地方馬も活躍の短距離重賞
ゴールデンウィークの恒例だったが、昨年から2月末に移行。それに伴い、ハンデ戦からグレード別定戦へと生まれ変わった。2022年には競馬場移転により施行距離が1400mから1500mに変更もされており、時代の変化とともに少しずつ進化しているレースだ。26回の歴史の中で地方馬の優勝が6回にのぼる一戦について、ここでは15~24年の過去10回から傾向を見ていく。
過去に6頭の地方馬が優勝しているが、過去10回では2勝を含め3着以内に4回入った。優勝は2017年トウケイタイガーと22年イグナイター(ともに兵庫)で、20年ドリームドルチェ(浦和)と24年スマイルウィ(船橋)はともに3着。
最も勝利が多いのはJRA栗東で6勝。勝率としては2勝のJRA美浦が18.2%で僅かに上回るが、JRA栗東の3着内率59.5%は信頼の置ける数値だ。[表1]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
JRA栗東 | 6 | 9 | 7 | 15 | 16.2% | 40.5% | 59.5% |
JRA美浦 | 2 | 1 | 1 | 7 | 18.2% | 27.3% | 36.4% |
兵庫 | 2 | 0 | 0 | 9 | 18.2% | 18.2% | 18.2% |
浦和 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
船橋 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0.0% | 0.0% | 100.0% |
上記以外 | 0 | 0 | 0 | 54 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
単勝1番人気は2勝に留まるが、3着内率は80.0%と高い確率で上位争いに加わっている。ハンデ戦だった時代でも3連単万馬券はわずか2回。グレード別定に生まれ変わった昨年が2→5→4番人気の順で3連単5330円と直近6回で最も高配当だったほどだ。基本的に上位人気馬が信頼できるレースと言えるだろう。[表2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1番人気 | 2 | 5 | 1 | 2 | 20.0% | 70.0% | 80.0% |
2番人気 | 8 | 0 | 1 | 1 | 80.0% | 80.0% | 90.0% |
3番人気 | 0 | 3 | 2 | 5 | 0.0% | 30.0% | 50.0% |
4番人気 | 0 | 1 | 3 | 6 | 0.0% | 10.0% | 40.0% |
5番人気 | 0 | 1 | 2 | 7 | 0.0% | 10.0% | 30.0% |
6番人気以下 | 0 | 0 | 1 | 66 | 0.0% | 0.0% | 1.5% |
当レースは2022年からコースが変更された。競馬場が名古屋市から弥富市に移転したことに伴うもので、旧競馬場は小回りで逃げ・先行が有利だったのに対し、新競馬場はコースがやや広くなり、内ラチ沿いの砂が深い日が多く見られる。そうなると、新競馬場での近3回は外枠有利かと思いきや、うち2回では4番より内枠の馬が2頭ずつ3着以内に入った。内ラチ沿いを大きく空けて走っていても内枠を嫌わなくてもいいと言える。[表3-1・2]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1~3番 | 2 | 3 | 2 | 14 | 9.5% | 23.8% | 33.3% |
4~6番 | 2 | 0 | 1 | 17 | 10.0% | 10.0% | 15.0% |
7~9番 | 2 | 3 | 2 | 14 | 9.5% | 23.8% | 33.3% |
10~12番 | 1 | 1 | 2 | 15 | 5.3% | 10.5% | 21.1% |
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1~3番 | 1 | 0 | 2 | 6 | 11.1% | 11.1% | 33.3% |
4~6番 | 1 | 0 | 0 | 8 | 11.1% | 11.1% | 11.1% |
7~9番 | 1 | 1 | 1 | 6 | 11.1% | 22.2% | 33.3% |
10~12番 | 0 | 2 | 0 | 7 | 0.0% | 22.2% | 22.2% |
上位の多くを占めるJRA所属馬について、前走の距離や着順別に成績を見てみると、ダート1600m以下で掲示板に載っていた馬が6勝。3着内率72.0%だった。一方で、前走がダートで掲示板を外した馬は3着以内が5回と好走例はあるものの、勝ったのは2018年サクセスエナジーのみ。コーラルステークス(JRA阪神ダート1400m)6着からの巻き返しだった。基本的に前走で掲示板外だった馬は上位争いには加わっても勝つには高いハードルがあると言えるだろう。[表4]
1着 | 2着 | 3着 | 4着以下 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
ダート1600m以下で5着以内 | 6 | 8 | 4 | 7 | 24.0% | 56.0% | 72.0% |
ダート1700m以上で5着以内 | 1 | 0 | 1 | 1 | 33.3% | 33.3% | 66.7% |
ダートで6着以下 | 1 | 2 | 2 | 12 | 5.9% | 17.6% | 29.4% |
芝 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0.0% | 0.0% | 33.3% |
JRA所属で、前走がダート1600m以下で5着以内だった馬。また、昨年からグレード別定に変わったことで、狙いたいタイプが二つある。一つはGIII/JpnIIIを2勝以上(GII/JpnII以上の勝利なし)している馬。勝利数にかかわらず勝ち馬は1kg増という規定のため、実績に比べて有利な斤量と捉えることができる。これに当てはまるのが昨年の勝ち馬サンライズホーク。そしてもう一つは昨年2着ヘリオスのように重賞での上位入着が何度もありながらもグレード未勝利の馬。こちらは増量がないため、基準重量の56kg(牝馬は2kg減)で出走することができる。
(文・大恵陽子)
1着
2着
3着
注記
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。