レースの見どころ
2002年からJBCへの優先出走権が与えられる指定競走の中では唯一のJpnI競走。船橋・日本テレビ盃とやや日程的に重なるところはあるが秋初戦をここからというJRAの有力馬が多い。盛岡1600mはバックストレートが長く、各々のポジショニングさえしっかりとれば、どんな馬であろうときっちり能力を発揮してくる、いわばポテンシャル比較のしやすい舞台だが瞬発力に秀でるJRA馬の活躍が特に顕著で今年は皐月賞馬ジオグリフを筆頭にいいメンバーを揃えてきた。地方の雄イグナイター(兵庫)が昨年4着からの雪辱を期す2年連続の来盛と立ち向かう他地区勢はわずか2騎でもともに実力トップクラス。昨年5着ゴールデンヒーラーが地元筆頭もこのレベルでは苦戦ムードの交流重賞。
昨年覇者。2021、22年のフェブラリーS連覇を筆頭に昨年の南部杯などとにかく左回りダートのマイルとの相性が抜群で取りこぼしたのは一昨年の船橋・かしわ記念の5着のみ。昨年は福永騎手で制したが「スピードに乗るまで時間のかかるタイプでバックストレートの長い盛岡だとポジショニングがより重要になるし、揉まれずに行きたいのも本音」とのコメントをおさらいすると2枠発走がカギとなる。そのあたりは今年大抜擢された地元・高松騎手がうまくエスコートしてくれると信じてみたい。肝心のデキは相当乗り込んだようで久々を感じさせぬ絶好の仕上がり、連覇あって不思議はないはずだ。
この出走表明を聞いた時には驚いたが実際サウジカップ4着、ドバイワールドカップ11着ならそこまでダートがからっきしダメという事はないだろう。さらに6枠からの発走ならキックバックをそれほど受けずにノンストレスで立ち回れる事も少なからずプラスに出るはず。皐月賞以降、精彩を欠いて思ったほどの走りができていない近況を打破するには距離不足であるにせよ、自身の闘争心が戻ればもっとやれていい馬であるのは誰の目から見ても明らか。久々でも仕上がりもいい、ここは新味期待の一戦。
初めて屈辱を味わったドバイ・ゴールデンシャヒーン10着の大敗、そのダメージは半年近い休養で払拭できてるものと考えたいし、何より海外での6F競馬はあまりに忙しすぎたのかもしれない。先月上旬には帰厩して何本も追い切りをこなして態勢は整えたようだし、ここまで左回りに特化した戦歴を持つJRA所属馬は珍しい。今冬一気に掴み取ったG1フェブラリーSのタイトル1つだけで終わらす訳にもいかないなら得意のカテゴリーで力を出すのみ。ここは狙い定めた一戦かもしれない。
後方待機型タガノビューティーの決め手がこの盛岡でどれだけ通用してくれるか実に興味深い、最内枠でも必ずや馬群はバラけるだけに展開、直線の利があるとすればこの馬となりそう。ソリストサンダーは3年連続出走、昨年はカフェファラオから1.6秒差の7着、一昨年はアルクトスから0.4秒差の3着でも盛岡との相性は悪くない。前走から南関東へ移籍となって仕上げの変化ひとつで変われる。レディバグはまだG1級レベルではないが、とにかくデキの良さが目立つ中間。前々走スピーディキックを破った実力は無視できないだけに牡馬との力関係だけ。イグナイターは昨年4着とはいえ、内々をロスなく立ち回れたのが大きかっただけにこの7枠がどう出るかだ。
提供 栄冠 千田 正明
注記
当ページの情報は、10月8日(日)17時現在のものです。
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。