年明け最初の古馬中距離戦
川崎記念JpnIが4月に移行したことで、2024年から地方のダートグレードでは年明け最初の古馬中距離戦となった。その前回は前走が東京大賞典GIだったノットゥルノが4馬身差で圧勝した。ここでは15~24年の過去10回の結果から傾向を探っていく。
いずれもJRAが1~3着で、うち5回は掲示板内も独占(2015、16、20、21、23年)している。地方最先着馬で勝ち馬との差が最も小さかったのは17年4着カツゲキキトキト(愛知)の1秒0差だった。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA | 10 | 10 | 10 | 19 | 20.4% | 40.8% | 61.2% |
佐賀 | 0 | 0 | 0 | 38 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 29 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
1番人気は4勝、2着1回、3着3回で3着内率80.0%。1番人気が馬券に絡めなかった2016、24年も4着と信頼度は非常に高い。16年ストロングサウザー(4番人気)以外の勝ち馬は1~3番人気で、毎年3着以内に2頭以上入っている。ただし19~23年は5・6番人気が2着か3着に食い込んでいる。JRA馬なら人気薄でも注意したい。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 4 | 1 | 3 | 2 | 40.0% | 50.0% | 80.0% |
2番人気 | 4 | 3 | 1 | 2 | 40.0% | 70.0% | 80.0% |
3番人気 | 1 | 3 | 3 | 3 | 10.0% | 40.0% | 70.0% |
4番人気 | 1 | 0 | 1 | 8 | 10.0% | 10.0% | 20.0% |
5番人気 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
6番人気以下 | 0 | 1 | 0 | 65 | 0.0% | 1.5% | 1.5% |
年齢別成績が[表3-1]だが、馬券絡みはすべてJRA馬のため、地方馬を除いた成績[表3-2]をみていく。5歳が【4-4-2-3】で勝率・連対率・3着内率のいずれもトップ。以下、勝ち星が多い順に、4歳(3勝)、6歳(2勝)、7歳(1勝)。JRAの8歳以上は近3回では1頭のみ出走し6番人気で11着だったが、トータルでは3着以内4回と健闘している。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 3 | 1 | 3 | 10 | 17.6% | 23.5% | 41.2% |
5歳 | 4 | 4 | 2 | 6 | 25.0% | 50.0% | 62.5% |
6歳 | 2 | 2 | 3 | 15 | 9.1% | 18.2% | 31.8% |
7歳 | 1 | 1 | 0 | 19 | 4.8% | 9.5% | 9.5% |
8歳以上 | 0 | 2 | 2 | 36 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
4歳 | 3 | 1 | 3 | 3 | 30.0% | 40.0% | 70.0% |
5歳 | 4 | 4 | 2 | 3 | 30.8% | 61.5% | 76.9% |
6歳 | 2 | 2 | 3 | 4 | 18.2% | 36.4% | 63.6% |
7歳 | 1 | 1 | 0 | 3 | 20.0% | 40.0% | 40.0% |
8歳以上 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0.0% | 20.0% | 40.0% |
前走が1800m以上のダートグレードだった馬の成績を調べたものが[表4]。12月のチャンピオンズカップGI(1800m)組が3勝を挙げているが、いずれも9着以下からの巻き返しだった。1月の東海ステークスGII(1800m)組も3勝をマーク。集計期間外や2012年以前の同時期に行われていた平安ステークスGIII(1800m)からも勝ち馬が多く出ており、JRAの1800m重賞組が強い印象だ。
24年末~25年の日程では、名古屋グランプリJpnIIの時期に名古屋大賞典JpnIII(2000m)が移り、東海ステークスGIIはプロキオンステークスGII(1800m)にレース名が変更された。ただ今年のプロキオンステークスGIIは1月26日で、佐賀記念JpnIIIとは中10日という日程。チャンピオンズカップGIと名古屋大賞典GIII組が中心となりそうだ。
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
東海S | 3 | 2 | 0 | 3 | 37.5% | 62.5% | 62.5% |
チャンピオンズC | 3 | 0 | 2 | 0 | 60.0% | 60.0% | 100.0% |
名古屋GP | 1 | 2 | 2 | 4 | 11.1% | 33.3% | 55.6% |
東京大賞典 | 1 | 1 | 0 | 1 | 33.3% | 66.7% | 66.7% |
上記以外 | 0 | 0 | 3 | 11 | 0.0% | 0.0% | 21.4% |
注記:23年までの川崎記念【0-0-1-7】は[上記以外]に含む
2024年は11月にJBC3競走が佐賀で開催ということもあり、JRAからはノットゥルノなどGI/JpnIで実績がある馬の出走もあったが、今年はそれ以前と同様、ここで賞金を加算して春以降の上位グレードを狙っていく馬が主体となりそう。地方馬では北海道所属でJBCクラシックJpnIに出走し4着だったシルトプレが佐賀へ移籍。初戦の中島記念を圧勝しており、大きな期待がかかるところ。
(文・上妻輝行)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。