データ分析 Data Analysis

春のダート古馬女王決定戦

かつては2月下旬から3月上旬に実施されていたが、2024年からゴールデンウィーク後に時期が変更になった。21年マルシュロレーヌ、22年ショウナンナデシコはここを勝ち、後のJpnI(G1)勝利へ繋げた。過去の勝ち馬を見ても、その時代のダート競馬を盛り上げた牝馬の名前が並ぶ。ここでは15~24年の過去10回の結果から傾向を探っていく。

栗東が9勝と勝ち星をほぼ独占

勝利はJRAのみで、栗東が9勝を挙げているように、勝ち星をほぼ独占している。ただ、2着は3回と少なく、栗東のワンツー決着は2015、23、24年の3回に留まっている。美浦は延べ7頭が3着以内に好走しているが、ヴィータアレグリアが16年2着、17年3着。プリンシアコメータが18年2着、19年1着とリピーターの活躍に注意。また、勝利はない地方勢だが、24年3着のキャリックアリードを含めて延べ6頭全ての馬券絡みが大井だった。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA栗東 9 3 5 14 29.0% 38.7% 54.8%
JRA美浦 1 2 4 11 5.6% 16.7% 38.9%
大井 0 5 1 15 0.0% 23.8% 28.6%
上記以外 0 0 0 48 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気は3着内率100%も3連単万馬券5回

1番人気は7勝を含む9連対で、すべてが馬券圏内と抜群の安心感を誇る。それに対して2番人気は2勝しているが、3着内率は50.0%。3番人気は未勝利ながら同50.0%と特筆して信頼度が高いとは言えない。上位5番人気までの上位独占は15、16、22、23年の4回。つまり6番人気以下の伏兵がよく食い込んでいるということになる。現に1番人気がこれだけの好成績でも、3連単が万馬券となったのが半分の5回。6番人気以下で3着以内に入った6頭のうち4頭が大井。前項でも触れたが、人気妙味の面でも大井が面白い存在になっている。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 2 1 0 70.0% 90.0% 100.0%
2番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
3番人気 0 1 4 5 0.0% 10.0% 50.0%
4番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
5番人気 0 1 0 9 0.0% 10.0% 10.0%
6番人気以下 0 3 3 62 0.0% 4.4% 8.8%

過去半年以内のDG勝利馬が最有力

ダートグレード実績別成績が[表3]で、やはり勝利がある馬が好成績。同実績があった勝ち馬7頭のうち6頭は、過去半年以内にダートグレードを勝っており、例外だった2018年アンジュデジールは約8カ月前に川崎でスパーキングレディーカップJpnIIIを制していた。また、DGで勝利なしで勝った15年アムールブリエは川崎の関東オークスJpnIIで3着、22年ショウナンナデシコは重賞初挑戦だった前走のTCK女王盃JpnIIIで2着に好走していた。ちなみにDG未出走での勝利は、無傷5連勝で挑んできた昨年のオーサムリザルトしかいない。

[表3]ダートグレード実績別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
DGで勝利あり 7 6 5 18 19.4% 36.1% 50.0%
DGで勝利なし 2 3 3 49 3.5% 8.8% 14.0%
DG未出走 1 1 2 21 4.0% 8.0% 16.0%

前走の1コーナー通過順に注目

コーナーがきつい川崎が舞台。当然、逃げ・先行馬有利の見立てになりそうだが、意外にも前走の1コーナーでの位置取りを調べてみると、逆の結論が浮かび上がってきた。1着馬は2023年グランブリッジの3番手が最も前で、ほとんどは差す形で勝利していた。先入観を捨てて、前走で序盤に急かすことなく、じっくり運んでいた馬に狙いを定めるのがいい。[表4]

[表4]前走の1コーナー通過順別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
前走1コーナー・1番手 0 2 1 9 0.0% 16.7% 25.0%
前走1コーナー・2番手 0 1 3 6 0.0% 10.0% 40.0%
前走1コーナー・3番手 1 1 2 17 4.8% 9.5% 19.0%
前走1コーナー・4~7番手 7 5 3 24 17.9% 30.8% 38.5%
前走1コーナー・8番手以下 2 1 1 32 5.6% 8.3% 11.1%
前走ワンターンのレース 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%

勝つのはこういう馬!

9勝をマークするJRA栗東所属馬が1番人気に支持されていれば、まず崩れることはないと考えるのがセオリー。過去半年以内にダートグレードを勝っていれば言うことはない。

(文・スポーツ報知・浅子祐貴)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2012年は競走取り止め。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。