データ分析 Data Analysis

2度の坂越えがあるタフな一戦

当レースの舞台である盛岡競馬場の2000mは、4コーナーの奥からスタートしてホームストレッチにある坂を越え、1周1600mの馬場を走って再び坂を上ってゴールへと至る。2021年にダートコースの砂が全面的に入れ替えられた影響か、その年の勝ち時計は前年より2秒7も遅かったが、稍重のコンディションで行われた22年は、前年より3秒2も速いタイムでの決着となった。今年も馬場状態を含めての予想が必要だろうが、まずは13~22年の過去10回の結果から傾向をチェックしておきたい。

■JRAの関西馬が優勢

過去10回のうち9回でJRA所属馬が勝利を挙げているが、そのうち8頭は関西所属。関東馬での唯一の勝利は2016年ストロングサウザー。過去26回では6頭が勝利を挙げているが、最近10年でみると関西馬が圧倒している。過去10年、地方所属で勝利を挙げたのは、大井のユーロビート(15年)だけ。1998年の第2回(水沢競馬場で実施)は地元のメイセイオペラが勝利を挙げたが、全体的にみると厳しい結果となっている。 [表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 8 6 5 15 23.5% 41.2% 55.9%
JRA関東 1 3 3 9 6.3% 25.0% 43.8%
大井 1 0 0 4 20.0% 20.0% 20.0%
船橋 0 1 0 8 0.0% 11.1% 11.1%
岩手 0 0 2 44 0.0% 0.0% 4.3%
上記以外 0 0 0 26 0.0% 0.0% 0.0%

■上位人気馬が優勢だが

単勝6番人気以下で勝利を挙げたのは、前出のユーロビート(6番人気)だけ。そのほかの勝ち馬9頭は4番人気以内となっている。ただ、3番人気が勝利ゼロというのは気になるデータ。また、5番人気は3着が2回だけといまひとつの結果になっている。ちなみに6番人気以下で3着以内に入った6頭のうち4頭は地方馬。2022年はJRA関東のテリオスベルが7番人気で2着に入った。 [表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 1 2 4 30.0% 40.0% 60.0%
2番人気 3 2 1 4 30.0% 50.0% 60.0%
3番人気 0 3 2 5 0.0% 30.0% 50.0%
4番人気 3 2 0 5 30.0% 50.0% 50.0%
5番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気以下 1 2 3 80 1.2% 3.5% 7.0%

■若い世代が優勢

年齢別に分類してみると、勝率・連対率・3着内率でもっともいい数字を残しているのが5歳。続いて4歳が好成績を挙げている。6歳も3頭が勝利を挙げたが、2着が1頭、3着が2頭で、数字としてはいまひとつ。7歳以上も健闘を見せているが、最近5年に限ると2021年3着のヒストリーメイカー(JRA・7歳)が唯一の好走例となっている。 [表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 3 3 1 15 13.6% 27.3% 31.8%
5歳 3 3 2 12 15.0% 30.0% 40.0%
6歳 3 1 2 21 11.1% 14.8% 22.2%
7歳 1 0 3 29 3.0% 3.0% 12.1%
8歳以上 0 3 2 28 0.0% 9.1% 15.2%

■前走が地方だった馬は苦戦傾向

前走がJRAの重賞だった馬が好成績。その前走での着順はほとんど関係ない。また、JRAのオープン特別から臨んだ馬も好成績。一方、前走が地方のダートグレードだった馬は苦戦ぎみで、唯一の勝利は2015年ユーロビートで前走が帝王賞JpnI・4着。そのほかの2頭は14年3着シビルウォー(帝王賞JpnI・5着)と16年3着マイネルバイカ(ダイオライト記念JpnII・5着)となっている。 [表4]

[表4]前走の出走レース別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA重賞で5着以内 2 1 2 3 25.0% 37.5% 62.5%
JRA重賞で6着以下 5 3 2 3 38.5% 61.5% 76.9%
JRAオープン特別 2 4 2 9 11.8% 35.3% 47.1%
JRA条件戦 0 1 0 2 0.0% 33.3% 33.3%
地方ダートグレード 1 0 2 15 5.6% 5.6% 16.7%
上記以外の地方レース 0 1 2 74 0.0% 1.3% 3.9%

■極端な枠の地方馬に注目

過去10回で3着以内に入った地方所属の4頭は、2015年1着ユーロビートが大外枠で、そのほかの3頭(16年2着タイムズアロー、20年3着ランガディア、22年3着ヴァケーション)は最内枠。今年も地方馬が最内枠か大外枠に入った場合には、注目してみる価値があるかもしれない。

勝つのはこういう馬!

基本的にはJRAの関西所属で、単勝4番人気以内。ベテランよりも6歳以下のほうを上に取るべきだろう。前走はJRAの重賞またはオープン特別。上位人気の組み合わせで決まる傾向があるだけに、勝ち馬はこの範囲から選びたい。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。