データ分析 Data Analysis

近年は地方馬も活躍

過去24回でJRAが20勝と圧倒しているが、昨年はアラジンバローズ(兵庫)が2018年エイシンバランサー(兵庫)以来となる地方馬の勝利を挙げた。佐賀所属騎手はJRA馬に騎乗するかたちで08年倉富隆一郎騎手、21年鮫島克也騎手の2名が勝利しているが、佐賀所属馬の勝利はなく、3着以内も10年3着マンオブパーサーが最後。ここでは15~24年の過去10回から傾向を分析していく。

JRAが圧倒も兵庫が2勝と健闘

過去10回中8回でJRAが勝利しており、1~3着を占めたのは6回。地方馬で勝利した2018年エイシンバランサーと24年アラジンバローズほか、3着以内に入った5頭はすべて兵庫所属。JRAの上位独占を兵庫が阻止できるかの構図となっている。なお高知は13年3着コスモワッチミー以降は3着以内がないが、過去10回では4・5着に3頭入っている。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 8 8 9 22 17.0% 34.0% 53.2%
兵庫 2 2 1 3 25.0% 50.0% 62.5%
佐賀 0 0 0 44 0.0% 0.0% 0.0%
上記以外 0 0 0 15 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気が4勝も上位人気が拮抗

単勝1番人気が最多の4勝を挙げ、4番人気以内で計8勝。5、8番人気の各1勝はともに兵庫。1番人気は2着がなく、連対率は40.0%、3着内率は70.0%と信頼度はやや低く、1~4番人気がほぼ互角の成績を残している。[表2]

[表2]単勝人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 4 0 3 3 40.0% 40.0% 70.0%
2番人気 1 2 2 5 10.0% 30.0% 50.0%
3番人気 1 3 3 3 10.0% 40.0% 70.0%
4番人気 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
5番人気 1 1 1 7 10.0% 20.0% 30.0%
6番人気以下 1 2 0 61 1.6% 4.7% 4.7%

4~6歳で計9勝だが高齢馬も健闘

年齢別では5歳が最多の4勝、次いで6歳が3勝。2015~21年には5歳と6歳が1年おきに勝利し、22、23年に4歳が2連勝で、4~6歳で計9勝となっている。7歳は勝利こそ24年アラジンバローズ(兵庫)のみだが、それを含め3着以内が6回。軽視はできない。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 0 2 0 4 0.0% 33.3% 33.3%
4歳 2 1 1 6 20.0% 30.0% 40.0%
5歳 4 1 4 15 16.7% 20.8% 37.5%
6歳 3 1 2 18 12.5% 16.7% 25.0%
7歳 1 3 2 17 4.3% 17.4% 26.1%
8歳以上 0 2 1 24 0.0% 7.4% 11.1%

重ハンデ馬が好走傾向、地方馬は54kg以上

ハンデ戦になった2007年以降の勝ち馬の負担重量は、54~58.5kg。過去10回で53kg以下の3着以内は4頭で、うち3頭はJRA所属だった。トップハンデ(並びを含む)馬は計13頭おり、勝利はないが【0-3-4-6】と3着内率は53.8%。トップハンデに限らず、58.5kg以上だと【1-2-3-3】で、3着内率66.7%と好成績を残している。地方馬はおおむね53kg以下のハンデとなっているが、3着以内だった5頭のうち、52kgは1頭だけ(22年2着コウエイアンカ)で、54kg以上は【2-1-1-1】と信頼度が高い。[表4]

[表4]ハンデ別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
53.0kg以下 0 3 1 66 0.0% 4.3% 5.7%
54.0kg 3 1 0 2 50.0% 66.7% 66.7%
55.0kg 2 2 3 1 25.0% 50.0% 87.5%
55.5-56.0kg 2 2 1 5 20.0% 40.0% 50.0%
56.5-57.0kg 2 0 1 3 33.3% 33.3% 50.0%
57.5-58.0kg 0 0 1 4 0.0% 0.0% 20.0%
58.5kg以上 1 2 3 3 11.1% 33.3% 66.7%

近年のJRA馬は実績重視

創設から第20回(2020年)までは8月中旬の実施だったが、21年より8月下旬~9月上旬に変更となった。15~20年の勝ち馬はいずれも当レースが重賞(地方馬はダートグレード)初勝利で、JRA馬に限れば、すでに重賞勝ちがある馬の【0-0-2-5】に対し、ない馬は【5-5-4-7】と新興勢力の台頭が目立っていた。しかし、21年以降は重賞勝ちがない馬は【1-0-0-7】、ある馬は【2-3-3-3】と傾向が変わっている。[表5-1][表5-2]

[表5-1]JRA馬の重賞実績別成績(15~20年の6回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
勝利あり 0 0 2 5 0.0% 0.0% 28.6%
勝利なし 5 5 4 7 23.8% 47.6% 66.7%

[表5-2]JRA馬の重賞実績別成績(21~24年の4回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 複勝率
勝利あり 2 3 3 3 18.2% 45.5% 72.7%
勝利なし 1 0 0 7 12.5% 12.5% 12.5%

注記:22年12着ラウダシオンは芝重賞のみ2勝(勝利ありに含まれる)

勝つのはこういう馬!

昨年は地方馬が勝利し、掲示板内に4頭とJRA勢が不振(2、6~9着)だったが、台風で日程が順延となり、JRA馬は佐賀滞在かつ騎手乗替わりとなった影響があったと思われる。それを例外と考えれば、重賞勝利実績があり、4番人気以内のJRA馬が強い傾向に戻りそうだ。

(文・上妻輝行)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。