時期変更で傾向はいかに
ゴールデンウィーク恒例のダートグレード競走として、名古屋競馬場の1500m(2021年までは旧名古屋競馬場の1400m)で行われてきた当レース。ダート競走の体系整備に伴い、時期を2月下旬に移し、負担重量も2017年以降のハンデキャップからグレード別定に変更された。こうした実施条件の変更に留意しつつ、2014年から昨年まで過去10回をデータで紐解いていく。
1番人気はわずか2勝で2着が6回。一方2番人気が7勝しており、数字的には興味深い。とは言え全体として見れば、3番人気までの馬が【9-9-5-7】。人気馬が順当に活躍するレースと見るべきだろう。過去10年で3連単万馬券は3回で、平均配当は7372円。万馬券となった3回も1、2番人気の馬はともに馬券に絡んでおり、好配当を狙うなら人気馬に逆らうよりも、人気の薄い馬の食い込みに照準をあてた方が良さそうだ。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 2 | 6 | 1 | 1 | 20.0% | 80.0% | 90.0% |
2番人気 | 7 | 0 | 2 | 1 | 70.0% | 70.0% | 90.0% |
3番人気 | 0 | 3 | 2 | 5 | 0.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
5番人気 | 0 | 0 | 2 | 8 | 0.0% | 0.0% | 20.0% |
6番人気以下 | 1 | 0 | 1 | 65 | 1.5% | 1.5% | 3.0% |
JRA所属馬が3着内30頭中26頭を占めており、まずはここから入るべき。但し、過去10年で兵庫所属馬が3勝していることは特筆に値する。2014年のタガノジンガロは6番人気での勝利だったが、JRAオープンでの活躍実績があり兵庫へ転じて2戦目。17年トウケイタイガー、22年イグナイターは、いずれも2番人気に推されており、活躍するだけの実績や評価の裏付けがあったものと考えるべきだろう。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 7 | 10 | 9 | 20 | 15.2% | 37.0% | 56.5% |
兵庫 | 3 | 0 | 0 | 9 | 25.0% | 25.0% | 25.0% |
南関東 | 0 | 0 | 1 | 6 | 0.0% | 0.0% | 14.3% |
地方その他 | 0 | 0 | 0 | 52 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
過去10年で7勝し、3着内率61.1%をマークする4歳馬が断然の実績をあげている。一方、5歳以上の馬では、8歳までなら比率で見るとそれほど大きな実績差は見られない。若い4歳馬の勢いは見逃せないが、高齢だからと言って過剰に評価を割り引くことは控えたい。[表3-1]
なお性別で見ると、サンプルの少ないセン馬や牝馬も健闘しており、活躍条件にかなう馬であれば性別は気にしなくて良さそうだ。[表3-2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 7 | 3 | 1 | 7 | 38.9% | 55.6% | 61.1% |
5歳 | 1 | 2 | 1 | 18 | 4.5% | 13.6% | 18.2% |
6歳 | 1 | 2 | 2 | 24 | 3.4% | 10.3% | 17.2% |
7歳 | 1 | 2 | 2 | 14 | 5.3% | 15.8% | 26.3% |
8歳 | 0 | 1 | 3 | 12 | 0.0% | 6.3% | 25.0% |
9歳以上 | 0 | 0 | 1 | 12 | 0.0% | 0.0% | 7.7% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
牡 | 6 | 8 | 8 | 66 | 6.8% | 15.9% | 25.0% |
セン | 2 | 1 | 2 | 7 | 16.7% | 25.0% | 41.7% |
牝 | 2 | 1 | 0 | 14 | 11.8% | 17.6% | 17.6% |
前走がJRAオープン級の競走、あるいは地方競馬のダートグレード(DG)競走で2着以内だった馬は、2頭を除き全て馬券絡みの活躍を果たしている。馬券圏内を外した2018年エイシンヴァラー(4着)は兵庫所属馬、19年ウインムート(4着)は4カ月の休み明けで、明確とは言えないが割引材料はあった。順調に使われ前走高いレベルで結果を出している馬は、素直に信用して良さそうだ。
一方、前走4着以下から当レースを勝った2頭(18年サクセスエナジー、23年ウィルソンテソーロ)は、いずれも当レース好相性の4歳馬。前者は3連勝、後者は4連勝でオープン入りした緒戦がその敗れた前走で、初の重賞挑戦となった当レースでもその勢いは評価され人気にも推されていた。このように、前走成績からもやはり"勢い”が重視すべき要素であることが窺える。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
前走1着 | 6 | 3 | 3 | 2 | 42.9% | 64.3% | 85.7% |
前走2着 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0.0% | 75.0% | 100.0% |
前走3着 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
前走4着以下 | 2 | 4 | 4 | 23 | 6.1% | 18.2% | 30.3% |
概ね3番人気までに推された4歳馬で、前走がJRAオープン級の競走か地方のダートグレード競走を勝ったJRA所属馬。
(文・坂田 博昭)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。