データ分析 Data Analysis

将来が楽しみな2歳馬が集結

2020年の新設だが、それ以前の北海道2歳優駿と同じ門別1800mのJpnIIIで実施。第1回の優勝馬ラッキードリーム(北海道)は翌年の北海道3歳三冠を制し、現在は兵庫の看板馬。昨年は2着のベルピット(北海道)が今年の北海道3歳三冠馬になった。ハッピースプリント(北海道)が前身の北海道2歳優駿JpnIIIを勝って全日本2歳優駿JpnIに挑んで勝利したのは10年前の2013年。その年以降の10回分のデータをもとに、傾向を見ていくことにしよう。

地元北海道も好成績

北海道については、2歳戦で好成績を残す角川秀樹厩舎と田中淳司厩舎を別枠にして成績をまとめてみた。その結果は、角川厩舎が出走18頭で2着以内が6回と好成績。田中淳司厩舎は1勝(ハッピースプリント)だけだが、JBC2歳優駿JpnIIIになってからの3回で2着と3着が各1回と好成績を挙げている。一方のJRAは、関東と関西でほぼ互角となっている。【表1】

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関東 3 1 3 13 15.0% 20.0% 35.0%
JRA関西 3 2 1 16 13.6% 22.7% 27.3%
北海道・角川秀樹厩舎 2 4 0 12 11.1% 33.3% 33.3%
北海道・田中淳司厩舎 1 1 1 10 7.7% 15.4% 23.1%
その他の北海道 1 2 5 42 2.0% 6.0% 16.0%
大井 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%

2番人気がなぜか不振

単勝人気別の成績を見ると、1番人気の3着内率は70.0%、3番人気も2勝、2着2回となっているが、2番人気は連対ゼロ。逆に勝利数が多いのが6番人気以下。2018~20年まで3年連続で6番人気が勝ち、昨年は9番人気のゴライコウ(JRA)が1着。人気薄の馬にも注意しておくべきだろう。【表2】

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 3 3 1 3 30.0% 60.0% 70.0%
2番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
3番人気 2 2 0 6 20.0% 40.0% 40.0%
4番人気 0 2 2 6 0.0% 20.0% 40.0%
5番人気 1 0 3 6 10.0% 10.0% 40.0%
6番人気以下 4 3 2 65 5.4% 9.5% 12.2%

大型馬が優勢

1着馬はすべて前走時の馬体重が480㎏以上。2着馬も10頭のうち8頭が前走480㎏以上で、3着馬は460~479㎏から臨んだ馬が5頭という特徴的な分布となっている。ちなみに昨年は前走480㎏以上だった馬が6頭いて、500㎏で2番目に重かったゴライコウ(JRA)が勝った。【表3】

[表3]前走時の馬体重別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
439kg以下 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
440~459㎏ 0 1 1 14 0.0% 6.3% 12.5%
460~479㎏ 0 1 5 24 0.0% 3.3% 20.0%
480~499㎏ 7 4 2 32 15.6% 24.4% 28.9%
500㎏以上 3 4 2 21 10.0% 23.3% 30.0%

初勝利直後は少々厳しい?

昨年は前走でJRAの未勝利戦を勝ったゴライコウ(JRA)が勝ったが、全体的にJRAで初勝利を挙げた直後の馬は苦戦ぎみ。JRAでは1勝クラスまたはオープン特別から参戦する馬のほうが注目できる。地方馬は、サンライズカップ(門別1800m)で上位に入っていた馬の成績が良好だ。なお地方他地区のレースから臨んで連対したのは川崎・鎌倉記念2着から2着に入った2019年アベニンドリーム(北海道)のみ。【表4】

[表4]前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA1勝クラス、オープン、重賞 4 2 2 11 21.1% 31.6% 42.1%
JRA未勝利戦 1 1 2 15 5.3% 10.5% 21.1%
JRA新馬戦 1 0 0 5 16.7% 16.7% 16.7%
門別・サンライズカップ 2 6 4 33 4.4% 17.8% 26.7%
※門別・サッポロクラシックカップ 1 0 0 3 25.0% 25.0% 25.0%
門別・上記以外の重賞、オープン、JRA認定戦 1 0 2 20 4.3% 4.3% 13.0%
門別・その他 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
地方他地区 0 1 0 6 0.0% 14.3% 14.3%

注記:※23年から1200mに距離短縮し7月に移行

勝つのはこういう馬!

まず、前走時の馬体重が480㎏以上というのが最初の条件。昨年は前走でJRA未勝利戦を勝った馬が勝利を挙げたが、基本的にはJRAなら1勝クラス以上、地方所属ならサンライズカップで上位に入っていた馬を狙いたい。単勝2番人気と4番人気が未勝利という点も覚えておきたいデータ。人気薄の馬の台頭が多く、今年も6~9番人気で上記の条件を満たす馬に注目する手はありそうだ。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2019年までは北海道2歳優駿として実施。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。