データ分析 Data Analysis

様々な路線から実力ある短距離馬が集結

古馬短距離路線において、上半期に目標となるレースがないことを踏まえて、2024年から上半期の頂点競走としてJpnIに昇格する。過去の勝ち馬を振り返ってみるとスマートファルコンやテスタマッタ、ホワイトフーガにアルクトスとGI/JpnI馬が名を連ねているように元々ハイレベルなレースが繰り広げられてきた。ここでは13~22年の過去10回の結果から傾向を探っていく。

JRA勢とDGで好走歴ある地方馬の組み合わせ

JRAが8勝、2着6回と優勢ではあるが、JRAの上位独占は2017年と21年のみで、16年はソルテ、22年にはサルサディオーネと大井勢が2勝を挙げている。ちなみに16年から22年までの7年間で地方馬の馬券圏は8回。18年2着、19年3着のキタサンミカヅキを含む7頭の実績を調べてみると、ダートグレード競走を勝っていた馬が4頭、その他の3頭はJpnIで馬券圏に入ったことがあった。JRA勢と、ダートグレード競走で好走歴がある地方馬の組み合わせが面白い。【表1】

【表1】所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 8 6 5 21 20.0% 35.0% 47.5%
大井 2 0 0 10 16.7% 16.7% 16.7%
川崎 0 1 0 4 0.0% 20.0% 20.0%
船橋 0 1 2 9 0.0% 8.3% 25.0%
浦和 0 2 3 19 0.0% 8.3% 20.8%
地方他地区 0 0 0 24 0.0% 0.0% 0.0%

1、2番人気を中心に考えるのが鉄則

連対率70.0%の1番人気と、3着内率90.0%の2番人気が馬券の中心。1、2番人気馬とも馬券圏を外した年はなく、両者とも馬券圏に入ったのは7回を数える。馬連複の平均配当は1100円。馬連単は3桁配当が3回、1000~2000円が4回と基本的には堅いと思って予想を組み立てるのが鉄則。穴を狙うことはあまりオススメできないが、6番人気以下で馬券に絡んだ5頭のうち4頭が地方馬だったことを考えると、人気を落としている地方馬を一考する余地がある。【表2】

【表2】単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 3 1 2 40.0% 70.0% 80.0%
2番人気 2 3 4 1 20.0% 50.0% 90.0%
3番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
4番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 1 1 3 62 1.5% 3.0% 7.5%

1~5枠が有利

小回りの浦和1400mが舞台だけに枠順も結果を左右する大きな要素。7、8枠からも勝ち馬は出ているが、勝率・連対率・3着内率を見てみると、1~5枠が有利と判断できる。7、8枠で連対した5頭のうち2頭は1番人気に推されており、2020年2着のブルドッグボスは当日2番人気だったが、前年のJBCスプリントJpnIを勝ったほどの実力馬。残りの2頭は前が有利な浦和コースを最大限に生かしての逃げ切りを決めていた。戦前の評価が高い馬や、逃げ馬であれば克服する可能性はあるが、割引いてみてもいいのかもしれない。【表3】

【表3】枠番別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1枠 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
2枠 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
3枠 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
4枠 1 0 2 7 10.0% 10.0% 30.0%
5枠 2 3 0 13 11.1% 27.8% 27.8%
6枠 0 1 3 16 0.0% 5.0% 20.0%
7枠 1 2 1 15 5.3% 15.8% 21.1%
8枠 2 0 0 18 10.0% 10.0% 10.0%

前走はかしわ記念と、かきつばた記念に注目

勝ち馬は【表4】以外の前走からは出ていない。なかでも2勝を含む3着内10回のかしわ記念JpnIと、4勝を挙げるかきつばた記念JpnIII組には注目。かしわ記念JpnIで馬券圏に好走していた馬は【1-2-1-0】と信頼できる存在で、2013年Vのテスタマッタは、かしわ記念JpnIで4着だったが、3着馬とはアタマ差。馬券圏争いに加わる走りを見せていた。もう一つの重要なステップレース、かきつばた記念JpnIIIから参戦した4頭のうち3頭は前走で連対。4頭の共通点としては、さきたま杯の斤量が56kgだった。

【表4】3着内馬の主要な前走別成績(過去10回)

前走 1着 2着 3着
かしわ記念 2 3 5
かきつばた記念 4 0 0
マリーンカップ 2 1 0
東京スプリント 1 2 1
フェブラリーS 1 0 0

勝つのはこういう馬!

高確率で上位争いに加わる1、2番人気を中心に据えるのがベター。かしわ記念JpnIで3着以内に好走した馬や、かきつばた記念JpnIIIから参戦してきた斤量56kgの馬もV候補。地方馬も侮れない存在で、ダートグレード競走で好走歴があれば馬券圏内と考えていい。買い目に悩んだ場合は枠順で甲乙をつけるのも選択肢のひとつ。

(文・前田 恒)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。