い。また、JBCレディスクラシック馬が不在の場合は、重賞V歴がない新興勢力に注目。近年は斤量55kgのJRA馬が活躍している点も傾向として表れている。

(前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。