データ分析 Data Analysis

ビッグレースへの道も開ける一戦

11月以降の古馬ダート中距離路線は、JBCクラシックJpnI、JRAのチャンピオンズカップGI、東京大賞典GIとビッグレースが組まれ、それを補完するような位置づけで浦和記念JpnIIと名古屋グランプリJpnIIが行われる。日程的には浦和記念JpnIIから東京大賞典GIに進むことが可能で、今年も年末の大一番が視野に入る存在の登場に期待したいところだ。そのレースの傾向を、2013~22年の過去10回の結果をもとにみていくことにする。

上位人気馬が優勢

優勝馬はすべて単勝5番人気以内。ただし、1番人気と2番人気の勝率がそれぞれ20.0%。上位人気が優勢ではあるが、どちらかというと上位人気拮抗と捉えておくほうがよさそうだ。[表1]

[表1]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 2 3 1 4 20.0% 50.0% 60.0%
2番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
3番人気 3 4 1 2 30.0% 70.0% 80.0%
4番人気 2 0 3 5 20.0% 20.0% 50.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 0 1 2 56 0.0% 1.7% 5.1%

JRAでも関西馬がやや優勢

JRAが8勝と優勢で、その内訳は関西馬が6勝で関東馬が2勝。勝率・連対率にはそれほど差はないが、関西馬が3着に7回も入っている点が目立つ。地方馬の3着以内はすべて南関東。地元の浦和は未勝利だが4年連続で地方最先着(2019年5着、20年4着、21年2着、22年4着)を確保と最も健闘している。[表2]

[表2]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA関西 6 4 7 14 19.4% 32.3% 54.8%
JRA関東 2 2 1 7 16.7% 33.3% 41.7%
船橋 1 2 0 14 5.9% 17.6% 17.6%
大井 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
浦和 0 1 1 17 0.0% 5.3% 10.5%
川崎 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
上記以外 0 0 0 16 0.0% 0.0% 0.0%

近年は若返りの傾向

好走例が多いのは6歳以下だが、5歳の勝利がゼロとなっているのは特徴的だ。また、7歳で勝利を挙げたのは、2013年のランフォルセ(JRA)が最後となっている。過去3回は3歳か4歳が勝ち、この2世代が3着内馬9頭のうち6頭。近年は若い世代の活躍が顕著となっている。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 2 2 0 4 25.0% 50.0% 50.0%
4歳 4 2 2 10 22.2% 33.3% 44.4%
5歳 0 2 3 10 0.0% 13.3% 33.3%
6歳 3 1 0 12 18.8% 25.0% 25.0%
7歳 1 1 2 22 3.8% 7.7% 15.4%
8歳以上 0 2 3 21 0.0% 7.7% 19.2%

JBCと白山大賞典組が好成績

前走別に成績をまとめてみると、勝利数が多いのはJBCクラシックJpnIまたは白山大賞典JpnIIIから臨んだ馬。前走が『その他地方のDG』で勝利を挙げたのは、2013年ランフォルセ(日本テレビ盃JpnII・3着)と19年ケイティブレイブ(川崎記念JpnI・2着)の2頭。基本的には前走がダートグレードだった馬が優勢だ。[表4]

[表4]前走別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JBCクラシック 4 2 3 11 20.0% 30.0% 45.0%
白山大賞典 3 3 2 7 20.0% 40.0% 53.3%
その他地方のDG 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
JRAのDG 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
地方馬限定の重賞 0 2 1 24 0.0% 7.4% 11.1%
JRAのDG以外 1 0 1 9 9.1% 9.1% 18.2%
上記以外 0 0 0 16 0.0% 0.0% 0.0%

勝つのはこういう馬!

単勝4番人気以内のJRA関西馬で、年齢は3歳、4歳、6歳のいずれか。そのなかで前走がJBCクラシックJpnIまたは白山大賞典JpnIIIだった馬は優勝の可能性が高いといえる。前記のレースで上位に入り、チャンピオンズカップGIではなく当レースを選んだ馬がいるようなら、注目に値する存在となる。

(文・浅野靖典)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。