
レースの見どころ
過去5年のデータを参考にして注目点を挙げていく。東京盃から駒を進めてきた馬は(2・2・2・20)。毎年競走条件が変わるため、結びつきは薄いが、前哨戦を好走した馬が本番でも上位に食い込むケースが目立つ。また、同年のマイルチャンピオンシップ南部杯、クラスターカップを経験してきた馬が近5年で11頭、3着以内に入線。ステップ別ではこちらを重視したい。年齢別では8歳以上に連対歴がない。3着に入った2頭の8歳馬は前年のJBCスプリントで連絡み。高齢馬は苦戦する傾向が強い。前走が芝だった馬は(0・0・1・4)。路線変更が実を結ぶケースは稀。3カ月以上の休み明けで馬券に絡んだ馬もいない。

今年のクラスターカップを制し、トライアルの東京盃で善戦。データに最も合致するのはこの馬だ。前走にしても前を交わして勝ちに行ってのもの。3着に終わったとはいえ、レース内容には十分合格点を与えられる。追い切りでは絶好の動きを見せており、本番へ向けた態勢は万全といったところ。2走前の鮮やかな勝ちっぷりを見ると、左回りの船橋1000mに舞台が替わっても、何ら心配はない。大混戦を断ってダートスプリント界の頂点に立つ。

こちらも8月のクラスターカップを経験している。前走のコリアスプリントでは一旦、先頭に立って見せ場たっぷりの2着。昨年は佐賀1400mのJBCスプリントで2着したが、近況を見る限り、現状はワンターンの競馬の方が適しているようだ。中間には栗東坂路コースで半マイル50秒台を刻んでおり、遠征帰りでも疲労感は皆無。過去5年のJBCスプリントにおいて、3度馬券対象になっている名手・武豊騎手を背に逆転を目論む。

船橋1000mでJBCスプリントが行われるのは2010年以来。15年前は逃げたサマーウインドがそのまま逃げ切り、道中、3番手にいたナイキマドリードが2着。先行馬同士のスピード決着となった。東京盃は7着に終わったが、前半3ハロンは33秒8。そのダッシュ力は見どころ満点だった。この舞台では昨年、習志野きらっとスプリント、船橋記念を優勝しており、本来は適性が高いはず。吉原騎手が2走前と同じ轍を踏むとは考えにくく、ポンとハナを切れれば。

クロジシジョーは追い込み一辺倒の個性派。それだけに、大井外回りコースより直線が短くなるのはマイナスだろう。それでも、決め手だけならメンバー中屈指の存在。コースを知り尽くしている戸崎騎手の腕で不安要素をカバーできれば。コパノパサディナはNST賞でクロジシジョーと0秒2差だから、能力差はそれほどない。今開催から新規開業となった森泰斗厩舎の重賞初戦に注目したい。南関東に移籍して重賞を連勝中と勢い満点なファーンヒル、福島テレビ賞勝ちがインパクト十分だった転入2戦目シアージストあたりも侮れないところ。
提供 競馬ブック 善林 浩二
注記
当ページの情報は、11月2日(日)17時現在のものです。
当ページの情報は、NARが特定の馬の応援や推奨などを行うものではありません。