データ分析 Data Analysis

下半期短距離戦線の幕開け

毎年8月中旬に盛岡競馬場で行われる、ダート1200m戦。秋のJBCスプリントを頂点とする下半期の短距離戦線は、例年このレースから始まる。春の活躍馬、実績を重ねて来ての上昇馬、海外遠征帰りの馬など、様々な路線から多彩な出走馬が集い、注目の一戦となる。ここでは、過去10年をデータで振り返る。

JRA勢が圧倒!

JRA勢が9勝2着8回と地方勢を圧倒。JRA勢中心に予想を組み立てるべきだ。地方勢による馬券絡みは、岩手の4回が全てラブバレット1頭によるもの(2015~18年)、南関東の2回はブルドッグボス(17、20年)、あとは北海道のポアゾンブラック(15年)で、よほど傑出した力量馬の出現がないと苦しい。なお、近4年の馬券絡みはJRA勢が独占しており、一層JRA勢優位の傾向となっている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 9 8 6 24 19.1% 36.2% 48.9%
南関東 1 0 1 5 14.3% 14.3% 28.6%
岩手 0 1 3 47 0.0% 2.0% 7.8%
北海道 0 1 0 13 0.0% 7.1% 7.1%
その他 0 0 0 18 0.0% 0.0% 0.0%

人気馬が順当に活躍

4番人気までで3着内30頭中26頭。勝利となると、1番人気が5勝しており3番人気までで9頭と、上位人気の馬が順当に活躍している。過去10年で3連単の万馬券は発生しておらず、平均配当は4944円。無理な穴狙いは控えるべきレースだ。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 1 2 2 50.0% 60.0% 80.0%
2番人気 2 2 2 4 20.0% 40.0% 60.0%
3番人気 2 4 1 3 20.0% 60.0% 70.0%
4番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気以下 0 0 1 86 0.0% 0.0% 1.1%

5歳が“旬”

活躍レンジは4~6歳で、それより上でも下でも成績はガクンと落ちる。とりわけ、過去10年で6勝を挙げている5歳馬には注目すべきだ。その中には、2017年ブルドッグボスや24年ドンフランキーのように、4歳時2着惜敗の翌年、5歳時にも出走して勝った例もあり、当レースでの“旬”はまさに5歳と言える。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 1 4 3 13 4.8% 23.8% 38.1%
5歳 6 2 1 21 20.0% 26.7% 30.0%
6歳 3 2 2 15 13.6% 22.7% 31.8%
7歳 0 2 2 18 0.0% 9.1% 18.2%
8歳以上 0 0 2 37 0.0% 0.0% 5.1%

重賞好走歴が必要

3着内実績の多くを占めるJRA所属馬について、過去の重賞(芝も含む)実績を調べると、当レース活躍のためには概ね重賞3着内の経験が必要とわかる。特に、当レース優勝馬9頭のうち7頭に重賞の勝利経験があったことは注目に値する。逆に、重賞で活躍経験がない馬は苦しく、昨年は重賞で3着内経験がなかったジレトールが4着(3番人気)、後にはフェブラリーSを勝つコスタノヴァが重賞初挑戦で6着(2番人気)と揃って苦戦。重賞での好走実績は、当レース活躍のひとつの要件と見ていいだろう。[表4]

[表4]JRA所属馬の重賞実績別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
重賞勝ちあり 7 3 5 11 26.9% 38.5% 57.7%
重賞2、3着あり 1 4 0 2 14.3% 71.4% 71.4%
重賞出走も3着内なし 1 1 0 7 11.1% 22.2% 22.2%
重賞出走なし 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%

勝つのはこういう馬!

出来れば重賞優勝、せめて3着内の好走実績がある、概ね3番人気までのJRA所属馬。年齢は4~6歳で、5歳が最も望ましい。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。