データ分析 Data Analysis

大一番に向け強豪集う

例年、10月2週目に行われる盛岡ダート1600mのJpnI競走。春のかしわ記念JpnIと並び、秋のマイル王を決める争いであると同時に、11月のJBCや12月のチャンピオンズカップGI、東京大賞典GIをめざす強豪が、短距離・中距離両方のカテゴリーから幅広く集う当レースは、秋シーズンの大きなハイライトのひとつとなっている。ここでは2015年から24年までの過去10年を、データで振り返る。

JRA勢の争い

過去10年、JRA勢が地方勢を圧倒。優勝は全てJRA勢で、3着内の馬券絡みも30頭中28頭がJRA。予想は概ねその中で進めていくべきだ。地方勢の馬券絡みは、東京大賞典GI・3着の実績があったモジアナフレイバー(2020年3着)と、ダートグレード競走をすでに3勝していたイグナイター(23年2着)。地方勢の活躍には、かなりの高実績の裏付けが必要だ。[表1]

[表1]所属別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
JRA 10 9 9 39 14.9% 28.4% 41.8%
兵庫 0 1 0 2 0.0% 33.3% 33.3%
南関東 0 0 1 8 0.0% 0.0% 11.1%
その他 0 0 0 72 0.0% 0.0% 0.0%

1番人気を信頼、ヒモには人気薄も

1番人気が7勝、3着内率9割と好成績。1番人気はまず信頼すべきだ。但し、1番人気が勝った7回の3連単平均配当は28,697円。万馬券が7回中4回もあり、決して堅く収まっているとは言えない。馬券絡みのほとんどを占めるJRA勢に限ると、6番人気以下の3着内率は28.6%もあり、いわゆるヒモ荒れには十分注意したい。[表2]

[表2]人気別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1番人気 7 1 1 1 70.0% 80.0% 90.0%
2番人気 1 4 2 3 10.0% 50.0% 70.0%
3番人気 0 0 1 9 0.0% 0.0% 10.0%
4番人気 1 2 1 6 10.0% 30.0% 40.0%
5番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
6番人気以下 1 3 3 94 1.0% 4.0% 6.9%

活躍は5・6歳馬、4歳馬は不振

5歳馬が活躍のピークで、6歳馬まで含めた世代が活躍の中心となる一方、4歳馬が明らかに不振。過去10年で4歳馬の勝ち馬はおらず、2017年のゴールドドリーム(2番人気5着)や23年ジオグリフ(3番人気9着)などが、人気でも馬券圏内を外した。なお、前出の馬券絡みを果たした地方馬2頭は、いずれも4歳時に4着と敗れたあと5歳で活躍を果たしており、4歳では敗れたゴールドドリームも5歳時には2着と好走(6歳時にも3着)。前年4歳時に当レースに出走した5歳馬は注目する価値がある。[表3]

[表3]年齢別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
3歳 1 0 0 2 33.3% 33.3% 33.3%
4歳 0 1 1 16 0.0% 5.6% 11.1%
5歳 5 4 2 27 13.2% 23.7% 28.9%
6歳 3 5 3 32 7.0% 18.6% 25.6%
7歳以上 1 0 4 44 2.0% 2.0% 10.2%

短距離からの転戦組が優勢

JRA馬の前走距離を調べてみたところ、1200m、1400mといった短い距離からの転戦の方が、1700m以上の長めの距離より優勢とわかる。併せて人気にも注目すると興味深く、1200m、1400mからの転戦で馬券に絡んだ馬15頭の人気の平均が3.73なのに対し、1600m以上からの転戦13頭では平均2.69。短距離からの転戦組の方が配当妙味がありそうだ。[表4]

[表4]JRA所属馬の前走距離別成績(過去10回)

1着 2着 3着 4着以下 勝率 連対率 3着内率
1200m 1 2 0 1 25.0% 75.0% 75.0%
1400m 4 4 4 14 15.4% 30.8% 46.2%
1600m 2 2 1 10 13.3% 26.7% 33.3%
1700~1900m 1 0 1 5 14.3% 14.3% 28.6%
2000m以上 2 1 3 9 13.3% 20.0% 40.0%

勝つのはこういう馬!

JRA所属の5・6歳馬。1番人気に推されるならなお有力だが、とりわけ短距離からの転戦馬は人気問わず注目したい。

(文・坂田 博昭)

過去20年の所属別成績

  • 1着

  • 2着

  • 3着

【注記】2011年は震災復興のため東京競馬場で実施。

注記

当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。